はじめに
初めまして、身代わり人形(@doll_alter)と申します。普段はAPPDATEの裏方で3Dモデルを作ったりしています。
あまり対人戦ゲームとしてのポケモンは得意ではないのですが、S14では珍しく潜ってみたところ自身の最高レートを更新したので初めての構築記事を書いてみようと思いました。
なお、更新した最高レートはシングルの1700という、構築紹介記事ではあまり目にしない微妙な数値となっております。実を言うと少々気が引けていたのですが、このことをAPPDATEメンバーに相談したところ「APPDATEにはレート1300台の記事があるのに何を遠慮しているのか」と激励の言葉を授けられたので頑張って頭の中を言語化していきます。
ベテランの方々にはあまり参考にならない成績かと思いますので、僭越ながら初心者向け構築記事を謳わせていただきます。私と同じようなレート帯の方にとって参考となれば嬉しいです。
勝ち越すためのパーティを組む
前提として、モチベーション維持のためにホウエン(第3世代で初登場)ポケモン統一です。以下少々導入が長くなりますので構築内容をすぐ読みたい方はYouTubeのリンクが貼ってあるところまで飛ばしちゃってください。
さて、私の目的は「偶然でなく勝ち越せるパーティを自力で構築する」ことです。
というのも、これまで自分はレートに潜るにしても育成済みを寄せ集めたようなパーティばかりでタイプ相性をばらけさせることぐらいしか考えていませんでした。その結果、対戦に挑んでは何となく負け越すという事態を繰り返していました。しかしながら、このようなやり方はやはりいつか卒業しなくてはならないと思い、きちんと理屈をもってパーティを組むことにしました。
偶然でなく勝ち越せるパーティとはどんなパーティかというと
- ポケモン一体一体にきちんと意味を持たせて採用している
- 各自が役割を果たすのに必要な技を揃えている
- 各自が役割を果たせば相手を倒し切って勝利をつかめるように組み合わせている
を満たしたパーティではないかと思いました。
これを自力でできるようになるには、他人様のパーティの表面だけをなぞっていてはダメそうです。
構築理論を学ぶ
というわけで他の方の構築理論を参考にしようとしていた時に、Twitterのタイムラインで見かけたのが喰い断Ⅸ(@kuitan_9)さんのチョッキブロスター動画でした。
YouTubeリンク→ https://www.youtube.com/watch?v=GxnvAIT29Ws
動画内ではパーティ6匹中ブロスター/メガメタグロス/サンダー/霊獣ランドロスしか映っていませんがとても大事な考え方が記されていると思っています。以下に気づいた点をまとめます。
ブロスターの持つ要素
- 特殊ゲッコウガに後出しできるだけの特殊耐久を持った水タイプ
→チョッキを持たせてもよい。代わりに草結びも2回耐える。「水タイプの耐性は優秀」との評価。
- ゲッコウガとその裏に一貫する技が打てる
- 鈍足+とんぼ返りが使える
→ これにより後出ししてきた草タイプやテッカグヤの宿り木を解除したり、ミミッキュの皮を剥ぎながら交換したりできる。
- 火力が高い。
メガメタグロスの持つ要素
- ミミッキュを迅速に処理できる
→ ミミッキュよりも早くて確1の打点がある。ブロスターはとんぼで起点になるのを防ぎながら皮を剥いでくれる。
- 物理ゲッコウガにはなかなか負けない物理耐久と耐性を持つ(けたぐり・ダストシュート・岩雪崩などが抜群にならない)
- 岩石封じで後続のZ枠が安全にZ技を撃てるようにサポートできる
- 火力が高い
上記2体を「火力が高い」と評しましたが、実際には「火力に振る余裕がある」ということなのだと思います。火力に努力値を割いてしまっても、行動回数を確保できるような耐久力や素早さを備えていることが肝要なんじゃないかと素人ながらに分析しました。
ブロスターは凍える風を覚えていますね。恐らくメタグロスの岩石封じと同じ目的でしょう。
サンダーの持つ要素
- Sが1段階下がった相手を大体抜ける程度に素早さがある
- 一貫性の高いZ技を持てる
→ 無効タイプがあってもよい。一般的な耐久のポケモンなら後出しはできない程度の火力はあるべき。
→ ちなみにサンダーのZ10万ボルトは臆病でも無振りメガガルーラに80%以上入る。無振りミミッキュも確1
