はじめに
アローラ。カルフールと申します。普段の私は主に日本語とフランス語でポケモンを遊んでいますが、周回用のサブロムでは中国語も選択しております。
この記事は、2024年8月に寄稿した記事「【改造ではない】複数言語間でポケモンを孵化・交換・進化した時、配信ポケモン受信時のデフォルト名の変化の仕様についての注意」の補足記事第2編となります。主に、前の記事では説明できなかった、第七世代の中国語版ポケモンの仕様に関する紹介となります。


ご存じの方も多くいらっしゃるかと思いますが、第七世代からゲーム本編の中国語版が登場したものの、ゲーム内では中国語(漢字)での入力は一切できませんでした。しかし、Switch作品からは文字入力の仕組みが変わり、中国語での入力ができるようになりました。
なお、2024年8月の記事で紹介しましたように、第七世代までの親の言語とポケモンそのものの言語が一致しないポケモンを、Switch作品に連れてくると、親名の表記が半角(?)になり一見変になる現象が生じております。そして、理由はわかりませんが、それと似たような事象が、第七世代の中国語版ポケモンをPokemonHomeに連れてくると発生します。
前回の記事に記載した細かな説明は省略しております。そのため、併せてお読みいただけますと幸いです。
なお、本記事で紹介することは全てゲーム内の挙動であり、この記事で紹介するポケモンは、全て正規の方法で入手可能なポケモンとなっております。
第七世代は中国語で入力出来ない
ゲーム内では中国語で表示されるけども
2013年のXY(第六世代)より世界同時発売となり、それまでとは異なりゲーム開始時に言語を選択できるようになりました。そして、2016年のサンムーン(第七世代)より、ポケモン本編はゲーム開始時に中国語(繁体字もしくは簡体字)を選択できるようになりました。

第六世代まではそもそも中国語で遊べなかった(画像はフランス語のオメガルビー。上から、フランス語、英語、ドイツ語、韓国語、スペイン語、イタリア語、日本語)

ウルトラサンムーン言語選択にて中国語繁体字を選ぶ

「やまおとこの ダイチ が勝負をしかけてきた」
ゲームの中では、このように全て中国語(漢字)で表示されています。

日本語だと「踊るアホウに見るアホウ」だったはず。


伝説のポケモンのなきごえも、全部漢字で表記
中国語(漢字)の入力が一切できない
なお、第七世代までのDSおよび3DS作品では、各ソフトに内臓されている文字入力機能を使用します。しかし、ポケモンのゲームでは中国語の入力は一切できず、すべて日本語版と同じ入力形式になっていました。
よって、画面の表示はポケモンの名前は漢字で書かれているのに、漢字を入力することが一切できませんでした。そして、第七世代の中国語ソフトはTNが日本語版と全く同じとなるため、漢字のTNやNNは使用することが出来ませんでした。


中国語繁体字で始めても、主人公の名前は日本語と同じ

中国語ソフトで、ボックスの名前を入力する場面

GTSのポケモン検索場面。一番上の欄から、ポケモンの名前で交換したいポケモンを検索できる。
2024年4月の3DSのインターネット終了を以て使用できなくなったGTSでも漢字で入力が出来ないため、中国語のポケモン名を入力することが出来ません。

基本的に漢字の画数順で絞り込みを行うが、名前を入力して検索したい場合は、「日文輸入」(日本語で入力)で日本語のポケモン名を検索する。

日本語のポケモン名を入力した画面。
敢えて中国語で配信ポケモンを受け取る
2024年8月の記事で述べたように、第六世代および第七世代は、「ふしぎなおくりもの」で配信されるポケモンの言語設定は、受信したソフトの言語設定によって変化していました。第七世代ではTNやNNで漢字を一切使用できないものの、配信ポケモンは基本的にNNを付けられないため、「種族名は漢字のものがいい」という考えから、あえて中国語で受信する人も当時はいました。私もその一人です。


画像は「ひみつクラブ」のソルガレオとルナアーラ
漢字入力が出来ないための特殊な仕様(種族名を戻す)
上記のように、第七世代では漢字での入力が一切できませんでした。そのため、例えば一旦NNをつけたポケモンの名前を元に戻したいと思っても、もとの種族名に戻すことはできません。
「姓名判断士」に声をかけてNNを変更するときは、入力画面でポケモンの画像を触ることで種族名に戻すこともできますが、中国語版では、他の言語とは違い「出会ったときの名前に戻すか」を聞いてきます。


こちらは日本語での姓名判断士との会話

マギアナのNNを見てもらう

マギアナのNNをもっとよいものにできるとの会話(ここは日本語と変わらない)


日本語しか入力できないので、ひらがなでNN(「いにしえ」)をつける

中国語版でのみ表示される独自の会話(出会ったときの名前に戻しますか?)
ここまでの流れは日本語版でも他の言語でも同じです。ただし、中国語版だけは、先述のように、NNを入力する画面の前に「出会ったときの名前に戻すか」と聞いてくる会話が追加されています。
Switch以降中国語で入力できるようになった
一方、Nintendo Switch以降の作品は、ソフト内ではなくゲーム機本体の文字入力機能を使用します。そのため、ソフトの言語が中国語であれば、漢字のニックネームやTNをつけることができるようになりました。繁体字版と簡体字版でそれぞれ入力方法は違いますが、文字入力さえできれば、漢字のNNをつけることができます。中国語版では日本語(ひらがなやカタカナ)をキーボードで入力することはできませんが、Switchのキーボードの学習機能(変換予測機能)をうまく使うと、漢字とひらがな、カタカナを交えたNNをつけることができます。
そして、Switch作品より、自分が親でないポケモンであっても、NNがついていないポケモンは一度だけNNをつけることができるようになりました。7世代産の中国語ポケモンであっても、漢字のNNをつけることが可能になりました。ただし、そのときの親名は(当然ながら)日本語と同じひらがなとカタカナで、漢字ではありません。



