この記事は私(美少女)が7世代ダブルレート環境において考察してきた、ファイアローについて纏めたものである。
ファイアローを知る
ファイアローとは、ポケットモンスターXYで登場した炎/飛行の複合タイプを持ち、以降レート環境でも度々姿を見る事になるポケモンだ。
あらゆるルールにおいて草を刈り、虫を捕食してゆくその姿はシングルでは高い抜き性能を誇り、ダブルでは補助技に優れる上高い攻撃性能を併せ持ち、ローテでは突然謎の舞と共に捕食を始め、トリプルでは数多くの作物を荒らし回りいつしか「害鳥」の名で慣れ親しまれるようになった。
好物は恐らくルンパッパやその他虫ポケモン。炎タイプを会得した事によって鋼タイプを複合する草や虫も捕食対象になっている。弱点は岩による落石や雷、水など。岩については特に苦手なものとしているので、その対策として様々な手段で岩雪崩を引き起こすポケモンや、岩を殻として過ごす虫ポケモン等も確認されている。
そんなファイアロー、さぞかし種族値が高いのだろうと思われるだろうが、
78-81-71-74-69-126
と、素早さ以外の種族値がパッとしないものであり、お世辞にも高いとは言えない。
フライゴン未満の耐久にワンリキーと同程度の攻撃力
だと書けば、その数値の低さ(高さ?)が分かっていただけるだろう。
では、何が彼を環境へと羽ばたかせたのであろうか。それは偏にはやてのつばさという特性にある。
端的に説明すると、いたずらごころの効力が飛行技全てに付く、というもの。都合の良い事に、彼はブレイブバードや追い風など優秀な飛行技を携えている為、多少能力値が低くとも相手より素早く行動出来れば問題ないのである。(ここまで六世代の話)
しかし勿論、そんな特性が許されるはずも無く。彼はアローラ地方へ羽ばたいて来た為であろうか、その翼の強靭さを失い、
はやてのつばさの効果はHP満タンの時のみ発揮される
という弱体化をなされることとなってしまった。
主食である虫が環境からほぼ排他され、翼を痛めたファイアローはこの環境でどの様に羽ばたくのか?次項より、その考察に入る。
考察
ここでは様々な型のファイアローを考察していく。
ヒコウZアタッカー型
(良い画像がなかったのでタツベイの夢を叶えさせてあげてたざわさんの動画から拝借)
性格:いじっぱり
特性:はやてのつばさ 持ち物:ヒコウZ
努力値:攻撃252素早さ252防御6
わざ:ブレイブバード/フレアドライブ/自由枠/自由枠
わざ自由枠:おいかぜ、ちょうはつ、とんぼがえり、ファストガード、ギガインパクト、まもるなど
先ず私が初めに思い付いた、恐らく同じことを考えるであろう人が多い「ヒコウZファイアロー」である。
はやてのつばさはHP満タン状態で無ければ発動せず、ブレイブバードを選択するとHPが減ってしまう……。
ならば、ZワザにしてしまえばHPは減らない為2回はやてのつばさでの行動ができる、という簡単な理屈である。
Zブレイブバードの火力目安としては、
無振りガブリアス(HP183,防御115)に対して136〜162ダメージ(7割〜8割)
H振りカプ・レヒレ(HP177,防御135)に117〜138ダメージ(6.5割〜7割強)
とそれなりのダメージを与える事ができる。つまり、ガブリアス程度の耐久ならば全体攻撃技と合わせる事で倒す事ができるという訳である。つよい!
…まぁ、はい。一度の攻撃で倒す事ができないのは一旦置いておく。
更にこのファイアローというポケモンは飛行タイプであるため、地面技であるじしんを無効化することができる。ガブリアスや全国ダブルならばランドロスの地震とZブレイブバードを合わせれば、かなりのポケモンを倒す事ができるのである。
その上で、Zブレイブバードを放った後はもちろん反動を受けないため、もう一度先制攻撃を繰り出すことができる。弱い訳がなかった。恐怖の二回攻撃モンスターの誕生だ。
しかし、欠点も幾つか存在する。それというのが
- Zブレイブバードが先制技なのでサイコフィールドによって無効化される。
- 攻撃特化しても等倍ならば瀕死に持っていけないことが多い。
- しばしば即死する。
この辺。特に折角のZワザを放つというのに、この一撃で倒せない相手が多く無効化もされ得るというのは非常によろしくない。仮にこのZワザがガブリアスのZ地震ならば、それだけで倒せるポケモンは激増するのだ。(ガブリアスの方が攻撃力が高いため)
勿論、Zクリスタルが余っているというパーティにならばヒコウZファイアローは優れた長所を持つポケモンになるだろう。因みに、おいかぜをZワザとして撃つことで、ちょうはつ状態を無視しながらおいかぜを展開することができるため、そこは地味な利点と言える。
また、低い火力を補う方法として事前に他のポケモンで相手ポケモンのHPを削っておく方法がある。いわゆる掃除役としての起用だ。