- メタグロスにとって、削れるけど倒しきれないような相手にとどめを刺せる
一貫性の概念は正直よく理解していないですが、とりあえず鋼タイプに等倍以上がとれるとよい気がしました。また、よほど威力が高いのでなければ一致補正がかかった方がよさそうです。
「一見して中速中火力程度だけどZ技を使えば決定力を出せるポケモンが必要」と述べられていますがここは話半分に聞いておきます。動画中でもこの要素はちょっと後付けっぽい理由だったので。
霊獣ランドロスの持つ要素
- とんぼ返りで対面を操作できる
対面操作もよくわかっていません。メインウェポンが地震だと無効化してくる相手も多いし、そういうポケモンの後出しに対応できるのだろうとは思うのですが、動画中でも触れられているようにまず対面を倒せる技じゃないと不意の居座りに弱くなるのではないか?と思ってしまいます。したがってハッサムのような遂行技としての採用や、ブロスターの項で触れたような使い方以外だと不利な相手と対面してしまった場合に逃げる技ぐらいにしか認識していません。
とりあえずゲッコウガには致命傷を入れられる技ですね。
- 威嚇
- 電気耐性
- 速い(スカーフを持たされていることに意味があるはず)
威嚇と電気無効は、恐らくBに振っておらず電気弱点であるブロスターと同時選出するのに都合がいいような気がしました。両方の一致技が草に半減されるけど、2体がかりのとんぼで弱点が突けるんだなぁなどと今考えました。
素早さはどの程度あるとよいのかわかりませんが、電気タイプへの役割を考えるとコケコのいる130族は抜いておきたいところでしょう。
と、まあこんなところで、ホウエンのポケモンでこれらの要素を満たせる代わりのポケモンを探していきました。
パーティ
個別解説
ペリッパー
持ち物:突撃チョッキ
特性:雨降らし
性格:冷静
努力値:252-0-0-196-60-0
実数値:167-67-120-154-98-63 ※A個体値が非理想、Sは個体値0
技:とんぼ返り/波乗り/凍える風/暴風
- (チョッキの助けを借りて)特殊ゲッコウガに後出しできるだけの特殊耐久をもった水タイプ
- ゲッコウガとその裏に一貫する技が打てる
- 鈍足+蜻蛉返りが使える
の条件を満たすブロスター枠です。メガランチャーはありませんが暴風をタイプ一致で撃つことができ、飛行タイプは水タイプの優秀な耐性をそこまで邪魔しないと判断しました。
調整
調整はHCブロスターを基準にしていて、ブロスターの波動弾と暴風の威力がほぼ同じになるだけCを確保すると努力値が余ったので、残りをDに回しました。元のD数値が低いのでかなり耐久力が上がります。
冷静最遅ブロスターをHC252D4で育成した場合の実数値は178-93-108-189-110-57です。したがって特殊耐久は若干劣ってしまいますが、これでもゲッコウガの珠悪の波動を2発耐え、火力アイテムが無ければ3発耐えるのでゲッコウガに後出しできるだけの耐久力はあるとみなしました。とんぼ返りと凍える風の威力は劣りますがとんぼで激流ゲッコウガの身代わりは割れます。
ブロスターよりSが若干高くなってはいますが、宿り木テッカグヤへ後攻蜻蛉が可能な速さです。
ペリッパーの強み
ここからはペリッパー特有の利点を挙げます。このペリッパーを採用したことでカバルドンとの初手対面が非常に楽になりました。個体値VのカバルドンはS実数値が67なのでこのペリッパーより早く、同時に場に出しても天候は雨になります。当然波乗りで致命傷※を与えることが出来るので相手はステロとあくびのどちらかしか使うことができません。交換してきたら交換先には雨波乗りが入ります。これはゲッコウガ程度の耐久なら半減でもほぼ半分入る威力です。
※雨なみのりが臆病リザYの晴れ大文字耐えカバルドンに対して確定(101.8%~)
裏からボーマンダが出てきそうと思ったら凍える風から入ってもいいでしょう。カバが居座っていても天候は雨のまま次ターン先手で波乗りを撃てるのでカバ側の行動回数は変わりません。
メタグロス
持ち物:メガストーン
特性:クリアボディ→硬い爪
性格:陽気
努力値:0-252-0-0-4-252
実数値:(メガ前)155-187-150-103-111-134
:(メガ後)155-197-170-112-131-178 ※王冠使用6V
