はじめに
おはこんハロチャオ~。QSと言います。
先日、2023年10月6日~9日に公式インターネット大会「キタカミプロローグ」が開催されましたね。
筆者も参加し、25勝5敗レート1810の最終24位と好成績を残すことができました。
久々の公式大会だったこともありSNSも盛り上がっていましたが、中には何から手をつければ良いか困った方もいるのではないでしょうか?
本記事では公式インターネット大会での筆者なりの虎の巻を紹介しつつ、実例として作成した構築の解説を行いたいと思います。
公式インターネット大会虎の巻
①環境を支配する並びを見極めよう
公式インターネット大会はプールが狭く、構築を作るための時間も少ないことが大半です。
そのため、高種族値で固めるグッドスタッフではなく様々なギミックが環境の中心となります。
ランクバトルでも使用されたギミック、天候特性持ち、高火力範囲技持ち、おいかぜやトリックルーム等のすばやさ操作持ち等に注目して環境を整理しましょう。
そして大事なポイントはプールの狭さから複数のギミックが同居したパーティが多くなることです。
そのため、例えばおいかぜパへの対策とトリルパへの対策が全く別物だと選出でのじゃんけんが発生してしまいます。
つまり、複数のギミックに同時対応できる初手を用意することが勝利への第一歩となります。
②ライバルの対策範囲外で戦おう
環境の整理をした際、最もパワーを持っているのはランクバトルでも通用していた並びとなります。
しかし、それが強い並びであればあるほど、相手に対策をされてしまいます。それらの対策を踏み抜いてなお勝てるのが、パワーのある並びの特徴ではあるのですが簡単な道ではありません。
使用率が高くないのに強いポケモンを軸にすることができれば、自分だけ相手の対策範囲外で戦うことが出来ます。
そこでおススメするのがいわゆる準伝説で周囲の評価が高くないポケモンを考察することです。
種族値が高い準伝が弱いことは少なく、強いのに相手の対策が薄い実践的なパーティを作り上げられます。
③メイン・サブプランの確認をしよう
いったん構築ができたら、仲間大会やカジュアルバトルに潜ることにしましょう。
まず行うべきことは、予定したメインプランが想定通りの挙動をするかどうかです。
対策が強すぎて相手が狙っている選出をしてくれなかったり、特性テレパシーに弱点保険を持たせて味方殴りをする予定だったりするのは良くある失敗例です。
メインプランの調整が終わり、ある程度安定することが分かったら、次はサブプランの開拓をしていきます。
サブプランとは予定とは違う技を使ったり、別の選出を行うことです。
予定にないことをするわけですから練習での勝率は下がってしまいますがそれは気にする必要はありません。
サブプランを試すことで構築の細部を詰められることが多く、結果的に本番の勝率を高めることにつながります。
【虎の巻実践編】パーティの構築経緯
では、上記の虎の巻を実際にどう用いたのかを筆者の構築をもとに解説します。
①環境を支配する並びを見極めよう 実践編
想定される並びとしては以下のものが列挙されました。
ランクバトルでも使われたイッカネズミ・コノヨザル、ガブリアス・サーナイト、イエッサン♀・ブリムオン
ニョロトノ・ルンパッパ・イダイトウの雨軸、キュウコンの晴軸
高威力範囲技持ちの赫月ガチグマ、ジャラランガと壁・この指の組み合わせ
追い風役としてイルミーゼ・バルビートとオンバーン、トリックルーム役としてヤバソチャ、ドータクン、サマヨール
この中で一番注目したのがイッカネズミ・コノヨザルの並びです。
ふくろだたきからのふんどのこぶしはランクバトルで使われているギミックなだけあって出力が高く、コノヨザルより低速なパーティは無対策では蹂躙されます。
また、こだわりスカーフコノヨザルでイッカネズミのねずみざんを通す裏択も存在しており、この両方を同時に対応できなければ対策足り得ません。
イッカネズミ・コノヨザルに対する対策はこの指とまれ系、高速ポケモンによる集中攻撃、威嚇+ものまねハーブ等があります。
