【サンムーン・全国ダブル】メガジュペッタを使いたかった話~ジュペドー式ハロウィンパーティー~




目次

はじめに

はじめまして。麹屋(こうじや)と申します。

デデンネとかトゲデマルとかデリバードとか、“デ”の付くポケモンが好きです。

 

さて突然ですが、ダブルバトルにおける「ジュペッタドーブル(ジュペドー)」という並びをご存知でしょうか?

メガジュペッタがいたずらごころ+スキルスワップを両立する唯一のポケモンであることを活かし、ドーブルのキングシールド+スキルスワップでいたずらごころダークホールドーブルを作り出すコンボで、ORAS以降散見された構築だといいます。

サンムーンになりシーズン5でようやくメガジュペッタが解禁されたこともあり、このジュペッタドーブルを自分でも使ってみようと思ったのがこの構築の始まりです。

環境の変化

ここで、6世代と比べてジュペッタドーブルにどのような変化があったかを見てみましょう。

強化点

  • メガ進化ターンのS判定の仕様変更

メガシンカターンにいたずらごころの優先度+1が適用されるようになり、確実にいたずらスキスワを使えるようになりました。
またジュペッタに“まもる”を採用させる意義が薄れ、技枠が広がったのも大きいですね。

  • Zクリスタルの登場、変化Z技

キングシールドは変化技貫通のため、スキスワを通せるメリットがありますがちょうはつに弱いというデメリットもあります。
そのためメンタルハーブを持たせるのが6世代ジュペドーの基本でしたが、ドーブルがZ変化技を使うことでちょうはつ対策になり、Z技化したことによる副次効果も得られるようになりました。

弱体化点

  • ダークホールの実質使用禁止

これが一番辛い点。7世代からダークホールは「ダークライ以外のポケモンが使用すると失敗する」という仕様になってしまい、いたずら催眠を狙うならキノコのほうし一択となりました。

  • カプ系の存在

エレキ/ミストフィールドで催眠対策をしてくるカプ・コケコ/レヒレ、サイコフィールドでいたずらごころを無効化してくるカプ・テテフという大きな存在が登場してしまい、そもそものギミックが通しづらい環境になってしまいました。

  • 悪タイプへのいたずらごころ無効化

単純に忘れてしまいがちな仕様変更。

 

と、具体的に挙げてみるとジュペドーというギミック自体が非常に通りづらくなってしまったというのがわかります。

しかし、そんな環境だからこそ、視点を変えてみれば突破口が見つかるかもしれないと考え、ジュペドーについて再度考えてみることにしました。

メガジュペッタに注目する

ここで再度メガジュペッタの種族値をおさらいしてみましょう。

HP 64
こうげき 165
ぼうぎょ 75
とくこう 93
とくぼう 83
すばやさ 75

いたずらごころのイメージが強くて忘れられがちですが、攻撃種族値165と、メガシンカポケモンのなかでも屈指の攻撃力を誇っています。

素早さ種族値は75と高いとはいえませんが、覚える技に注目すると「かげうち」という一致先制技が使えることに気付きます。

 

ここで、再度ドーブルに話を戻しましょう。

6世代のジュペドーにおけるドーブルは、“マイペース”が主流だったようです。これはいたずらドーブルでマイペースジュペッタにいばることで、安全にAを2段階上げることができるという考えの下でしょう。しかしそれは2体を同時に眠らせられた6世代だからのことで、1体ずつしか眠らせられない(そもそも催眠も通りづらい)7世代ダブルでそんな悠長なことはできません。

しかし、ドーブルにはもっと有用な特性があります。それが“テクニシャン”です。

テクニシャンといえばハッサム/メガハッサムのテクニバレパンを思い浮かべる人が多いでしょうが、ハッサムの攻撃種族値は130、メガハッサムでも150、対してメガジュペッタの攻撃種族値は165!