技:岩石封じ/アイアンヘッド/思念の頭突き/凍える風
- ミミッキュを迅速に処理できる
- 物理ゲッコウガにはなかなか負けない物理耐久と耐性
- 岩石封じで後続のZ枠が安全にZ技を撃てるようにサポートできる
- 火力が高い
の条件を満たすメガメタグロス枠です。
このポケモンはS下降技によって行動回数を確保することで火力を発揮できるようにすることをコンセプトに育成しています。
技の選定
ちょうどホウエンにいたので参考にした構築と同じポケモンを採用できたのはいいのですが、コンセプトの岩石封じとアイアンヘッド以外に何を採用するべきかで迷いました。とりあえず特殊ゲッコウガには勝てなくてもよいはずです。
ペリッパーや次に挙げるルンパッパがドヒドイデを苦手としていたこと、フシギバナも呼びそうだと感じたことから3つ目の技は思念の頭突きにしています。雷パンチがあるとギャラドスやテッカグヤにも打てるのですがドヒドイデが確2になりません。思念の頭突きであれば、襷の無いペリッパーには過酷な相手であるロトムや霊獣ボルトロスにも打てます。
凍える風はコンセプト強化です。軽い気持ちで入れたのですが当初の想像の5倍は使う技でした。
S下降技の利点
例えば、氷弱点の相手と対面した時に冷凍パンチでなく凍える風を選択できることで、相手が炎タイプへ引いてもSが下がっているので次ターンにスカーフを恐れず岩石封じが打てます。岩が抜群ではないバシャーモは加速してもこちらを抜けなくなっているので思念の頭突きで倒せますね。
また、カプ・テテフ等対面でアイヘを我慢して岩石封じを撃つと、霊獣ランドロスを繰り出されていた場合にも凍える風へとつなげられます。半分ぐらいしか入らないので過信は禁物ですが…
繰り出されるカバルドンのSを下げてからこっちはペリッパーに引くと大変有利な対面を作ることができます。(※初手以外の対面ではペリッパーのS負けがデメリットになるため)
カプ・テテフに繰り出したら次ターンゴツメorスカーフ持ちの地面タイプや炎の体ウルガモスを投げられてサイクル不利~というような展開が嫌いでしたが、相手のパーティを見て通りそうな方のS下げ技から入ることで交換にもテテフの無茶な居座りにも対応できて頼もしかったです。接触技が強いから非接触技も強いメタグロス。かっこいい。
ルンパッパ
持ち物:ミズZ
特性:すいすい
性格:控えめ
努力値:0-0-4-252-0-252
実数値:155-70-91-156-120-122
技:ハイドロポンプ/波乗り/エナジーボール/冷凍ビーム
- Sが1段階下がった相手を大体抜ける程度に素早さがある
- 一貫性の高いZ技を持てる
- メタグロスにとって、削れるけど倒しきれないような相手にとどめを刺せる
の条件を満たしていると言い張りたいサンダー枠です。しかしどう見てもサンダーじゃない。一貫性の高いZ技としてZハイドロポンプを採用しています。
技の選定
当初は耐久を底上げしながらサンダー枠として足りない分をS操作や火傷(威嚇の代わり)によるサポート力で補おうと考えていたため、ハイドロポンプ/熱湯/ギガドレイン/凍える風の技構成でした。
しかし、自身の物理耐久も素早さも中途半端なのであまり活躍させることができず、この技構成はCS振りな育成方針ともかみ合わない気がしました。
そこで、基本的に雨で出し、高速高火力・頼りない物理耐久・並より高い特殊耐久に加え便利な技範囲で戦っていく方に舵を切り、熱湯を波乗りに、ギガドレインをエナジーボールに、凍える風を冷凍ビームに変更しました。
技構成を攻撃的に変え、とにかく上を取って殴らせるように意識したおかげで運勝ちが増えました。具体的にはサザンドラが凍る・カビゴンのDが下がって押し切れるようになる・雨ミズZが急所に当たるなどです。見たことはありませんがメガバシャーモの守るを貫通した際に急所を引くと確定らしいです。加速されると膝で倒されてしまうのでメガバシャが辛いんですよね。また熱湯を波乗りにしたおかげでZ消費後の継続火力が12.5%上昇しています。
ルンパッパの性能
Zハイドロポンプは鋼に等倍が取れて、威力も無天候状態で無振りメガガルーラに75%以上入るので臆病サンダーのZ10万ボルトと大体同じぐらいの打点はあります。Sは1段階下がった115族と同速なのでサポート前提ならそれなりに抜けますがやはり中速と言い張るには遅いですよね…