この指とまれ系は、オーガポンはみどりの面以外ゴツゴツメットを持つことができず、アタッカーイッカネズミに隙を見せます。ヤバソチャはランクバトルの流れでぼうじんゴーグルを持つイッカネズミがいたら困ってしまいます。
高速ポケモンによる集中攻撃はガブリアス・サーナイトが代表例ですがサーナイトがコノヨザルよりすばやさが低いのが気になるポイントでした。スカーフコノヨザルに崩される危険が常にあり、こだわりスカーフガブリアス+こだわりメガネサーナイトにすれば解決しますが、そうすると全体としての対応力が低くなってしまいます。
そのため、威嚇+ものまねハーブを採用することとし、ものまねハーブ役としてコノヨザルより速く範囲技で打点を持てるガブリアスを選択しました。環境にはドドゲザン、ジャラランガ、オーガポン等能力上昇するポケモンも多く、不利をとりにくいガブリアスには合っている持ち物と考えられました。また、威嚇役はガブリアスがじしんを使う関係上浮いている必要があり、飛行テラバーストで打点も持てるこだわりスカーフギャラドスを当初は選択しています。
②ライバルの対策範囲外で戦おう 実践編
目に留まったポケモンはオーガポンみどりのめんです。能動的に素早さを上げられる特性は環境にかみ合っており、持ち物の自由度もあります。
しかし、単タイプ故の耐性・攻撃範囲の点で他のめんより評価はされておらず、筆者は過小評価であると考えました。
瞬間火力を持たせるためにこだわり鉢巻で使ってみたところ、オーガポンいどのめんやルンパッパといった等倍相手を一撃で倒すことができ、まけんきの存在でデバフも気になりません。
ねこだましが明確にウィークポイントであったことから隣にイエッサン♀をおくこととし、トリル封印型にすることでトリル軸への対応も任せることにしました。
前述のギャラドス・ガブリアスとオーガポンみどりのめん・イエッサン♀のどちらかを先発で出すことにして、後発のポケモンとしては上記2軸ではおいかぜ系に隙を見せ得ることからカウンターとしてドータクン・赫月ガチグマを採用とし、パーティの仮組としました。
③メイン・サブプランの確認をしよう 実践編
まずメインプランの挙動を確認したところ、ものまねハーブもオーガポンの火力も問題ありません。
しかし後発の詰めの段階でいくつかの問題が発生しました。初動で有利をとった後にドータクンを出してトリル展開に持っていくのですが、相手の後発にドドゲザン、ヤバソチャや赫月ガチグマが残っているパターンだと安定して詰めることが難しいのです。
また、先発でテラスタルを切ることが基本であることから後発にテラスタルは残っておらず、テラスタルのない赫月ガチグマは火力・耐久が微妙に足りない点も困りました。
そのため、後発のトリル展開は諦め、別の後発としてイダイトウ♂・ニョロトノの雨滅びを採用することとしました。
雨下であれば素早さ・火力ともに申し分なく、後発であれば天候パへのメタも回避しやすくなります。
また、先発で残数有利を取る方針なので、ニョロトノのほろびのうたで詰める展開が合っていると感じられました。
その結果、水打点が過剰となったことからテラスタル必須に不満もあったギャラドスをムクホークに変更。
再度、仲間大会に参加し確認したところ、問題なく機能します。構築の6体は決定です。
その後の仲間大会ではムクホーク・オーガポンの先発や後発でのイダイトウピン選出といったサブプランを試していき、技・実数値・テラスタイプの調整を行って完成です。
パーティ個別解説
イエッサン♀
性格:ずぶとい
努力値:H252-B252-D4
実数値:177-54-128-×-126-105
メインプランではオーガポンの行動保証を行いつつ、トリル軸へのふういんとおいかぜへのカウンターとしてのトリックルームを担当。
場にいればいるだけオーガポンへの補助とS操作への切り返しが行えるため、努力値はHB振りでサイコシードを持っています。
テラスタイプは使用しない前提ですが、何かの時にどく・むし・ノーマル耐性が持てるようにはがねタイプです。
上記理由からまもるを採用したかったのですが、耐久補強のこのゆびとまれ、火力補強のてだすけ、トリル軸への切り返しのためのふういん・トリックルームはいずれも切れませんでした。
ともっこへの打点としてサイコキネシス採用も同様の理由で断念しています。
