はじめに
ポケモン剣盾追加DLC第一弾、鎧の孤島が配信されました。
追加されたポケモンやキョダイマックスはまだ使用できませんが、新たに追加された技と解禁された夢特性は使用可能です。
となれば新しい技を色々試したくなるのは道理ということで、新技を習得するポケモンを眺めていたところ、ミストバーストフレフワンが目につきました。
ミストバーストの効果は
分類:特殊 威力:100 命中:100
自分の周りにいるすべてを攻撃するが使うと瀕死になる。
ミストフィールドで威力が上がる。
要はフェアリータイプのだいばくはつです。
威力こそ控えめですが、今回注目したのはトリックルーム後に自主退場できる点。
火力の低いポケモンでトリックルームを展開すると放置されてしまって困る……というのがお約束ですが、最低限の火力で相手を殴りながら退場できるようになったのです。
しかし、だいばくはつ系統の技の問題点として、味方も巻き込んでしまいます。
さすがに威力100で味方を殴るなんて問題がありますね、
落ち着くためにAPPDATEの素晴らしい過去記事でも読んで、正しいポケットモンスターを学びましょう。
こんな記事なんであるんだ……?
https://app-date.net/mokuro-team/
https://app-date.net/maikailitwick/
https://app-date.net/hanabatake/
なんでモクローやヒトモシやフラベベで味方を殴ってる記事もあるんだ……?
よし。
APPDATEを読んだら味方を殴れるのも長所みたいな気になってきたので問題ないと判断。
そこで味方を殴れる性質を最大限に活かせるポケモンを考えたところ、ぎゃくじょうジジーロンが浮かんできました。
ぎゃくじょうはHPが半分以下になった時にCを1段階上げる特性です。
これだけでは味方を巻き込むほどの価値はないですが、ジジーロンはフェアリー弱点なので特性と保険を同時に発動させれば火力を2.5倍にしながらタイプ一致全体技が撃てます。
さらにフレフワンが退場したところにイシヘンジンを出し、パワースポットの1.2倍補正を乗せれば火力は3倍、叩きパの倍率を出せる計算になります。
ここまで夢に溢れたパーティもなかなかないということで構築開始。
パーティ
個別解説
ジジーロン
性格:れいせい
努力値:H244 B12 C252
実数値:184-x-107-205-111-36 ※S個体値0
なぜか再び軸に据えることになったポケモン。
使うにあたってダメージ計算したところ、ぎゃくじょう発動のためにH全振りから実数値を1落とすと無振りフレフワンのミストバーストでぴったり半分削れることが判明しました。
ゲーフリは剣盾DLCでミストバーストを追加する前提でジジーロンの種族値と特性を設定したとしか思えませんね。
コンボが完成したときの火力はすさまじく、無振りダイマックスエースバーンくらいならハイパーボイスでワンパンしていきます。
状況によってはダイマックスして単なる保険発動に留めても十分な火力が出るので、必要なら選択していきます。
とはいえ、ダイマックス並みの火力を全体技で出せるのが魅力のポケモンなので、できれば素で運用したいところです。
ハイドロポンプとだいもんじはドサイドンとゴリランダーを仮想敵にした選択ですが、守りたいシーンも割とあったので、変更の余地があるかもしれません。
フレフワン
性格:なまいき
努力値:H244 B244 D20
実数値:207-x-123-119-123-30 ※S個体値0
爆弾。体毛から強烈な匂いを発しているらしいんだけど、これが爆発するってBC兵器では……?
いちおう本命の方のトリラーとしての性能は割と高く、アロマベールでちょうはつを、タイプでドラゴンテールを無効にしながらそれなりの耐久を持っています。
ここにリリバの鋼半減が加わり、かなり安定してトリルを展開できました。
実は割とトリル展開後も爆ぜるために生きててほしいことがあるので、うまく動かして生き残りましょう。
ミストバーストは最低限の火力があり、なかなか便利です。
保険発動の他にも、相手のダイマックス技を不発にするために爆発して味方を倒すなど、ミストバーストに関するプレイングは妙に深いです。
あと単純に爆発するフレフワンが面白いので一度見てみてください。
イシヘンジン
性格:しんちょう
努力値:A252 B4 D252
実数値:175-177-156-×-79-90
正規ルートの終着地点。
基本的にダイマックスし、砂とダイアースで耐久を強引に底上げして数値を押し付けに行くのが仕事です。
役割はおおよそバンギラスですが、4倍弱点の不在は大きく、簡単にはワンパンされないのは便利でした。
砂の必要性が薄いのもあり、S操作中の火力の底上げ役としてパワースポットを採用して決めに行く構成が活きましたね。
ゴリランダー
性格:いじっぱり
努力値:H252 A236 S20
実数値:207-192-110-×-90-108
ついに解禁された草ゴリラ。キョダイマックスがランクマッチで使用できないのを知ってスープを吐かされた。
S操作のサポートがメインの役割で、トリル展開時はウッドハンマーを連打して相手の目をフレフワンから逸らしながら退場し、グラスフィールドでジジーロンを回復して再度逆上できるようにする、ジジーロンを爆破するために解禁されたとしか思えないポケモン。
調整はおいかぜ展開時を意識し、おいかぜ下で最速ドラパルト抜き。本当はCSひかえめラプラス抜きまで振った方がいいんですが、ダメおしの関係でちょっと妥協しています。