正直ここは分析したことが生かせていないというか、何度見てもサンダーではないのですが、ペリッパーとのペア選出の魅力に屈しました。
雨が降っていれば一気に高速高火力となります。素早さは最速スカーフテテフを抜くことができ、補正の乗ったZハイドロポンプはH252D4振りのテッカグヤが93.8%の乱数1発になります。ミミッキュはDに補正をかけた上でHDにかなり振ってでもいないと大体落ちます。
繰り出される半減相手の削り性能もすさまじく、H252カプ・レヒレに半分ほど入るので食べ残しがあっても続くエナジーボールで倒せます。むしろHP満タンのレヒレと対面すると半分回復実を発動させないためにミズZから入ることが多かったのですが、草技を読んだ相手がリザードンに交換してきていて試合終了というケースが多かったです。
雨があるならテテフのPFサイコキネシスに繰り出すことがギリギリ可能だったり眼鏡レヒレのムーンフォースを受けてもピンピンしているのは頼もしかったです。
ルンパッパの強さを引き出すなら雨下前提の運用が望ましく、ペリッパーと組まない選出をした際は味方の手厚いサポートが必要でした。グロスが相手のSを下げてくれたり、次に書くライボルトが麻痺と威嚇を撒いてくれたりなどです。
ライボルト
持ち物:メガストーン
特性:避雷針→威嚇
性格:臆病
努力値:252-0-0-0-4-252
実数値:(メガ前)177-80-80-125-81-172
:(メガ後)177-80-100-155-101-205
技:火炎放射/めざめるパワー氷/雷/ボルトチェンジ→放電
- ボルトチェンジで対面を操作できる。
- 威嚇
- 電気耐性
- 速い
の条件を満たす霊獣ランドロス枠です。が、最終的に交代技はなくなりました。
調整
霊獣ランドロスと比べると種族値がかなり低いです。Hに振ってようやく無振り霊獣ランドロスと同等の物理耐久が得られます。ちなみにH252D4と振ることで控えめテテフのPFサイコキネシスを確定で耐えます。H4振りランドロスより特殊方面が硬くなっていますが、あちらと違って控えめスカーフテテフを抜けないのでBに振り替えたりせずこのまま続投しました。
速さを確保するために臆病S252振りも必要だと思ったため、火力は犠牲になってしまいました。
技の選定
メインウェポンの雷は地震より10%威力が高いですが、陽気霊獣ランドロスのA実数値が197で、このメガライボルトのC実数値より約27%高いので差し引き約15%火力負けしています。
ペリルンパはナットレイが重いと思ったので後出しから処理できるように炎技が欲しくなりましたが、Cに振ってないのにオーバーヒートを採用するのは相手を倒しきれず困ることの方が多そうだったので火炎放射を採用しました。残念ながらナットレイはH252だけでもしっかり硬く、雨が降っていると超低乱数2(0.39%)、雨が止んでいても低乱数1(18.8%)になってしまいますが、宿り木で粘れないだけのダメージは与えられます。雨をアテにして宿守残飯で粘ろうとしていると雨が止んでしまうのがいい感じです。メガハッサムはナットレイよりも若干柔らかめの種族値なので多分ついでに見れます。ハッサムナットは物理攻撃が基本なので威嚇や火傷の追加効果がかみ合って嬉しいですね。
電気タイプとめざめるパワー氷の相性の良さは特に説明する必要もないでしょう。
交代技のボルトチェンジは不採用になりました。ボルトチェンジにはタイプ一致補正が乗るので霊獣ランドロスのとんぼ返りよりも指数が高いですが、喰い断Ⅸさんの動画中で触れられているロトムのようにまず遂行技としての仕事ができないのではないかと不安になりました。無補正FCロトムのC実数値は157であり、この子よりも高いです。加えて、相手がごく普通の行動として地面タイプを繰り出してくると交代できないので上で述べたような逃げる使い方もできません。
さらに、ボルトチェンジを切った理由がもう一つ。避雷針でCが上がっていて雨が切れた場合に居座って打つ技が欲しかったためです。当初のランドロス枠に求められる要素を考えると雷の方を切ってボルチェンを残すべきですが、避雷針が発動しなかった場合の火力が本格的に低すぎることと3割麻痺が楽しくてつい切りたくなくなってしまいました。