サブプランとしてはドドゲザン系相手にものまねハーブギミックを発動させた後、ムクホークと交換してふいうちを透かす立ち回りが安定しました。
イダイトウ♂
性格:いじっぱり
努力値:H28-A252-B108-D36-S84
実数値:199-180-99-×-100-109
メインプランではニョロトノのほろびのうたが通るように行動するスイーパーを担当。
すいすいで採用するとドドゲザンや赫月ガチグマへの火力は不足気味になるので、A特化のいのちのたま持ちです。
いじっぱりで採用する都合、雨ミラーは信頼できないため、すばやさは雨下で最速スカーフサーナイト抜きまでとし、残りは耐久に振っています。
テラスタイプはトリックルームされてしまったときに赫月ガチグマを切り返せるようにはがねタイプです。
火力を発揮するウェーブタックル・おはかまいりと滅び詰めのための守るは必須で、残り1枠はみがわり等も考慮されましたが、音技が飛び交う環境では有効性が低く、汎用性の高いアクアジェットを採用しています。
サブプランでは雨選出はできないがヤバソチャへの処理ルートに不安がある場合にピン選出を行います。
また、初手にオーガポンの隣に置いてニョロトノ交換をちらつかせることでけん制を行うパターンも想定しています。
オーガポンみどりのめん
性格:いじっぱり
努力値:H4-A252-S252
実数値:156-189-104-×-116-162
メインプランではイエッサン♀のサポートのもと残数有利をとるエースアタッカーを担当。
相手にいかく持ちが多い場合は優先的にこちらの選出を行っています。
隣にサポーターを置いて動かすため、一回の行動の価値が最大となるようにA特化のこだわり鉢巻持ちです。
まけんきが発動すると手助けテラスタルツタこんぼうでH振りウインディが飛ぶ火力なので、相手の想定外から残数有利をとり勝利を量産した立役者です。
当初は準速ルンパッパをテラスタルで抜けるようきとしていましたが、その対面は頻度が低く、ルンパッパに上から動かれても大きな問題がなかったことから最速95族抜きのいじっぱりに変更しています。
ツタこんぼうは必須として、残りの3枠は適切なサブウエポンを探したのですが、調整の途中で草技以外で拘ったみどりのめんのオーガポンは弱いから草技をたくさん採用すれば良いという真理に気づきこのような構成となりました。
ウッドハンマーは赫月ガチグマやカビゴンといった高耐久相手に、ウッドホーンは相手の圧が少なく継戦能力が欲しいときに使用します。
最後の盤面でドドゲザンと対面したときのために最後は格闘技としていますが、環境に草等倍のきあいのタスキ持ちが多ければこの枠もたねマシンガンになっていました。
サブプランでは後発雨のどちらかの通りが悪い場合や、後発イエッサン♀が必要で雨選出ができない場合に後発として選出しました。
環境トップクラスに出力が高いポケモンなので、その場合でも十二分に活躍してくれました。
ガブリアス
性格:ようき
努力値:H84-A252-B4-D4-S164
実数値:194-182-116-×-106-157
メインプランではまけんき相手にものまねハーブを発動させるギミックエースを担当。
イッカネズミ・コノヨザルやドドゲザン軸には積極的に選出しました。
素の能力値が高く、ギミックが不発であってもパワーがある点が魅力です。
Aはイッカネズミのフレンドガードを超えて火力を発揮する必要性から無補正最大値です。
当初はSも最速で使用していましたが、S上昇後にムクホークの上をとると微妙に不便であったことから、Sは最速コノヨザル抜きの157とし、残りは耐久にふっています。
ものまねハーブ発動後は集中的に狙われることになりますが、ミリ耐えして切り返す場面も多かったことからこの選択は正解でした。
テラスタイプはドドゲザンの悪技を半減し、ジャラランガ相手にも強気で動かせるフェアリータイプ。
じしんと能力上昇を活かすまもるは必須で、ドドゲザンも役割対象であることから飛行テラス相手に打点がもてる岩技も必要です。
A+2ストーンエッジでもH振りドドゲザンが確定1発にならないことから汎用性の高いいわなだれを選択しています。
