はじめに
こんにちは。自称SVトリプル復活大使のRALO(ラロ)と申します。
ところでAPPDATEを読んでいるみなさん、トリプルバトルってご存知でしょうか?
そう、トリプルバトルです。
おそらくトリプルをやったことのない人からすると、「低レベルや進化前の跋扈する魔境」「意味のわからないルール」「なんか変な構築名が多い」「そもそも今初めて知った」というのが正直な感想だと思います。かくいう私もその1人でした。
そんなトリプルへのネガティブ(?)な印象を払拭しつつ、布教して来るべき最新作、ポケットモンスタースカーレット・ヴァイオレット(以下ポケモンSV)でのトリプル復活への活路を見出すためにこちらの記事を書かせていただきました。
もともとこの記事は僕の個人のブログに書く予定だったんですが1人でも多くの方に読んでいただき、トリプルの魅力を知っていただきたいと思いこちらに寄稿させていただきました。
トリプルと出会うまで
Part1:ポケモン対戦を始める
まず僕が初めてポケモンの対戦を触ったのは2016年、第7世代SMの発売した時になります。
実況者さんたちの影響で始めたのもあって、当時はシングル専門でやっていました。
…感のいい人ならわかると思いますが、トリプルの消えた世代です。
そのあと高校2年生までSM、USUMでシングルバトルをメインにやっていたのですが、受験に伴い一時引退(2019年4月くらいまで)。
そのあとswitchの品薄等もあって、結局2021年の3月までブランクが伸びました。
Part2:トリプルとの出会い
その後もシングルを中心に対戦を続けていたのですがここである動画と出会い大きな転機を迎えます。
この動画は(当時は)ダブルをメインに動画を投稿されていたパデックさんの動画です。
別にこの動画自体にトリプル要素はないのですが、この動画の中の絶妙な言い回しやパデックさんの知識量に惹かれ過去動画を漁っていたところ…
こちらの動画に出会いました。
とはいえ、当時の最新ハードはswitch、「何が悲しくて僕が対戦始めたより前の世代のゲームをやらなあかんのや」と思っていた僕は適当に見流してました。
むしろその頃にはダブルへの興味をかき立てられ、ダブルバトルをよくやるようになりました。
しかしながら、その後2021年のお盆くらいからざわさんやパデックさんがトリプルバトルの動画や配信を多く行うようになり、少しずつその魅力に惹かれていきました。
Part3:トリプルバトルを始める
色々あって時は進んで2022年。
剣盾のGSルールがどうも肌に合わずに悩んでた僕にある妙案が浮かびます。
「そや、トリプルやってみよう!!」
そんなこんなでメルカリで2,000円で中古のアルファサファイヤを購入。
ちょうど大学も春休みだったのでそのタイミングで一気にストーリーを進め厳選環境を整えました。
BPに関してはバンクにいくらかあったので良かったのですが、厳選や育成等、いざやってみると色々大変でした…。
剣盾の楽さをひしひしと感じながらもなんとか最初の構築を完成させ、トリプルバトルに参入しました。令和トリプル勢の中でも大分新参の部類ですね。
主に2021年夏以降にトリプルを始めた人達を指す。
前述のざわさんやパデックさん等による対戦動画の配信やトリプルバトル総合情報サイト(後述)の登場等の要因により、2021年夏以降にトリプルバトル新規勢が急速に増えたことから誕生した俗称である。
その後はバンドリを使ったりギフトパを使ったり誓いを使ったりアンノーンを使ったり(?)して、トリプルをエンジョイ。今に至るといった感じです。
トリプルバトルは誤解されがち?