そして、どうせならということでこちらも3割麻痺の放電にしてみました。10万ボルトの89%程度しか威力がありませんがH252スイクンは確2がとれます。ミミッキュの皮を剥ぐときにも放電の方が3倍の確率でアドをとれます。この子が相手のSやAを下げてくれたおかげでルンパッパが行動機会を得ることがあったので、真面目に追加効果を狙っていきます。
電気タイプの強み
さて、ランドロスと比べてどうしても種族値の低さが気になるライボルトですが、霊獣ランドロスにはない大きな武器が一つありました。先ほど少し触れた避雷針です。ランドロス同様電気を無効化しながらライボルトの方は火力を上げることができるわけです。
この構築はライボルト以外全員に電気が等倍以上で通ります。おかげで避雷針が何度も発動しました。加えてカプ・コケコの被選出率も非常に高かったです。コケコ入りと戦う際は火力が1.5倍や2.25倍になるチャンスがあり、上手くいけば霊獣ランドロスを余裕で上回る数値が手に入ります。
仮に初手でこちらのペリッパーと相手のコケコが対面したとして、電気技にライボルトを繰り出したとします。この場合次のターン自分の場には実数値換算で177-80-100-232-101-205のポケモンが威嚇を発動させつつ立っていることになり、しかもこの子のメインウェポンは威力165(EF雷)で一致かつ必中かつ30%で麻痺の追加効果付きとなります。H252メガゲンガーとか同メガミミロップとかもみんな倒せます。ちなみにコケコは無振りでもH振りでも確2なのでフィールドと雨の恩恵は残り2ターン得られそうです。
威嚇込みで考えると実質177-80-150-232-101-205か…頼もしいな(しつこい)。ただまあこの基準で行くと陽気AS252H4スカーフランドロスは常時165-197-165-112-100-235なので非常に強いですね。S205~235の間には1加速準速メガバシャ、1舞最速ギャラ、最速フェローチェなどが存在しますのでこの辺りには思い切り殴られることになります。相手のパーティにこれらのポケモンがいたら展開されないように気を付けましょう。
今思えば攻撃範囲が電気・炎・氷という点でサンダーと似てますね。分析した要素には含まれていないですがこういった形で役割を一部受け持てていたのかも。サンダー枠として採用したルンパッパには丁度性能に不安があったところです。
補完枠を考える
さて、ここまでは喰い断Ⅸさんの動画を参考にして同じ要素を備えたメンツを採用しました。上記4体は基本選出とするつもりでしたので、残り2体にはこの子たちで突破できない相手への対処を求めることになります。
バシャーモ
持ち物:気合の襷
特性:加速
性格:意地っ張り
努力値:0-252-0-0-4-252
実数値:154-189-90-109-91-132 ※Hが非理想
技:馬鹿力/雷パンチ/地震/剣の舞
特にダメージ計算はしておらず、ASにぶっぱしてDL対策に余りをDに振っただけです。Hが理想値より1低いですが襷持たせるしということで妥協しています。性格については一応、耐久の高い相手を削る仕事を任せているため火力の方が欲しいという意図はあります。
このポケモンに期待したのは、とにかく
- ペリッパー+ルンパッパにとって重いポケモンに負担をかけること
です。具体的には
- ギャラドスやレヒレなど耐久力の高い水タイプ
- カビゴンやラッキーなど特殊耐久が高いノーマルタイプ
- ギルガルド・ナットレイ
の対策です。これらがルンパッパの雨ミズZで倒せず、ペリッパーにとっても不利な相手でした。特に回復技まであるとメガメタグロスとメガライボルトで削ってどうこうするというのが難しすぎました。そこで物理打点かつ火力上昇の積み技があるポケモンがいると便利そうだと考え、剣の舞もちのバシャーモを採用することにしました。
技の選定
格闘技は襷と相性のよさそうな馬鹿力にしました。ナットレイ・カビゴン・ポリゴン2といった雨下でも削り切れない相手に撃ちたいと考えたのですが、これらのポケモンにバシャが有利過ぎるのでなかなか当てられないですね。ルンパが有利対面を作った際に相手がナット等へ交換してくるのを読んでこちらもバシャを合わせていくような勇気が必要なのかもしれないですが、交換読み交換は苦手なのであまりそういう動きはできませんでした。