先発のポケモンである程度相手に負担を与えつつ、速いポケモンで残った相手のポケモンを倒す…というパーティには非常にマッチしたポケモンである。
まとめ:火力は物足りないし攻撃が無効化されることもあるが最低限の仕事や掃討要因としては有用。
ほのおのからだ型
(良い画像がなかったので焼き鳥で代用)
性格:ようき
特性:ほのおのからだ
持ち物:するどいくちばし、ラムのみ、ヒコウZ、ゴツゴツメット、こだわりハチマキなど
努力値:攻撃252素早さ252防御6
わざ:ブレイブバード/フレアドライブ/自由枠/自由枠
自由枠の内容は上と同じ
「はやてのつばさ」の弱点の一つに、サイコフィールド下で攻撃が無効化されてしまう、というものがある。ポケモンバトルではダメージを受けない立ち回りをした方が有利になりやすいので、当然の弱点と言える。特にカプ・テテフは対戦でよく見かけるポケモンであるため、相手の手持ちにいるのかもしれない…という状況下で攻撃し辛いのは大きなハンデと言えるだろう。
ならば、初めから先制攻撃技など使わなければいいという理屈で産まれたのがこの「ほのおのからだ」ファイアローである。この特性ならば、相手の先制技無効を気にせずに攻撃する事ができるという理屈だ。
また、相手の「ねこだまし」等の接触技が来ることを読み、後ろの手持ちから交代で繰り出すことでやけどの追加効果も望める場合がある。実際に行うことは少ないが、覚えておいて損はない。
更に、特性を「ほのおのからだ」にすることでこちらのパーティにカプ・テテフを採用しやすくなると言う大きなメリットも内包している。先制技は撃たなくてもいいのだ。いやぁ強そうですね!
欠点:
- 速めのこだわりスカーフ持ちのポケモンに抜かれる。
- 性格がようきであり、攻撃に補正がかからない為火力が足りない。
- しばしば即死する。
下の二つは、まぁ種族値的に仕方がない部分がある。しかしそれよりも一番上は大問題である。
アタッカーとしてよりも、ファイアローの魅力はやはり高い素早さから繰り出される多彩な補助技だ。追い風、挑発、ファストガード、横取りなどがあるが、その中でも追い風を相手よりも速く技を出せる点に置いてファイアローは優れている。
しかし、しかしである。相手の場にこだわりスカーフ持ちのガブリアスがいたらどうだろうか。
ファイアローは炎と飛行のタイプを持つため、ガブリアスのいわなだれですら確実に倒れてしまう。耐久面は低い上四倍弱点なのだから当然だ。そしてそのガブリアスがこだわりスカーフを持っているのだから、ファイアローが追い風をする前に倒れてしまうのである。
ガブリアスに限った話ではなく、ファイアローは基本的に弱点技で攻撃されると倒れてしまうと思ったほうがいい。耐久面においては先も書いた通りフライゴンよりも低く、ゴウカザルと同程度なのだ。
折角の速い追い風要因であるというのに、彼を炎の身体という特性で使ってしまうのは少々勿体無いのかもしれない。しかし、そうするとカプ・テテフとは組ませづらい……。追い風を受けて影響の大きいポケモンの一匹にカプ・テテフがいるため、採用できないのは苦しいところ。
まとめ:炎の身体のメリットとして相手ポケモンを火傷にできたりサイコフィールドを無視できるが、こだわりスカーフ持ちには極端に弱くなる。
追い風展開用特殊型
(良い画像がなかったのでフラミンゴの群れで代用)
性格:おくびょう
特性:はやてのつばさ
持ち物:ホノオZ、サイコシード、だっしゅつボタン、メンタルハーブ、ラムのみなど
努力値:特攻252素早さ252防御6
わざ:おいかぜ/オーバーヒート/挑発/自由枠
自由枠:まもる、おにび、とんぼがえり、ファストガード等
この見出しを見た方は「アローで特殊技?ありえねー」と思ったかもしれないが、もう一度ファイアローの種族値を見直してほしい。
攻撃と特攻のみ抜き出すと、81-74なのである。実は攻撃も特攻もあまり数値は変わらないのだ。ならば、特殊技を使ってもいいだろう。
しかし、ファイアローは飛行特殊技の中でも威力が高いぼうふうを覚える事はできない。仮に覚えたとしても、既に上記で述べたデメリットが気になってしまうかも…。そこで私は一つの結論に辿り着いた。
いっそ飛行の攻撃技を使わずに特殊型にして追い風を絶対張れるようにしよう!!
フレアドライブよりオーバーヒートの方が威力が高いため、与えるダメージは(防御と特防が似た数値ならば)オーバーヒートの方が高くなる。そして、飛行の攻撃技(≒ブレイブバード)を撃たないとなれば、反動のあるフレアドライブを撃つ必要はないだろう。
疾風の翼は追い風専用と割り切ることで、カプ・テテフをパーティに入れやすくなるという大きなメリットがある。(カプ・テテフは追い風との非常に良いのだ!)そして仮に猫騙しをされたとしても「まぁ追い風はできるしいっか…」と精神的に安定するのもgood(そうか?)