トリプルは人口が少なかった
ご存知の方もいるかもしれませんが、トリプルバトルの人口は圧倒的に少なく、7世代でルールが消えてしまった要因の1つなのではないかという意見もあります。
事実、当時のORASにおけるレートマッチの各ルールの人口推移を見ると、グラフ上で地を這うローテとトリプルの姿を見ることができます。
僕自身としてはトリプルをより多くの人に広めたいのですが、そのためにはトリプルの人口が増えなかった理由を僕なりに考えてみたいと思いました。
理由がわかれば、それを踏まえた上でトリプルの魅力を伝えられるはずです。
誤解を解く
まず僕なりにトリプルの人口が少なかった理由を考察するにあたって、トリプルバトルを始めなかった人が理由として挙げそうな事柄を考えてみます。
- なんか複雑そう
- なんか変なポケモンがいっぱいいるらしい
- シングルやダブルもやっているので時間がない
上記に記したこの3点について、誤解を解いていきたいと思います。
トリプルが複雑そうに見えることについて
僕はもともとシングルバトルしかやっていなかった人間なのでよくわかるのですが、トリプルバトルは「何か難しそう」と敬遠している人は多いと思います。
具体的には1ターンに取れる選択肢の多さや、採用されやすい技の違い、ポケモンの位置関係やムーブ等のトリプル固有の要素の存在、これらの要素に対応したパーティの組み方がわからない等が複雑さを感じる要素として挙げられるでしょう。
その後僕はシングルダブルトリプルと3つのルールの対戦をやることになるのですが、個人的にはどのルールが特別に難しいとかはないと思います(もちろん個人の適性もあるでしょうが)。
大前提としてポケモンというゲームは先に相手のポケモンを全部倒した方が勝つゲームなので、そこを意識して対戦してみるとうまくいくと思います。
何より、「取れる行動が多い」というのは相手にこちらの強い行動を押し付けやすいということでもあります。
なので受け身ではなく、押し付ける側になることを意識するといいのかもしれませんね(もちろん逆に対応する側になると辛いですが…)。
また、選択肢が多い以上相手も必ず最善手を打ってくる訳ではないので…「〇〇されたら負けだな〜」って時に相手の深読みに助けられることも多いです。
次に構築についてですがトリプルバトルでは「アタッカー1」「アタッカー2」「S操作」「猫騙し」「受け(鋼枠)」「バフデバフ枠(威嚇枠)」というある程度決まった役割があります。
例えばこういう並びだとアタッカーがニンフィアとキリキザン、威嚇枠がランドロス、S操作がサンダー、受けがギルガルド、猫騙しがガルーラといったように強い構築はこの基本を抑えていることが多いです(もちろんこれに当てはまらない強いパーティーもありますが)。
「トリプルはルールが複雑そう」という意見に対しての見解
- 「難しそう」→ムーブとか猫騙しとか難しいことを考えずにもっと単純に考えてみよう!!
常に最善手を選べないのは相手も一緒!! - 構築組むのが難しそう→定型化された役割があってそれに合わせて組んでいくといい感じになる!!
変わったポケモンが多そうに見えることについて
レベル21カポエラーやレベル33カモネギ、レベル2プリンのような低レベルや進化前の変なポケモンばかりという偏見が参入の障壁をあげているようにも感じられます。
確かにシングルやダブルに比べてサポート特化のポケモンを採用しやすい環境ではありますが、だからといって低レベルポケモンや進化前のポケモンが多いというわけではありません。
例えば、ピッピ、ドーブル、ニャオニクスなどといったダブルでも見かけることのあるポケモンが使われることの方が多いです。
また、サポート特化のポケモンを採用しやすいとはいってもポケモンは基本的に相手を全員倒した方が勝つゲームなので、こういったポケモンや低レベルのポケモンは基本パーティーに二匹程度が限界です。
じゃあどういうポケモンが強いの?と聞かれると、こういうシングルやダブルでも強かったいわゆる「普通の強いポケモン」が多いです。
何度も言いますがどのルールでも「相手のポケモンを全部倒した方が勝ち」というのは同じなのでこういう普通に殴り合って強いポケモンが一番強いです。あと実はポケモンはレベルが高い方が強いことの方が多いです。いやほんとに。
「変わったポケモンや低レベルポケモンが多そう」という意見に対しての見解
- 変なポケモンばかりらしい⇨そんなことはない。結局どのルールでも強いポケモンが一番強い
- レベル低いやつばかりらしい⇨そんなことはない。ポケモンはレベルが高い方が(基本)強い
トリプルを取り組む時間がないことについて
一番人口の多いシングルバトル、世界大会のルールでもあるダブルバトルをメインにやっているとなかなかトリプルまで食指が伸びない、という方は多いと思います。
また、トリプルバトルはBWから追加された後発ルールであり、過去作でしか遊べないルールなので、既にあるルールから引っ越してくる人はなかなかいないと思います。
そもそもポケモン対戦は厳選作業や努力値振り等の事前準備に時間がかかり、一定数対戦をこなすのにも相応の時間を消費します。時間がないから中々手が出ない、というのはごもっともだと思います。
しかしながら、最近は前述のざわさんやパデックさんがトリプル対戦の動画を投稿していたり、トリプルフリーで対戦を楽しんだりしている人が増えていたりと、他の過去作ルールよりもどういうルールなのかを理解しやすく、すぐ対戦できる環境があるという部分は魅力の一つだと思います。
時間がなくなりがちなのはそれはそうなのですが、ちょっとシングルやダブルにちょっと飽きた時とかに息抜きとかでもいいので動画をみたり対戦したりしてみてください。
「トリプルを取り組む時間がない」という意見に対しての見解
- 時間がない⇨その通り!!でも面白いからやってみて!