とはいえ、単純に火力の高い技であり使用頻度は高かったです。ゲッコウガ程度の耐久なら等倍でも確1、抜群を突けるならH252メガガルーラでも確1。命中100もありがたいです。余談ですが水手裏剣は雨が無ければHP満タンから4発、雨があってもそれなりの確率で3発耐えます。
炎技は反動で襷が潰れたり命中か威力に不安があったりで採用を見送りました。ナットレイは格闘技を撃てばよいし、ハッサムには雨が通りますからね。炎技を切って困ったのはミミッキュやランドロスを本当にちょっと削ることしかできなくなったことです。抜群を取る前提の構成なので… クレセリアにも意味のあるダメージを与えられないですね。この様な弱点を突けないポケモンが多いときはあまり選出するべきでないかもしれません。
剣の舞で無理やり削れる場面を増やしています。襷のおかげで安心して舞うことができるのはとても使用感がよかったです。ドヒドイデ・ギャラドス・レヒレなどの高耐久水タイプが雨対策と同時にバシャーモ対策でもあるためほぼ選出されるので、繰り出されるタイミングで剣の舞をして雷Pをしましょう。マリルリ相手は襷のおかげでアクジェを耐えつつ返り討ちにできますが、ルンパは水1/4耐性なのでルンパに引いてしまってもよいです。ナット・カビゴン・ドヒドイデに鈍いや蓄えるを積まれてしまってもこっちのAが上がる速度の方が早いところが偉い。
地震はギルガルドに接触したくなかったり、ヒードラン辺りと対面した際に膝読みで出てくるゲンガーを倒したりします。格闘技と範囲が被っているからこそ、裏を見て通りのいい方を選べるのがいいですね。
選出したい場面
ペリッパー+ルンパッパ選出で水技の通りの悪い相手と殴りあいをするとき、例えばレヒレしか障害がいないならミズZで押し切り、後は普通に雨下で先手を取って波乗りエナボ冷ビを振り回していればかなり戦えることが分かりました。これはレヒレの部分がヌメルゴンやギルガルドになっても同様で、要するに雨への対策枠が一体ぐらいならなんとかなりそうだという手応えがありました。しかしZ技が1回使い切りかつハイドロポンプは命中が低いことを踏まえると対策枠が2体以上いる相手へのゴリ押しはなかなか辛いものがありました。そのため、重いところに強力な打点を持てるポケモンが必要になりました。
理想は高耐久の相手をルンパッパの雨波乗り圏内に入れてあげることです。また、相手のパーティにバンギラスやリザードンがいるとペリッパー警戒で初手に出てくることが多いのでこの子かメタグロスを初手で出すようにしていました。
守るで被弾を抑えることができないだけでなく重いところを削るという役割上、ほぼ毎回戦闘不能になってしまいますがよく働いてくれるポケモンでした。
サマヨール
持ち物:進化の輝石
特性:プレッシャー
性格:呑気
努力値:252-0-252-0-4-0
実数値:147-82-200-80-151-40 ※Aが適当、Sが下降補正V
技:身代わり/眠る/ナイトヘッド/毒々→恨み
- 高耐久回復持ちの対策
- 身代わり+積み技持ちの対策
- いろんな相手にあと投げできる耐久力のあるポケモン
を意識して採用しました。なんか耐久型とかのPPを削って倒そうと思います。バシャーモもなんとかしてもらおうと思っていたはずが遂行技が無い…
すみません正直ここは結構雑に入れてます。おそらく構成する全ての要素に改善の余地があるのですが私の頭ではまとめることができませんでした。
技の選定
一応技構成の狙いだけ説明します。
眠るを採用して状態異常持ちの耐久ポケモンに強くしました。
身代わりも搭載して一撃技での突破を図る相手に強くしました。身代わりを見てから一撃技持ちが逃げていくことがありました。
恨みとプレッシャーによって身代わりを壊そうとする技のPPを一気に6削れます。恨みは最初は毒々だったのですが身代わり+瞑想のクレセリアにボコボコにされたのがトラウマになってしまい相手の身代わり越しに消耗させられる技をと思って覚えさせました。呪いも強い技だと思いますが回復アイテムが持てるわけでもなく鈍足なのですぐ倒れてしまうのが嫌で避けました。
そして相手の身代わりを壊せる程度の威力を出せる攻撃技としてナイトヘッドを採用しました。
VSオニゴーリ
