【自由研究】ポケモンの文献登場回数について調べてみた




目次

Introduction

アローラ!麹屋です。

皆さんは「研究」において最も初歩的かつ最も重要な作業が何だかわかりますか?

そう、「文献調査」ですね。

では、その「文献」に、我らが愛するポケモンたちは一体どのくらい登場しているのだろうかと気になったことはありませんか?私はあります。

というわけで、今回のAPPDATE自由研究では、2018年8月現在807匹存在するポケモン全てについて、文献への登場回数を調査することとしました。

Methods

調査期間:2018年8月1日~2018年8月27日

調査方法:学術文献データベース&検索サービス「Google Scholar」を用いて、807匹全てのポケモンについて日本語名を入力し、「すべての言語」を対象に検索、検索結果として検索窓下部に表示された数字を文献登場数とした。文献登場数は表計算ツールExcelを使用して各世代ごとにグラフ化した。

Result

第1世代は最も文献に登場するポケモンが多い

第1世代のポケモン151匹について文献登場回数を調べた(図1)。この世代はポケットモンスターシリーズ第一作であることもあり、「リザード」「コクーン」「ピジョン」「ジュゴン」「クラブ」などの生物名、および「サンド」「プリン」「コイル」などの一般名詞そのままの名前が付くポケモンが多く、それらは得てして非常に多くの文献登場数を記録した。また、「ラプラス」「サンダース」「カイロス」などの人名にも使われる名前のポケモンも同様に多くの文献登場数を誇る。一方で、「ピカチュウ」に関してはそのような生物名・一般名詞・人名などにはヒットせず、純粋に「ポケットモンスター」をテーマに扱った文献に登場する割合が圧倒的に高かった(Data not shown)。流石はポケットモンスターの顔であるといえる。

図1. 第1世代ポケモンの文献登場回数。横軸は各ポケモンの図鑑ナンバーを、縦軸は検索にヒットした文献数(対数軸)を表す。文献数100を超えるポケモンは個別にアイコンでグラフ上に表している。対数軸表示の都合上、文献数0または1のグラフは表示されていない。

第2~第4世代は100本以上の文献に登場するポケモンの割合が減少する

第2世代、第3世代、第4世代のポケモンそれぞれについても同様に文献登場数を調べた(図2)。世代ごとで100本以上の文献に登場するポケモンの割合は第1世代が40/151だったのに対して、第2世代12/100、第3世代6/135、第4世代4/107と世代を経るごとに減少している。これはポケモンの絶対数が増えることによりそのネーミングが複雑化し、一般名詞や人名に被る割合が減少したことによるものと考えられる。

図2. 第2~第4世代ポケモンの文献登場回数。横軸は各ポケモンの図鑑ナンバーを、縦軸は検索にヒットした文献数(対数軸)を表す。文献数100を超えるポケモンは個別にアイコンでグラフ上に表している。対数軸表示の都合上、文献数0または1のグラフは表示されていない。

第5世代以降のポケモンは滅多に文献に登場しない

最後に第5世代、第6世代、第7世代のポケモンそれぞれについて文献登場回数を調べた(図3)。第5世代以降になると100本以上の文献に登場するポケモンはデスマスとメテノのみになり、また第6世代以降は文献に一本も登場しないポケモンが大多数を占めるようになった。

図3. 第5~第7世代ポケモンの文献登場回数。横軸は各ポケモンの図鑑ナンバーを、縦軸は検索にヒットした文献数を表す。第5世代については文献数60を、第6、7世代については文献数20を超えるポケモンを個別にアイコンでグラフ上に表している。

Discussion

今回の調査は、各ポケモンの日本語名でGoogle Scholarのみを対象に文献の調査を行った。しかし、文献検索ツールは他にもCinii、国立国会図書館サーチ、Pubmedなど多数存在する。また、今回はポケモンの海外名でも検索していないので、それらのパターンを変えるとまた違った結果が現れるかもしれない。

第4世代以前のポケモンは、ポケモンのネーミングの法則に関する論文や幼児教育分野の論文に高い割合で登場していたため論文登場数が全くないというのは稀だったが、第5世代以降のポケモンはこれらの論文の著者に認知されていないか、そもそも新しすぎて最新の研究に反映されていないことが考えられる。

また、映画のタイトルになったポケモン(ミュウツー・セレビィ・ルカリオなど)は、映画関係の資料や映像文化関連論文に引用されるなどで登場数がある程度増える傾向にあった。

再度の記述になるが、「ピカチュウ」に関しては純粋に「ポケットモンスター」をテーマに扱った文献に登場する割合が圧倒的に高かったので、やはり世間一般にとってはポケモンといえばピカチュウなのだと今回の自由研究を経て強く感じた。

Acknowledgement

ポケモンのドットアイコンはひこちゃんず!様(http://hikochans.com/)よりお借りしました。

 




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この記事を書いた人

怪しい教えを麹屋さん

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 『ネイティ』ヴ、『億単』位、含『めての』etc
    どのような形で掲載されたか想像するのも楽しい

  • ゲーム中に出てきたポケモンやしきのミュウツーの研究レポートとか、ダイパの図書館で読んだコイキングの食生の伝説とかそういうのまとめたのかと思ってた

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