これにより「メガジュペッタのテクニかげうちを悪戯ドーブルで強化して、相手を先制で倒す」という基本戦術が決まりました。

6世代のジュペドーはドーブルが主役でしたが、7世代はジュペッタが主役、ということですね。

ドーブルの技を考える

さて、基本戦術は決まりましたが、ドーブルの技をどうすれば一番強化できるでしょうか。

 

まず順当にてだすけ。テクニシャンを渡すことも考慮すると1.5×1.5=2.25倍です。

しかし折角いたずらごころを渡してるのに、もともと優先度の高い技を使うのはもったいない。

 

続いてにらみつける(orしっぽをふる)。ダブルバトルなので相手2体のBを下げます。

倍率は手助けとほぼ一緒ですが、2体に通るのでこれはわりと良さそう。

 

お次はいやなおと。相手1体のBが2段階下がるので、倍率は1.5×2=3倍になりました。しかし命中率85が非常にネック。

これならエルテラでなだれ撃ったりメガリザYでねっぷうしたりした方が確率的にいいじゃん、ってなりそう。

 

そんなわけでいろいろと変化技一覧を眺めていたら、こんな技がありました。

ハロウィン

タイプ ゴースト 分類 変化
威力 命中率 100
PP 20 対象 一体選択
直接攻撃 × まもる
マジックコート よこどり ×
オウムがえし みがわり貫通 ×

効果:相手の『タイプ』に『ゴースト』タイプを追加する。
Z技:追加効果:すべての能力ランクが1段階上がる。

 

相手にゴーストタイプを付与してかげうち抜群にしたうえで、全能力を強化できる技が存在していたとは……!

倍率はテクニ×抜群倍率で3倍、Z技化で挑発も1回は凌げて、上がった能力は先制バトンなりで引き継げば無駄がない!

というわけで、“ゴーストZハロウィンドーブル”を使うことが決定しました。

ハロウィン+テクニかげうちの威力はだいたい以下の通り。

 

B4振りカプ・コケコ(ゴースト) ダメージ: 152〜182 割合: 104.8%〜125.5%  確定1発

 

なんだ落とせるのはコケコ程度か、と思われるかもしれませんが、無振りコケコの物理耐久というのは高速アタッカーの中では比較的高い方。

これ以下の耐久指数でダブルでよく使われるポケモンといえば、メガリザY、バシャーモ、ドリュウズ、ウルガモス、霊ボルトあたりが該当します。

さらに、相手がエスパータイプであればハロウィンによって霊4倍になるので

 

H252B44振りクレセリア(ゴースト) ダメージ: 228〜268 割合: 100.4%〜118% 確定1発

 

このあたりまで落とせるようになります。

おいかぜ等のS操作も無視できるので、割と有用なコンボになると考えました。(対トリルはジュペドーの行動順が変わってしまうので怪しい)

実際に組んだ構築

 

ジュペッタ

性格:いじっぱり 
特性:おみとおし→いたずらごころ
努力値:HA252B4 
持ち物:ジュペッタナイト
技:かげうち/スキルスワップ/おにび/みちづれ

というわけで、本構築のメインアタッカーのジュペッタ。メガハッサム以上の火力の先制技で相手を上から薙ぎ倒したかった。

かげうち、スキルスワップは確定で、ドーブルを選出しなかった場合の策としておにびを採用。最初はカプを吹っ飛ばすためにダストシュートを採用していたが、テテフのサイコフィールドサイコキネシスが耐えられなかったので開き直ってみちづれを採用することにしました。ノーマルタイプに手も足も出ないけどそれはおにび撒いたり後続に頑張ってもらう方針で……

スキスワは6世代教え技限定なので注意。

 

ドーブル

性格:ずぶとい 
特性:テクニシャン 
努力値:H252B116D124S12 
持ち物:ゴーストZ
技:キノコのほうし/キングシールド/ハートスワップ/ハロウィン