トリプルバトルの魅力
ということでここまで読んで「トリプルバトル、ちょっといいかも」と思った皆さんにトリプルバトルの魅力を伝えていきたいと思います。
その1 選出・行動を決めやすい
「嘘をつくな!!」とおっしゃるかと思いますが実際そうです。
選出のパターンはシングルが60通り。ダブルが左右を考慮せず90通り。トリプルが左右を考慮して120通り、考慮せず60通りとなります。こうしてみると選出に関しては大差ないように見えます。
しかし、見方を変えて「出さないポケモンを選ぶ」と考えると、シングルは20通り、ダブルは15通り、それに対してトリプルはなんと1通りです。
この「6体全員選出」というのは思っているより重要な要素でして、場に3体いることで2体3体がかりでの処理ルートを採用しやすいです(例:「ウインディでメガガルーラに威嚇を入れて捨て身タックルを耐えたハリテヤマのインファイトで倒す」)。
慣れないうちは行動の決定にもたつきますが、慣れてくると理論上の行動パターンに対して実際に選べる行動のパターンというのはそんなに多くないことに気づくと思います。
その2 複雑なギミックを組める(組みやすい)
「さっきまでといってること違うじゃねえか!!」とおっしゃるかと思いますが、6体出せる都合上、複数のポケモンにまたがるような大規模なギミックを(他ルールに比べて)組みやすいです。
ギミックに特化せずとも、ホロウビアルやエルテラのようダブルでも使われていた並びでも起動役+アタッカー+もう一体サポートといった並びで採用することでより強力な並びとして使うことができます。エルフーン、テラキオン、ドーブルの「エルテラドー」という並びがあり、レート時代にはメジャー構築の1つだったとか…(レート時代の先達からの言い伝え)
その3 なりきりパーティーとの適性の高さ
「何をいってるんだお前は!?」とおっしゃられると思いますが、トリプルバトルは6体の同時選出が可能なのでなりきりパーティーや統一パーティーとの適性が高いです。
僕の確認した範囲ではゴヨウ、ゲーチス、N、オーバ、シバ、デンボク、シロナ、ゲーチス、カスミ、リラ、キクノ、ゴヨウ、ウォロ、カリン、カンナ、クロツグ、フウとラン、ギーマ、ミラーボ、ゲーチス、ゲーチス、ゲーチス…と様々なトレーナーのなりきりパーティーが存在します。
過去にはなりきりパ限定の大会なども開かれたことがあります。ぜひ好きなトレーナーになりきってみましょう。
困ったらガルーラとドーブルでイリマと言い張ればなんとかなります。
その4 みんなやさしい!!
「急にIQを下げるな!!」とおっしゃられると思いますが、トリプル勢は人口が少ない反面繋がりが密であり、twitterで交換募集をかけると準伝や特段入手難度の高いポケモン以外は大体誰かが提供してくれます。
トリプルを始めたばかりのプレイヤーに対して親切に接してくれる方も多く、新規の人にとって本当に優しい環境だと思います。
その他twitterでフォロワーさんからいただいた意見
- フィールドの広さ(シングルと比べるとフィールドが広すぎてウケます)
- 1ターンに3手動かせる
- 6匹選出による構築のカスタマイズ性の高さ(大規模なギミック)
- 6匹選出なのでひきムラがなく組んだパーティーの全出力を出せる
- サポート特化のポケモンを採用しやすい
- 低レベルでも何かしら活躍できるポケモンもいる
- 考えることが多くて面白い
- それらを全て破壊する眼鏡ニンフィア
- レベルや能力が低いことが長所になりうるという人生の含蓄に富んでいる
- シングルだけじゃ知らなかったギミックを見られる
- アンノーンの採用理由をこじつけられる
- BV鑑賞会の存在
- 猫が爆発する(動画参照)
- メガガルーラさんがいるとポケモンさんが7ひきいるみたい!!