残りの1枠は単体一致打点としてドラゴンクローが無難ですが、命中不安を受け入れてなお、きあいのタスキオンバーンを1行動で倒せる可能性を重視しスケイルショットを採用しました。
結果的にオーガポンの上を取れる場面も頻出し、環境に適合した技となりました。
ガブリアスに関しては隣がムクホーク以外だとじしんが使いにくいとの判断からサブプランを用意してません。
今から考えると数値の高さから雑に選出しても弱いわけがないので、もっと後発の可能性を探るべきでした。
ニョロトノ
性格:のんき
努力値:H252-B252-D4
実数値:197-×-139-110-121-81
メインプランでは雨を降らしつつ、残数有利を活かしてほろびのうたで詰める役目を担当。
その役割から耐久振りは必須ですが、イダイトウ♂での処理が面倒なオーガポンいどのめんのウッドホーンに縛られていると行動がかなり制限されることから、その縛りを受けにくいHB特化オボンのみ持ちとしました。
すばやさに下降補正をかけているのは、できればヤバソチャの下を取りたいが、赫月ガチグマ等の上は取りたい妥協の産物です。
オーロンゲと同速で不便だった場面があったため、個体値を下げて実数値79にするべきだったかもしれません。
テラスタルは使用しない前提ですが、いたずらごころ挑発を無効にしてそのまま勝ちにつながりうる悪タイプ。
ほろびのうた・まもるは存在意義そのもの。アンコールはニョロトノより低速で滅び詰めができない相手に特効となる場面が想定されたため優先的に採用しました。
残りは攻撃技が無難ですが、今作ではねっとうを覚えないため、期待値が高く、命中ダウンでチャンスを掴む可能性もあるだくりゅうを選択しています。
サブプランではオーガポンにふられるほのお技を半減させるために交換を行います。
しかし、メインプランでの勝ち筋の中心となることから、出来る限り想定外の使用は避けるよう心がけていました。
ムクホーク
性格:ようき
努力値:H20-A252-S236
実数値:163-172-90-×-80-165
メインプランではものまねハーブギミックのいかく役を担当。
いかくによるデバフと高速高火力の飛行打点でギミック抜きでも活躍しました。
Aはヤバソチャを打ち漏らす可能性を低くするためにも無補正最大値です。
Sはスカーフコノヨザル抜きが最低限必要であり、パーティとしてオーガポンの上から動いた方が良かったことから実数値162が要求され、どうせならと準速ルンパッパを抜く165としています。
テラスタイプは先発かつ守る採用率からねこだましが打たれやすいためゴーストタイプ。
ブレイブバードは必須で相性補完にすぐれるインファイトもそれに準じます。
残り2枠は自由枠となりますが、むしのていこうはきあいのタスキ潰しの範囲技にC低下のおまけがつくので有能な技でした。
とんぼがえりに関してはパーティとして交換先に欠けるので優先度はかなり低くなります。
残りの1枠に関してはいのちがけ、おいかぜ、タスキ貫通のダブルウイングの比較はかなり難しく、どの選択もありえたと思っています。
サブプランではイエッサン♀の必要性が低い場合にオーガポンの隣に選出しました。
おわりに
環境を考えて構築を煮詰めていくのは何かを創作をするような楽しさがあり、ポケモンバトルの良さの一つです。
公式インターネット大会はまさにそれを実感できる機会なので、本記事が皆様の良きポケモンライフの一助になれば喜ばしい限りです。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
寄稿ガイドライン
APPDATEでは皆様の記事寄稿をお待ちしております。
寄稿におけるアレコレなどをご説明しておりますのでご覧ください。
コメント
コメント一覧 (2件)
どく・むし・ノーマル耐性だけであれば、イエッサンのテラスははがねよりゴーストが優れているように思いますが、ゴースト弱点を避けてのはがね採用でしょうか?
イエッサン♀にテラスタルを切ることが勝利につながるパターンとして想定されたのが、隣のオーガポンをともっこやキラフロルの毒技から守る状況でした。そのため、耐性として毒を最も重視してのはがねテラスタルになります。