季節を先取りしすぎたドーブル。ゼンリョクでハロウィンを祝う。

Zハロウィンで能力が上がること、いたずらごころでSを気にする必要がほぼないことを踏まえて、メガジュペッタ抜きにした後は耐久に全振りしました。だいたい意地テラキのZインファをB上昇なし守る込みで最高乱数以外耐えみたいな配分。

キンシ、ハロウィンは確定で、なんだかんだ先制催眠が強力なのでほうし。ハロウィンZで上がった能力を活かすために最初はバトンタッチを入れていましたが、“いたずらごころを失った遅いドーブルが絶望的に弱い”ということに気が付いたのでハートスワップ(能力変化を入れ替える効果)をマギアナさんから拝借してきました。

※最初キノコのほうしではなく攻撃技を採用していたので挑発されてもZハロウィンを使えましたが、途中で攻撃技をなくしたので挑発に弱くなりました。ちなみにドーブルが挑発を食らったのは50戦中3戦ぐらいでした。ジュペッタに挑発撃たれる方が実は辛かったりします。

 

カプ・ブルル

性格:いじっぱり 
特性:グラスメイカー 
努力値:HA252 
持ち物:こだわりハチマキ
技:ウッドハンマー/ウッドホーン/ばかぢから/いわなだれ

唯一ジュペドーに優しいフィールドを貼れるカプなので採用。うまく全能力上昇をスワップできると非常に強い。

 

バンギラス

性格:いじっぱり 
特性:すなおこし 
努力値:HA252 
持ち物:とつげきチョッキ
技:いわなだれ/かみくだく/ほのおのパンチ/れいとうパンチ

天候対策+ハロウィンで格闘4倍を消すことができればめちゃくちゃ強いんじゃないかという考えで採用。とにかく堅い上にうまく全能力上昇をス(以下略)

ちなみに悪タイプだろうと味方へのいたずらごころハロウィンは有効です。サイコフィールド状態の味方へのいたずらスキスワも有効です。覚えておきましょう。

 

ゲッコウガ

性格:おくびょう 
特性:へんげんじざい 
努力値:CS252 
持ち物:いのちのたま
技:あくのはどう/れいとうビーム/ダストシュート/まもる

ハロウィンと相性のいい速い悪タイプ&ランドロスに強い駒として採用。全能力上昇をスワップすることを考えてタスキでなく球を持たせ、特殊型だけどカプの処理を重く見てダストを採用しました。

 

ミミッキュ

性格:いじっぱり
努力値:AS252
持ち物:ラムのみ
技:つるぎのまい/じゃれつく/シャドークロー/かげうち

強いかげうち使いその2として採用。珠もZも取られているのでラムを持たせましたが、だいたいこいつを選出するパターンはドーブルを出さないケースが多かったので、フェアリーZかタスキの方が良かったかもしれません。

基本選出

・基本形

ジュペッタドーブル+バンギ+ブルル/ゲッコウガ

ジュペッタドーブルでスキスワ+キンシ。ねこだましを気にしなくていい(むしろ撃たれればおいしい)のがこの並びのいいところ。雑に削ってジュペッタが落ちたら全能力上昇を隣に渡して戦います。

 

・相手にランドロス(いかく)がいる

ジュペッタゲッコウガ+バンギ/ブルル/ミミッキュ

ジュペッタのおみとおしでランドロスの持ち物を見て、スカーフならまもる+おにび、非スカーフなら上から冷ビで処理。

ランドロス以外のいかく枠は、頑張って処理する。

選出率としては、ジュペッタはほぼ100%、ドーブル6割、残り5割ずつみたいな感じでした。

結果

最低レート1400付近 最高レート1570付近 勝率5割

 

あれれ……?