初手に投げることが多いですが、グラススライダーの詰めを意識して引く選択肢も忘れないようにしましょう。
バルジーナ
性格:おだやか
努力値:H236 B4 C4 D196 S68
実数値:215-x-126-76-154-109
第二のS操作要員。
トリル要素・コンボ要素ともにフレフワン+ジジーロンで完結させられ、ゴリランダーとイシヘンジンは中速なのでおいかぜ展開を組み込むことにしました。
ドラパルトとイエッサンに有利を取れ、イシヘンジンと相性のいいバークアウトを使えるところが採用に至ったポイントです。
フワライドの採用も考えましたが、初手にゴリランダー以外と並べて展開したいシーンもままあるので、初動の遅さと引き換えにする価値は十分あります。
Sはゴリランダー抜きに設定し、イカサマ+ダメおしでダイマックスドラパルトを倒せるようにしました。
ウォッシュロトム
性格:ひかえめ
努力値:H252 C252 D4
実数値:157-x-127-172-128-106
補完枠。バンドリや晴れを睨む。
本来必要な時に出す枠のはずでしたが、なぜか珠が持てたのでかなり選出機会を持たせられるようになりました。
とはいえダイマックスする前提で出してようやく強いといえるポケモンなので、きちんと見定めて運用する必要があります。
相手次第では初手に投げ、フレフワンに飛んでくる鋼技をサイドチェンジして受けるのも狙っていきましょう。
選出
基本選出
初手:ゴリランダー+フレフワン
後発:ジジーロン+イシヘンジンorウォッシュロトム
初手はねこだまし+トリックルームを選択。
トリル展開後はてだすけウッドハンマーで相手を削り、ゴリランダーが落ちたらミストバースト+ハイパーボイスで相手を一掃、残り2匹を残しておいたダイマックスで倒します。
ジジーロンが動いて相手のダイマックスポケモンを倒せればほぼ勝ちです。
おいかぜ選出
初手:バルジーナ+ゴリランダーorウォッシュロトム
後発:イシヘンジン+ウォッシュロトムorゴリランダー
トリル展開が厳しそうな場合はこちらを選択します。
トゲキッスが相手にいる場合はバルジーナがダイフェアリーで倒されるので、ウォッシュロトムでサイドチェンジしてイシヘンジンをダイマックスする展開に持ち込みます。
こちらの選出ではおいかぜが切れた後ゴリランダーのグラススライダーで詰める展開も多いので意識して立ち回りましょう。
対バンドリ
初手:バルジーナ+ウォッシュロトム
後発:ゴリランダー+相手によって残り1匹
初手はドリュウズにダイストリーム+バルジーナでおいかぜを選択。
天候を取っておいかぜが展開できればあとは押し切れる場合が多いですが、相手の面子やサマヨールでトリルを返されることまで想定して残り1匹を選びます。
フレフワンはあまり出さないはずですが、おいかぜ最終ターンにトリルを展開して詰める筋も存在するため選択肢は検討しましょう。
まとめ
総括
しばらく回してみましたが、選出・立ち回りともにかなり固定化されていて、取り回しの負担が少ない構築でした。
ギミックが一手で完結し、十分な倍率を持っているのもかなり評価が高く、トリパの伝統的な課題であるトリル後のトリラーの弱さにも「放置されればコンボが決まる」「放置しなければ隣の高火力が動く」という形で回答を出せているので使っていて楽しかったです。
反省・問題点
うっすら気付いてる方もいると思いますが、イシヘンジンの火力補佐が過剰です。
「コンボは叩きの倍率を超えるべき」とはよく言われる話ですが、ジジーロンはテラキオンのAより高いCからテラキオンより高火力の技を撃っているので、実はC+3ジジーロンはA+4いじっぱりテラキオンとほぼ変わらない火力を出しています。
ここまで来ると等倍の相手はほぼワンパンできるため、さらに火力を上げに行く必要はないんだけどやりたかったのです。
構築名が変人爺になってしまわなければたぶん理性的な判断ができたのですが…………。
わかっていながらイシヘンジンにしたせいでゴリランダーに苦しみ続けたため、ここをちゃんと選出に絡めるポケモンにすればもっと強い構築になると思います。
次のシーズンは環境も激変するため他にも調整は必要だと思いますが、コンボの可能性は感じたのでもうちょっと研究してみたいですね。
おわりに
実はこのコンボ、3年越しの悲願です。
7世代が発売されたころ、ぎゃくじょうを活かそうとしていた私はあるポケモンに辿り着きました。
それはAZのフラエッテ。
このポケモンが解禁され(しなかった)専用技と噂される技を覚え(覚えるかは不明)23レベルで使えて(これ以上だと死ななくて困る)特性がきょうせいだと(無茶言うな)ジジーロンを殴って眼鏡を渡しながら保険を発動させて3.75倍の火力を出せたのです。
しかし解禁されないまま時は流れ、低レベルの使用そのものが不可能になった8世代。
まさかぎゃくじょうジジーロンを合法的に殴れる日が来るとは思っていませんでした。
ポケモンは考察と知識量のゲームです。
どんなに実現性の低そうなアイデアでも、考察して得た知識と経験はいつか違う形で役に立つかもしれません。
このパーティは私に今一度考察の楽しさを思いださせてくれた気がします。
ありがとう、AZのフラエッテ……!
解禁されなかったお前の魂は変人爺が継いだからな……!
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コメント
コメント一覧 (2件)
イシヘンジンをいじっぱりにすればしんちょうと同じ特殊耐久を維持しつつ物理耐久を約1.1倍に伸ばせると思います
特殊技を扱うアタッカー多いから、イシヘンジンの枠をデンヂムシにしても面白そう