そして、今まで技の自由枠としていた挑発が今回は確定枠に入っている。理由は簡単で、このファイアローが入るパーティは自然と、「追い風を展開して有利に立ち回るパーティ」になっているはずなので、トリックルームにとても弱いのだ。トリックルームの始動役がメンタルハーブを持っていたらもうそれはしょうがないのだが、トリックルームへの対抗策が全く無いのと一つでもあるのとでは安心感が全く違うので、確定枠に置いておくべきだという判断をした。
さて、このファイアローにも当然ながらデメリットが存在する。お気づきの方は多いと思うが…
- はやてのつばさが無いため、先制攻撃は出来ない。
- 相手から放置されると割と困る
- 能動的に倒れる事ができない
これらが主なデメリットであり、特に「先制攻撃がない」というのは対ドレディアコータス等において非常に不便を感じるものだった。ブレイブバードはやはり必要なものだったのだと思う。
しかし、追い風を確実に展開するポケモンとしては一級品なので「このパーティは追い風がないと生きていけないんだ!」みたいなパーティならば有用だとも言える。
まとめ:物理技は要らないと思ったいたがそんな事はなかった。追い風は強い。
†くっつきバリ†型
(良い画像がなかったので松の木で代用)
性格:ようき
特性:はやてのつばさ
持ち物:くっつきバリ
努力値:攻撃252素早さ252余り6※HP防御特防の個体値0
わざ:おいかぜ/ブレイブバード/フレアドライブ/自由枠
自由枠:とんぼがえり、まもる、おにび、ちょうはつ等
さて、先に紹介したファイアローのデメリットをもう一度見返してみよう。
「ブレイブバードが無効化される」「スカーフ持ちに抜かれて行動出来ない」「先制攻撃がない」「放置されると困る」……。
これらの全てを解決できる道具が「くっつきバリ」である。
これらの全てを解決できる道具が「くっつきバリ」である。
順を追って説明すると、先ず「ブレイブバードが無効化される」「先制技がない」の二つの問題。これは一見はやてのつばさという特性の関係上、解決できない様に見えるかもしれない。しかし、この特性はHP満タンの状態でのみ作用するという仕様変更をされている。
つまり、自らHPを減らせば良いということになる。ここで、ブレイブバードやフレアドライブといった反動技とくっつきバリが候補に上がる。
次に、「スカーフ持ちに抜かれる」問題。これは単純に特性をはやてのつばさにすれば良いだけである。
「えっ、じゃあHP減った後はどうするの」といあ疑問を抱いたかもしれないが、そこで追い風の出番なのだ。戦闘が始まってすぐ追い風をすることで、もし次のターンファイアローのHPが減ったとしてもスカーフ持ちのポケモンより素早くなれるのは明白。そして、HPをこのターン中に減らしておく事で確実にサイコフィールドやじょおうのいげんの効果を無視することができる。
この条件を満たせる道具はくっつきバリ以外に存在しない。そして、「放置されると困る」問題も、くっつきバリの定数ダメージとブレイブバード等の反動、敢えて下げた個体値のお陰でほぼ解決できるだろう。
さて、この問題を解決しきったファイアローにも、デメリットは一つだけ存在する。
相手のねこだましにあまりにも無力なのだ。
仮にねこだましをまもるで防いだとしても、くっつきバリがそのターンで発動してしまえばもう先制で追い風を撃つことはできない。その場にスカーフガブリアスなんかがいてしまった場合、もうファイアローに生存権はないだろう。
幸いにも、今のレーティングバトル環境にはねこだましが少ない為、このファイアローにとっての追い風は吹いているといえる。
まとめ:全てを克服したファイアローもねこだましには勝てない。
†黒い鉄球†型
(良い画像があった)
性格:ようき
特性:はやてのつばさ
持ち物:くろいてっきゅう
努力値:攻撃252素早さ252余り6※HP防御特防の個体値0
わざ:おいかぜ/ブレイブバード/フレアドライブ/自由枠
自由枠:とんぼがえり、まもる、おにび、ちょうはつ等
上の†くっつきバリ†を使ってみて、もしもねこだましを嫌うならばこちらのファイアローを使うことをオススメする。
この道具を持たせることでファイアローは地面に着地している扱いになり、地面技が当たるようになり、フィールドの恩恵を受けるようになる。つまり、サイコフィールド下で繰り出す事でねこだましを無効化することかできるのだ。
特に、オフ会ではねこだましを用いたパーティにマッチングする確率が高いため、この†鉄球アロー†はどちらかと言えばオフ会向きの構成とも言える。
デメリットは、上で挙げたメリットをかき消してしまうこと。しかし、ねこだましを無効にできるのは非常に大きいメリットなのでこれは無視し難い。
終わりに
いかがだっただろうか。
以上で私のファイアローに関する考察を終える。
私の結論としては、
- くっつきバリアローが追い風展開の結論
- 鉄球はねこだましをさらに意識する場合に採用される
以上である。
くっつきバリファイアロー+カプ・テテフの並びを君も是非使ってみてほしい。
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