1600以上の高レート帯に対する勝率がわりといいのに全体勝率が怪しすぎて、勝率5割なのにレートが上に振れる図↓

 

反省点

  • ジュペッタが脆い

とにかく脆い。ほんとにH252振ってるのかと疑いたくなるくらい脆かったです。
当倍Z技やテテフのフィールドサイキネはまず耐えられず、ドーブルにいたずらごころを渡しただけで落ちるシーンがとても多かったです。
それを逆手にとってみちづれを選択するというのもアリでしたが、そうすると今度は残されたドーブルが役に立たないのでなんとも。

  • いかくに弱い。

メインギミックがいかく1回で破綻するため、不利なサイクル戦を強いられる展開になりやすかったです。
霊ランドの処理ルートは一応確立していましたが、いかく+おにび無効のウインディが非常に厳しかったです。

  • 技威力が足りない。

Zハロウィン&ハートスワップがうまく決まっても、A+1テクニかげうちがめいそう型レヒレ(ゴースト)を落とせない、
C+1珠あくのはどうがやどりぎテッカグヤを落とせない等、そもそもギミック全体に火力が足りないことを実感させられるシーンが多々ありました。
(あとから計算したらどっちも耐久全振りじゃなければ乱数でした。解せぬ。)
ぶっちゃけはちまきグラスウッドハンマーを振り回した方が強いというのが悲しいところ。

  • 全体のSが中途半端

メインギミックが優先度+1のみで成立するからS操作いらないだろうと思っていましたが、当然のごとくジュペドーが両方居座ることなど少なく、
結果Sの中途半端な並びで戦わざるを得ないシーンが多く非常に厳しかったです。

  • ドーブルを選出しない方が勝率がいい(勝率がギミックに依存しない)

ジュペッタでおにびを撒きながらサイクル戦を仕掛けた方が勝率が良かったのですが、ならヤミラミとか使って他のメガ枠採用した方がいいじゃん……という印象に。
というかメインギミックが通ってもそのまま勝てた試合が少ないんですよね……

 

個々のポケモンの技とか個別に重い相手とか挙げればキリがないですが、とりあえず上記の5点が重過ぎて、想定以上に勝率を上げることが難しかったです。

メガジュペッタを活かすには?

スキスワを活かす方向で考えるのには限界がありそうだったので、ほぼ全選出して得た使用感からメガジュペッタの今後を考えてみました。

  • 対メガガルーラピンポイントで採用する

先制鬼火、ノーマル無効でメガガルーラに非常に強く出られるので、とりあえず対策枠としては機能するかなと。肝っ玉のまま殴ってきたら知らん。

  • 先制みちづれを活かす

脆いことを逆手にとってみちづれを使うのは非常に有用だったと思います。
7世代から仕様変更でみちづれ連打ができなくなったので、万一生き残ったときのために非先制の攻撃技を仕込みましょう。
個人的にはゴーストダイブが一番いいかなと。

  • 先制かなしばりを活かす

調べたら悪戯心+金縛りを両立できるのもメガジュペッタだけでした。使っていて金縛りがあったら勝てたかもなーというシーンがいくつかあったので、何かの役に立つかもしれません。

 

とりあえず思い至るのはこんなところでしょうか。

おわりに

今回メガジュペッタというポケモンに重点を置いてギミック重視で考察・対戦を行いましたが、正直数多の強いといわれる構築、

強いメガ進化ポケモンを差し置いて使うには至らないかなという印象でした。

しかし可能性を感じる場面は多く、もっとPT構築と行動を最適化すれば十分化けるポテンシャルを持ってると思います。

私は生憎そこまでのスキルを持ち合わせていなかったので、是非我こそはという方に使ってみていただきたいですね。

それでは、長文にお付き合いいただきありがとうございました!

おまけ

QRレンタルチーム

https://3ds.pokemon-gl.com/rentalteam/sm/BT-499C-9910

 

デデンジャーズ(QR)とマッチングしたバトルビデオ

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この記事を書いた人

怪しい教えを麹屋さん

コメント

コメント一覧 (1件)

  • メガジュペッタはいまひとつ火力も耐久も足りないのだ…

    あと、ジュペッタはUSUMならバトルツリーでスキスワ覚えますよー

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