構築経緯
マンタインがどうにもそのポテンシャルのわりに評価されていないようだったので「こいつ超強いよ」と評価していたところ、
「そんなわけないだろ」「信じられない」「マンタインだぞ?」という心無いことばを浴びてしまい、皆から信じてもらえなかったので実際に使うことにした。
しかし、とはいってもマンタインは普通に組み込むと普通に強く、面白い所が一切無いほどのポテンシャルを持っている。
それでは使っている側の僕が正直面白くないということで、今回は単純なパーティの強さは放り投げてパーティ内のシナジーを重視した構築を作ることにした。
マンタインのカタログスペック
マンタイン 水・飛行タイプ
85-40-70-80-140-70
特性 貯水/すいすい/水のベール
各種水タイプとしての基本技及び「凍える風」「追い風」のS操作。
「ワイドガード」という防御技。「水浸し」「手助け」のような火力補助技。
さらには「黒い霧」「ミラーコート」「羽休め」まで覚えるため使う技には困らない。
かなり特防に振り切った種族値だがそれはその分他の所のステータスを強化する余裕に繋がり、見た目以上のステータスを誇る。
運用方法はやはり「追い風」を生かし素早さをサポートしつつ「羽休め」で居座る形だろう。
……と、ここまで書くと皆さんサンダーのことを想起すると思う。
マンタインを語る上で外せないこのポケモン、サンダー。
サンダー 電気・飛行タイプ
90-90-85-125-90-100
特性 プレッシャー/静電気
一見ステータス的にマンタインのほぼ上位互換に覚える。
マンタインはタイプと補助技で差別化を図るしかない……本当に?
実際のステータスを考えてみよう。
サンダーの調整例は以下の通りとする。
性格:おだやか
特性:せいでんき
持ち物:サイコシード
努力値:H220 B108 C4 D132 S44
実数値:193-×-119-146-139-126
H:193(H全振りムクホークのいのちがけ耐え)
B:A177メガガルーラの猫捨て身耐え
D:サイコシード発動時C147コケコの眼鏡10万確定4発/ヒードランのC200晴れオバヒ耐え
S:追い風時最速100族まで抜き
10まんボルト/ねっぷう/おいかぜ/はねやすめ
これはレート2000を達成した強力な構築のサンダーの調整例である。
実数値は193-×-119-146-139-126
これと同じく、マンタインも実戦向けの調整を行って比較しようと思う。
マンタインのステータスは「グラスシード込みで霊獣ランドロスのダブルダメージ高乱数3連以外耐え」且つ、「冷凍ビームで無振りランドロスを確定一発」とする。
その時の実数値は192-×ー112-122-160-90
サンダー 193-×-119-146-139-126
マンタイン 192-×ー112-122-160-90
なんと耐久面ではほぼそん色がないどころかマンタインが上回っている。
勿論一般ポケモンと伝説ポケモンという基本性能の差もあるため総合的な能力では劣るが……
果たして総合的な能力で劣るからと言って実際の運用で劣ると言えるだろうか?
火力を決めるのはステータスだけではない。技威力だ。
サンダーがランドロスを倒すときに使う技は主にめざめるパワー氷。威力は60。
そんなもの説明されなくても分かるという人は多いだろう、だが本当にそれは分かっていると言えるのか?
否。マンタインの評価が低かったという読者の方はその意味が分かっていない。
サンダーの使う技はめざめるパワーだが、マンタインの使う技はめざめるパワーではない。
威力90を誇る冷凍ビーム、ステータスではなく技威力で上回ることでマンタインはサンダー以上の火力を出せるのだ。
これは耐久耐性にも表れる。対雨パーティを考えてみよう。
サンダーは10万ボルトで水タイプを倒せるが水技も氷技も半減できないため、水タイプの攻撃を耐えさらに相手を一撃で倒す必要がある。
しかしマンタインならばどうだろうか?
そもそも水タイプの攻撃ではダメージを受けないため一撃で倒す必要はない。
熱湯が半減されようと相手の攻撃では絶対に落ちないためマンタインは生き残ることができるのだ。
以上の事実からマンタインはサンダーとタイプ相性などを含め、相互互換であることが分かる。
サンダーと言えばダブルレートでも使用率上位に食い込む強力なポケモン。
普段からマイナー扱いされているマンタインは、そのサンダーと相互互換として張り合えるカタログスペックを持つポケモンなのである。
パーティ構築
熱く語りすぎたのでパーティ紹介に入ろうと思う。
今回はとにかくシナジーを重視したこともあり単体では働かないポケモンが多い。
バンギラス
持ち物:バンギラスナイト
特性:すなおこし
性格:いじっぱり
努力値:H172 A252 S84
実数値:197-204-130-×-120-92 → 197-237-170-×-140-102
技:いわなだれ/かみくだく/ロックカット/まもる
竜の舞ではなく耐久振りを重視したがためのロックカット。
意地っ張りHAベースで採用した。
弱点である格闘と地面をマンタインやカプ・ブルルが受けていく動きが基本。
とにかく数値の暴力で動くことが基本となる。
マンタイン
持ち物:グラスシード
特性:ちょすい
性格:ひかえめ
努力値:H252 B172 C84
実数値:192-×-112-122-160-90
技:ねっとう/れいとうビーム/はねやすめ/おいかぜ
控え目HB軸での採用。
マンタインは他の5匹のポケモン全てから引けるよう構成。
しかし遂行能力そのものは弱点を突かなければ無いに等しいため、繰り出しても弱点を付けない相手に出すのは控えること(カプ・レヒレやニョロトノなど)。
弱点が付けない相手と戦う時は最終的に泥試合へ持ち込むことを前提とする。
カプ・ブルル