トリプルバトルの始め方
ここまで読んできた皆様はもうトリプルバトルをやりたくてうずうずしていると思われます。そこでおすすめのトリプル環境を2つ紹介します。
ORASトリプル
現状トリプルバトルのできる最新作であるポケットモンスター オメガルビー・アルファサファイア。
現在でも多くのトリプル勢の根城であり、日夜数多くの戦いと考察が行われているため特段の事情がなければこちらの作品で遊ぶことをお勧めします。
え?「3DSを持ってない?どんな構築を使えばいいかわからない?」そんなあなたに朗報の神サイトがあります。
その名も「トリプルバトル総合情報サイト」(通称トリプルwiki)。3DSの選び方から育成論、パーティーのサンプルや大会情報までトリプルを始めて楽しむために必要な情報が全て揃っています。
また過去作ルールの中ではプレイ人口も多く、既存のユーザーによるサポート体制も整っています。最近は有志による大会も盛んです。
しかし一方で現在はレート対戦やランクバトルがなく、手に汗握る熱い戦いや高レートを目指したい方には少し物足りないかと思います。
メリット | デメリット |
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人口も多く界隈が活発。新しく始めた人も多い 初心者の始めやすい体勢が整えられている | ランクマがなくガチりたい人には物足りないことがある(かも) |
SVトリプル
今冬発売が告知されているポケットモンスターシリーズ最新作、ポケットモンスタースカーレット・ヴァイオレット(以下ポケモンSV)。
さらなるグラフィックやUIの向上が予想され、また今までの傾向から考えると厳選・育成の環境が改善されることも予想されます。7世代から始まったレンタルパが残るのであればさらに参入障壁が下がることが考えられます。
さらにはランクバトルによってさらなる強者と戦い高みを目指すこともできるでしょう。
メリット | デメリット |
---|---|
最新ハードのグラフィックを楽しめる ガラルやアローラのポケモンを使える ランクマッチで上位を目指せる 新しく環境を開拓できる | トリプルが実装されるかまだ確定していない |
………….え?「ポケモンSVでトリプル復活なんて誰もいってないだろ」?「ついにこいつトリプルに頭やられちまったのか」?
いえいえ、ポケモンSVでのトリプル復活にはたくさんの伏線があります。
最新作への期待
と、いうわけで最新作ポケモンSVのトリプル復活の伏線を上げていきます。
御三家の紹介の仕方
剣盾では御三家はバラバラに紹介されましたがSVでは三体のポケモンが並んだ画像によって紹介されました。
「3体並ぶ」…もうお分かりですね?間違いなくこれはトリプル復活の伏線です。
BWリメイクの存在
2021年にBDSPが発売され、順番的にはBWリメイクの番です。
BWといえば皆さんご存知の通りトリプルバトルの生まれた世代です。順当に考えれば復活は堅いですしBWリメイクの環境を整えるための準備としてトリプルが復活する可能性は十分あると思います。
(ストーリーでトリプルの必要性がないとかいってはいけない)
Pokémon LEGENDS アルセウスの存在
ヒスイ地方にて3体出しくる人たちをベースにノボリさんがルールを整えた結果、イッシュでトリプルバトルが生まれたことはあまりにも有名。
舞台のモデル
初期トレーラーからポケモンSVの舞台はイベリア半島であると予想されています。
イベリア半島にあるスペインはカロス地方のモデルとなったフランスの隣国であり、両者の間でトリプルの文化が共有されている可能性は高いです。多分ラジュルネもスペインで武者修行とかしてます。
また、イベリア半島のもう一つの国であるポルトガルからホウエンのモデルとなった九州にある種子島にトリプルバトルと鉄砲がもたらされ、鉄砲と反動技の三段撃ちによって1575年の長篠の戦いで織田信長が武田勝頼を破ったのは皆様も歴史の授業で習ったかと思います。
つまり、ポケモンSVにトリプルがないのは時代考証にも反するのです。
こんな伏線があるなんて…こんなのトリプル復活確定ですね…
最後に
上のグラフを見てもわかるように、トリプルバトルは最終盤多くの人の布教によって最も全盛期に近い人口のルールでした。トリプル勢の愛あってのものです。
私はSMでの廃止前からトリプルをやっていた人たちに比べればかけてきた時間も、経験も思い出も遥かに少ないです。
しかし、それでもトリプルバトルへの愛はかつてからのトリプル勢にも負けてないと思っています。
仮にポケモンSVでの復活がなかったとしても「トリプルが好きな人はこれだけいる」ということをアピールするためにも多くの人にトリプルをやって欲しいと思っています。
少なくとも、このままポケモンの長い歴史の中に埋もれていい存在ではないと思っています。
この記事を読んで少しでも興味を持った方がいらっしゃいましたら昔のソフトを引っ張り出してきてトリプルを初めていただければ嬉しいです。
また本記事を作成するにあたって協力してくださったAPPDATEの皆様、Wikiや動画、チャンネルの引用を許可してくださったざわさん、パデックさん、twitterで意見をくださった方々に改めて感謝を伝えさせていただきます。ありがとうございました。
出典
トリプルバトル総合情報サイト
ざわさんのチャンネル(動画の引用・トリプルwikiの引用)
パデックさんのチャンネル(動画の引用・グラフの提供)
ポケモン図鑑(ポケモンの画像)
トレーナーカード作成サイト
寄稿ガイドライン
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寄稿におけるアレコレなどをご説明しておりますのでご覧ください。
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