はじめに
ナイスタケシ!(挨拶) 麹屋です。
先日、ポケモンカードの大型大会、チャンピオンズリーグ東京が開催されました。
筆者は参加こそしませんでしたが、SM限定の新レギュレーションになって初の大型大会ということで、ニコ生で何試合か観戦していました。
その中で、優勝した選手の決勝トーナメントBest16の配信試合で“イワーク”が活躍するシーンが飛び出し、思わず「ナイスタケシ!」と叫んでしまった人も多いのではないでしょうか。
今回はこのイワーク採用について解説しつつ、ポケモンカードにおけるシルバーバレット戦術について紹介したいと思います。
その1.イワーク(SM7a)について
まず、この優勝デッキにも採用されたイワーク(SM7a)について確認してみましょう。
見ての通りなんの変哲もないノーマルカードです。
HPも飛びぬけて高いわけではなく、特性もなく、ワザを撃つのに必要なエネルギーも4つと重く、エースとなりうるポケモンではありません。
拡張パック「迅雷スパーク」限定で行われたシールド戦では、トップメタカードであるゼラオラGXに唯一弱点をつける闘タイプということで重宝されましたが、それ以降界隈で話題になることはほとんどなかったカードです。
その2.なぜイワークが採用されたのか
なぜこのイワークが採用されたのか。それはゾロアークGXというカードの存在が関係しています。
ゾロアークGXは、高いHPとダブル無色エネルギー1個で撃てる安定した打点、そして何より特性「とりひき」により手札を増やせることが特徴のカードです。
スカイフィールドがスタン落ちしたことによりこのポケモンだけで火力エースとして戦うことは難しくなりましたが、優秀なドローサポートが少ないSMレギュレーションにおいて手札を増やせる特性と無色エネルギーのみで使えるワザという欠点を補って余りある性能により、どんな構築にも採用されうるカードのひとつとなっています。
つまり、「場に存在するだけでハンドアドバンテージを取られ」、「油断すると120ダメージという決して小さくないダメージが飛んでくる」が、「GXポケモンなので倒すとサイドが2枚取れる」このポケモンは、優先して処理したいポケモンになるわけです。
ここでイワークにもう一度注目すると、
- ゾロアークGXの弱点である闘タイプ
- ゾロアークGXを弱点込みでワンパンできる打点
- 基本闘エネルギーを採用しなくてもワザが使える
- 非GXポケモン
- ついでにレックウザデッキのゼラオラGXもワンパンできる
以上を満たすほぼ唯一のポケモン(2018年9月現在)になるのです。(本当かよと思った方はぜひポケモンカード公式でカード検索してみてください。)
もうひとつ挙げると、CL東京優勝デッキはギラティナ-カラマネロ軸のデッキでしたが、ゾロアークGXは超タイプに抵抗を持ち、ギラティナ(SM7b)は悪タイプが弱点なのでHP130ですがゾロアークGXに簡単にワンパンされてしまいます。
その点で、ゾロアークGXを確実に倒せるカードが必要だったわけです。
以上が優勝デッキにイワークが採用されていた理由だと推察できます。
その3.どのようにイワークを活かしたか
ここまで現ポケカ環境におけるイワークのナイスタケシな部分を解説しましたが、実際攻撃するのにエネルギーが4つ必要なポケモンを準備するのは大変です。
そこで活躍するのがカラマネロ(SM6)。
特性「サイコリチャージ」はトラッシュにある超エネルギーをベンチのポケモンに付けるという強力な効果です。
このカラマネロをデッキに4枚採用し、ベンチに沢山並べることでメインアタッカーのギラティナに素早くエネルギーを付けて戦うというデッキですが、それをそのままイワークに適用することができるというわけです。
こうして、イワークが自然と対策カードとして入ってくるデッキが完成したわけですね。
ポケモンカードにおけるシルバーバレット
シルバーバレットとは、”特効薬”や”解決策”という意味(狼男や悪魔に対して銀の弾丸で撃退できるとされた言い伝えから)で、転じてTCGでは特定の相手への対抗手段となるメタカードを1~2枚程度デッキに仕込んでおくことを指します。
ポケモンカードは、デッキが60枚と多く、更には他のTCGと比べ強力なサーチ&ドローの手段が豊富なゲームです。このため分厚いデッキにピンポイントメタカードを数枚忍ばせておき、ドローカードで強引に手札に持ってくるという戦い方が可能です(条件次第で強欲な壺の4倍の枚数を引けるカードを4積みできます)
よって、「シルバーバレット戦術」が取りやすくなります。
例として、「デデンネ(SM6)」を紹介します。
このデデンネは、ベンチに雷タイプのポケモンがいると1エネルギーで60ダメージを出すことができ、こだわりハチマキをプラスするとレックウザGXの弱点をついてワンパンできます。雷タイプのポケモンは逃げるエネルギー0でダブル無色エネルギー1個でワザが使えるカプ・コケコや、特性でドローができるゼブライカ(SM7a)など自然に構築に入ってくるポケモンがいるため、強力なレックウザGX軸のデッキに対するシルバーバレットとなります。
その他、有名なところでは、旧スタンダードでよく見られた「よるのこうしん」に対する「オドリドリ(SM1+)」が挙げられます。
さて、今一度CL東京優勝者のデッキに着目すると、対ゾロアークGXのイワークだけでなく、多くのシルバーバレットが組み込まれていることがわかります。
カプ・コケコ等のダメカンばら撒きに強いひかるアルセウス、無色ポケモンを封じられるネクロズマGX、エネルギーを溜め込むレックウザGX軸に強いルナアーラ◇……そしてそれらをカラマネロの特性できっちり補助していくというよく練られたデッキ構築です。
実機のポケモン対戦だとメタ要素ばかり組み込むと構築のバランスが崩壊して立ち回りが崩れるというのはよくありますが、これだけメタを仕込んでも戦えるというのがポケモンカードのひとつの魅力でもありますね。
ポストナイスタケシ
さて、イワークが対ゾロアークGXに有効なナイスタケシであることは散々述べてきましたが、やはり攻撃に4エネ必要なのは厳しい。カラマネロ等のエネルギー加速カードを採用しないデッキではどうすればいいのか?という意見もあろうかと思います。
そこで筆者が注目しているカードは、最新弾(執筆当時)である超爆インパクトで登場したヨーギラス(SM8)です。
相手にダメカンが3つ乗っているという条件つきですが、エネルギー2個(ダブル無色1個)で80ダメージが出せます。対ゾロアークGXなら弱点で160、予め5個ダメカンが乗っていれば倒せます。3個しか乗っていなくてもこだわりハチマキorククイ博士の使用で届きますね。
ダメカンを乗せるためにのろいのおふだ、戒めの祠、カプ・コケコ等の採用が必要ですが、手軽さという意味ではイワークを上回っているかもしれません。実際CL東京でもこちらのヨーギラスをゾロアークGX対策に採用していた人がいたみたいです。
同じいわ・じめんタイプですし、ヨーギラスもナイスタケシなポケモンだと言えるかもしれませんね。
こんな感じで、いろんなカードに面白い使い道があるのがポケモンカードです。ぜひ、自分のオリジナルのシルバーバレット戦術を考えてみてください。
それでは、よきポケカライフを。
ナイスタケシ!
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