持ち物:こだわりハチマキ
特性:グラスメイカー
性格:いじっぱり
努力値:H252 A252 D4
実数値:177-200-134-×-116-95
技:ウッドハンマー/ウッドホーン/ばかぢから/いわなだれ
意地HAでの採用。
マンタインの足りない遂行力はカプ・ブルルの瞬間火力で補う。
このパーティでは地面弱点で固めてあるためグラスフィールドは生命線となる。
カプ・ブルルが動けない=試合終了も多々あるため気を付けて動かす。
ウインディ
持ち物:クサZ
特性:いかく
性格:おくびょう
努力値:C252 S252 B4
実数値:165-×-101-152-100-161
技:もえつきる/ねっぷう/ソーラービーム/まもる
臆病CSでの採用。
カプ・ブルルの前でレヒレが動くわけもなく当然交換されるのでその前の対面状況で倒す。
ウインディ+バンギラスからバンギラス交換、カプ・ブルルで格闘技や地面技を無力化しながらウインディは草Zでカプ・レヒレを突破、というような動きが基本。
燃え尽きるで炎タイプを消し、グラスフィールドで地面耐性を与えることで実質的な草タイプとなったり変幻自在な運用を行っていく。
威嚇+グラスシードでマンタインを要塞化したりバンギラスの数値を底上げしたい。
ギルガルド
持ち物:じゃくてんほけん
特性:バトルスイッチ
性格:のんき
努力値:H252 A4 B156 C92 D4
実数値:167-71-209-82-171-72
ブレード時:167-171-99-182-71-72
技:シャドーボール/ラスターカノン/かげうち/キングシールド
WCS2015においてBIDC氏が使用していたのんきガルドを採用。
今作においては威嚇1回でランドロスの地面Zをも耐える耐久力を誇ることに着目し採用。
下から叩き落とされても耐えるしブレードでも物理耐久はそこそこあるので強気で動かせる。
カプ・ブルルとウインディと噛み合わさることで要塞と化す。
カビゴン
持ち物:ウイのみ
特性:くいしんぼう
性格:ゆうかん
努力値:H148 B236 D116
実数値:254-143-115-×-145-31
技:おんがえし(からげんき)/10まんばりき/リサイクル/のろい
トリックルーム耐性が甘いと感じたための採用。
しかし見た目だけ耐性をとれればいいやと思っていたのでTLでお勧め配分を聞いたところこれと言われたのでそのまま採用した。
勇敢HBD配分だがよく見ると生意気の方が配分効率よいのかもしれない。
グラスフィールドや威嚇と併せて要塞化を狙う。
選出
シナジーを重視しすぎたことで基本選出というものを作ることに失敗。
カプ・ブルルを中心として相性補完はなされているものの、選出枠が4匹に収まっていないという現実が襲い掛かる。
パーティの強さを放り投げた結果ではある。とにかくシナジーはあるが、それが対戦と噛み合わない。
カードゲームで言う「紙束」のような構築となった。
今回はその中でもそこそこ強い組み合わせを上げるので、それを組み合わせて選出は自分で考えてみて欲しい。
ギルガルド+バンギラス(後続ウインディorカプ・ブルル)
地震を誘って弱点保険発動の構え。
初手にバンギラスを遂行したいポケモン(ランドロス等)を強烈に誘い、その攻撃でギルガルドの保険を発動させシャドーボールで返り討ち。
後続に残るバンギラスでランドロスを失った対戦相手を蹂躙する。
マンタインの追い風と組み合わせるとなおよい。
ギルガルド+ウインディ(後続カプ・ブルル)
ランドロスの地面Zを誘い保険シャドーボールで返り討ちの形。
バンギラスかマンタインのどちらかしか選出できないため選出のパワーはやや落ちる。
カビゴンの鈍い積みによる詰めを狙ってもよい。
カプ・ブルル+マンタイン(後続ウインディ+バンギラス)
相手にフィールド役も電気役もいない時の最強選出。
この選出ができるならば勝てる。追い風ラストターンにバンギラスのロックカットを合わせよう。
カビゴン+ウインディ(後続カプ・ブルル)
カビゴンの鈍いをとにかく積んでいく選出。
勝ち筋が思いつかなかった時に狙うと良い。
強い後発
マンタイン+バンギラスorカプ・ブルル
序盤戦で相手を崩した後にマンタインを降臨させ追い風。
マンタインで詰められるポケモンを残すようにバンギラスかカプ・ブルルで攻撃を行う。
出来る限り後発はこの形としたいが、マンタインは電気4倍でありさらに弱点を付けなければ遂行速度が遅い。
そのため出せない時はとことん出せないのでそれを踏まえた上で行動をする。
動画
流石になんぼなんでもこれでは不親切にもほどがあるので、実際の使用例を動画で紹介する。
まとめ
想定通り強かった。
普通に強いので普通に使っては面白くないと思いシナジーを重視したが、流石にシナジーを重視過ぎた。
今度使う機会があれば今度は面白さよりも完成度を求めたいと思う。
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コメント
コメント一覧 (4件)
火力を決めるのはステータスだけではない。技威力だ。でハイドロポンプを信じていたのに
弱点を突かない場合はサンダーも雷を打てるので技威力の差がでないんですよね……
あとマンタインが硬すぎてそもそも突破されないので水技に関しては熱湯を採用して置けば困る場面が殆ど起きないという……
私もしばらく前にマンタインをネタとして使おうと思ったんですけど、種族値上がってるし羽休めなんか覚えてるし(君のそれ羽じゃないでしょ)で普通に強そうでネタ枠になりませんよね
実際普通に強いシリーズになってしまいましたからね。
マイナーなポケモンを使いこなして面白構築だ!と言うのにはちょっと強くなりすぎてしまった感じ。
凄くいいことなんですが弱かった頃の姿を知っていると複雑な気分に?