オニゴーリ相手には身代わりを残せればだいぶ有利なはずです。こちらのナイトヘッドはオニゴーリの身代わりを確実に割れます。対して、オニゴーリの攻撃ではこちらの身代わりを確実に割る火力はありません。いきなり零度に当たると辛いですがそれは誰でも一緒ということで割り切ります。ムラっけの試行回数が減っているのでグロスやライボルトが抜かれる確率は少し下がるはずです。
挑発オニゴーリを相手にするときは零度を4回避けましょう()。
基本選出
ペリルンパに強いポケモンが1体ぐらいだったらペリルンパ+メガのどちらか。
2体なら片方をバシャで処理するつもりで選出してペリルンパ。
3体以上いてどうにも雨が通らなさそうだったらバシャ+何かで行きます。強引に剣舞すると勝てたりします。ペリは普通にカバなど相手にできるので単体で出せますがルンパをペリッパーと組ませずに選出することはほとんどありませんでした。
サマヨールは滅多に選出しませんでした。
戦績
構築自体はシーズン13のうちに完成したのですがほとんど潜ることができず、シーズン14では69戦して40勝29敗、レート1704となりました。勝ち越し11回は流石に運だけではないと思います。
初めてこんなにたくさん考えながらパーティを組みました。今までならわーっとレートに突撃して「なんか勝った」「なんか負けた」を繰り返すだけでしたが、今回は展開を予想しながら戦うことができ、偶然ではない勝利を得ることができたと自負しています。
とは言っても普通に弱さもあり、最大火力も雨の時間制限にZの1発しか使えないので継続火力に難があります。また、先制技が1つもないので全体的に削れるとキノガッサのマッハパンチで全員しばかれたりします。総じて息切れが早いパーティだと思いました。
総括
さて、以前の自分とは何が違ったのかを分析してみます。今までも「勝つためのパーティ」を組もうとしたことがありましたが、「環境に多い○○はAで対策しよう」「○○の裏にいる△△はBで対策しよう」という感じで、採用ポケモンの役割がみんな相手ありきになっていました。
考えてみれば、今まで強いQRパーティをお借りしてもいまいち勝てなかったのは各ポケモンの役割が分かっていなかったのだと思います。「このポケモンは○○対策」というレベルの認識だと相手パーティの6匹をカバーするのに4体以上選出しなければならないという事態が頻繁に発生し、結局選出がかみ合ったときだけ勝てるといういつもの展開になります。
しかし今回は対策だけでなく能動的な目的があるパーティ構築と選出ができています。「S操作や後攻とんぼを駆使して火力のあるメンツの被弾を減らし行動を保証する」「ゲッコウガ相手の行動を決めておく」あたりですね。これが以前の自分との明確な違いでした。
振り返ってみれば、喰い断Ⅸさんの使っていた構築の持つ要素をその枠に求められる仕事のサイズに分解して、彼がよく言っている「構築の再現」をやっていました。役割を具体化し、他のポケモンにスライドさせる過程を通じて、元の構築が持つ能動的な目的も同時に取り込むことができたのだと思います。
また、結果的に自分の言葉で採用理由の説明できるポケモンを自分の意志でパーティに組み込むことができました。おかげで自力で構築を組めたという実感がありますし、レートも上がったので非常に達成感を得られる経験となりました。
QRチーム
余談
ふと思ったのですが、小回りの利く中火力砲台であるところのグロスライボバシャはみんな地面弱点なのに対しペリルンパは地面耐性があるのでこの点の組み合わせが地味に良かったのかも…?
あと最初の方で「モチベーション維持のためにホウエン統一」と言っている件について。もともと第5世代の対戦実況動画群雄割拠期にネット対戦を開始したのもあり、対戦の外側にコンセプトを設けたパーティに対する憧れがずっとありました。その頃からホウエン統一に度々挑んでいたので、かれこれ6年ほどホウエンポケモンを活躍させたいという憧れを抱えてきたことになります。こういう感情はなかなか消えないということがよくわかりました。でも今にして思えば挑戦してよかったです。
レート1700は強い人たちにとってはちょっとしたセーブポイントぐらいでしょうけれど、私にとっては重要イベントでした。次は1800を目標としたいですがまたホウエンポケモンで構築するかどうかは考え中です。
長文乱筆失礼いたしました。ここまで読んで下さりどうもありがとうございます!!
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