SVのボックスだと文字が細くなっているのが分かりやすいと思います。
第七世代の中国語ポケモンをポケモンホームに連れて行くと
前の記事で触れましたように、親のTNの言語とポケモンの言語が一致しないとき、例えば親は日本語でもポケモンの設定言語がフランス語はじめ欧州言語(半角英数字)のときは、ポケモンホームにつれていくとTNの日本語が半角(?)になるという仕様を紹介しました。同じようなことが中国語版でも起きています。
第七世代ではTNの見た目の違いなし

中国語版USUMのプロフィール画面。文字の大きさ等にとくにおかしなところはない。

似たような名前のXYの日本語のプロフィール
第七世代では、日本語版の日本語と、中国語版の日本語では見た目の違いは特にありません。CHT(中国語繁体字)のタツベイとJPN(日本語)のサンダーは親名に同じ文字「ルルーシュ」が使われていますが、文字の大きさなどは特に見た目の違いはありません。



日本語と中国語でとくに見た目に違いはない
Switch作品に連れてくるとTNに変化が
しかし、Switch作品につれてくると、中国語版ポケモンのTNのひらがなの文字が若干小さく(細く?)なっています。


剣盾での比較。中国語版が若干細くなっている。

同じ文字列でも、日本語設定と中国語設定の場合とでは文字の細さが異なる。


SVでの比較。やはり中国語の方が細い。



PokemonHomeで見ても、文字の細さが日本語と中国語では異なる。

日本語のNNをつけたポケモンを連れてくると
第七世代では、漢字の入力が一切できなかったため、中国語版のソフトで捕まえても、NNは日本語と同じ(ひらがなやカタカナ)になります。
この節では、日本語版と同じNNをつけた中国語ポケモンをSwitch作品に連れてくるとどうなるかを画像を使って説明します。
検証用のポケモンは、6,7,8,9全ての世代で入手できるポケモンならなんでも良かったのですが、Appdateではデデンネが人気らしいので、デデンネにしました。

USUMで野生のデデンネを捕まえる。

このソフトでは捕まえていなかったらしく、図鑑に登録されました。

咚咚鼠(デデンネ)のNNを「ででね」に変更。


参考として大六世代のデデンネも捕まえる。とくに文字のフォントや大きさに変更がないのは、前章のサンダーとタツベイの比較で紹介したので割愛。
PokemonHomeに連れて行くと心なしか、「ででね」および「ルルーシュ」の文字が中国語だと細くなっています。






中国語版だと文字が細くなっている。



文字が細くなる中国語版
Switch作品より、NNがついていないポケモンについては、一度だけNNをつけることができるようになりました。そのため、第七世代の中国語版ポケモンに、Switch作品で漢字が入ったNNをつけることができます。
わざわざ中国語のソフトで日本語と同じひらがなカタカナのNNをつけることは、おそらくそれほど多くはないかと思いますが、過去作から連れてくると一応このような事象が起きていることを紹介しておきます。
まとめ
前回の記事でも述べましたように、親名が日本語だが日本語以外の言語で受信した配信ポケモンの親名について、Switch作品に連れてきたときに文字が半角になる仕様があります。中国語版については、日本語よりも若干細い文字に変化してしまいます。そのため、設定言語中国語で、親名の字が細く見えるポケモンについては、第七世代産であれば正規の個体である可能性が高いです。
おわりに
当初は別の補足記事とまとめて書くつもりでしたが、中国語の分量が多くなりすぎたので分離することにしました。
第七世代ではゲーム内に中国語を表示できるようになったものの、文字入力は日本語と同じものを流用していたため、ゲーム内で漢字入力が一切できませんでした。そのため、TNはひらがなとカタカナのみで、漢字のNNをつけることはできませんでした。
Switch作品からは中国語(漢字)での入力が可能になりました。しかし、第七世代の中国語ポケモンをSwitch作品に連れてくると、日本語(ひらがなとカタカナ)と中国語が「別言語」扱いになるためか、第七世代以前の作品からTNとポケモン本体の言語が不一致のポケモンを連れてきたときと似たようなことが起きて、TNのひらがなの表記が変になってしまっています。
一見するとフォントが違い、字が細いので怪しいですが、これはゲームの仕様であって正規の方法で入手したポケモンです。また、SMもしくはUSUMで中国語のセーブデータがあり、ポケモンバンクとポケモンホームを使用可能な環境であれば、誰でも簡単に再現できます。
ポケモンの言語回りの仕様は複雑で、とりわけDS/3DS作品とSwitch作品以降での変更は大きいです。中国語に限らず仕様の変化をしらないと、正規のポケモンでも改造と勘違いしてしまうことも起こりかねません。
また、本記事では割愛しましたが、第七世代では中国語版でも日本語が使えた(日本語しか使えなかった)名残なのか、switchの予測変換機能をうまく使うと、ひらがなとカタカナを中国語版のswitch作品でも入力可能です。主人公の名前やポケモンのNNに「翼の王」や「鐵の大蛇」といった名前をつけることもできます。
中国語に限らず、違う言語でポケモンを遊んでみると、いろいろな発見があるかもしれません。Switchはアカウント作成が簡単なので、容易に違う言語のサブロムを作成することができます。この記事が、他の言語で遊ぶことや、改造か否かを見極める一助となれば幸いです。
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