剣盾に向けて改訂中!
一般的なシングルバトルとダブルバトルのPTと比べると一目で違いが分かる箇所があります。
ポケモンの技「まもる」の採用率です。
シングルバトルではメガ進化持ちや特性「加速」持ち、「どくどく」とのコンボなどで使われます。
しかし採用率は低く多くても1つのPTに3体まで。
一方でダブルバトルは1つのPT中4~6体に採用されています。
ダブルバトルではなぜ「まもる」が重要視されているのでしょうか?
ポケモンの技「まもる」とは
「まもる」とは「相手の攻撃をまったく受けない、連続でだすと失敗しやすい。」という技です。
ダブルバトルでは縛る(攻撃した時倒すことが出来る状態)という概念があります。
この縛りを解除する技が「まもる」です。
シングルバトルでも「まもる」を採用していたら「おいかぜ」や「トリックルーム」のターンを稼いで縛りを解除しますよね。
この他に、ダブルバトルではシングルバトルと違った縛りの解除方法があるのです。
具体例を踏まえて考えてみる
ランドロスAS振り、ミロカロスHB振り、ボルトロスCS振り、ヒードランHC振りとします。
お互いに持ち物を持ってないと仮定すると、ボルトロスはランドロスを「めざめるパワー氷(以下めざ氷)」で縛り、ランドロスはヒードランを地震で縛っています。
状況によってはランドロスとミロカロスの2体でボルトロスを縛り、ボルトロスとヒードランの2体でミロカロスを縛っています。
「まもる」がない場合
ボルトロス「めざ氷」→ランドロスが倒される→ヒードラン「みがわり」→ミロカロス「こごえるかぜ」→ボルトロスの素早さが下がる、ヒードランの身代わりはそのまま残る。
ミロカロス1体だけでボルトロスと身代わりの残ったヒードランを倒すのは不可能なのでこの時点で負け確定です。
では、まもるがある場合はどうでしょうか?
「まもる」がある場合
ランドロス「まもる」→ボルトロス「めざ氷」が守られる→ヒードラン「みがわり」→ミロカロス「こごえるかぜ」→ボルトロスの素早さが下がる、ヒードランの身代わりはそのまま残る。
次のターン、ランドロスの素早さがボルトロスを上回ったのでボルトロスにめざめるパワー氷で倒される前に攻撃できるようになりました。しかしヒードランは身代わりをしているため、縛りは解除されています。
ランドロス「いわなだれ」→ヒードラン身代わり残る、ボルトロス「めざ氷」→ランドロス倒される→ヒードラン「ねっぷう」→ミロカロス「こごえるかぜ」→ボルトロスぎりぎり耐えて素早さが下がる、ヒードランの身代わりが壊れる。
こうなるとミロカロスでボルトロスを縛っているので次のターンでほぼ勝ちです(電磁波威張るは考えない)。
では1ターン前に戻って、相手のボルトロスが「まもる」を使った場合は?
ボルトロス「まもる」→ランドロス「いわなだれ」→ヒードラン身代わり残る、ヒードラン「ねっぷう」→ランドロスHP半分以下に、ミロカロス「こごえるかぜ」→ヒードランの身代わりが壊れる。
再びランドロスでヒードランを縛り、地震でヒードランを倒したい場面です。
しかし味方のミロカロスも巻き込んでしまいボルトロス「10まんボルト」で縛られます。これもミロカロスが「まもる」を使うことによって巻き込みを防ぐことができるのです。
「こごえるかぜ」+「れいとうビーム」があれば勝ち、「ねっとう」しかない場合は運次第で勝敗は分かれます。
ここで問題となるのはヒードランが「まもる」を使ってくるかどうかです。
守られた場合ボルトロスでランドロスを倒されそのまま負けとなってしまいます。
しかしボルトロス「10まんボルト」+ヒードラン「ねっぷう」でミロカロスが倒されてしまう危険もあります。
つまり、「まもる」の有無で勝敗が分かれ、ここに読みあいが発生するのです。
「まもる」を採用しないケース
ここまで「まもる」の重要性を見て来ましたが、採用しない時や採用できない時もあります。
持ち物による制限
ランドロスの持ち物がこだわりスカーフ(素早さ1.5倍、同じ技しか出せなくなる)だった場合、ボルトロスの素早さより速くなるので先に攻撃できます。
また、とつげきチョッキ(特防1.5倍、攻撃技しか出せなくなる)を持っていた場合はボルトロスのめざ氷を耐えた後攻撃できます。
この2つには持ち物によって縛りを解除しているという共通点があります。
しかし、こだわり系アイテムは「まもる」しか出せなくなり、とつげきチョッキを持っていると「まもる」を使えないので「まもる」の採用はできません。
耐久型ポケモン
耐久型ポケモンというと、クレセリアやポリゴン2などが思い浮かびます。
耐久型ポケモンの区分、「まもる」を採用するかどうかの判断の目安は攻撃を集中されても耐えるかどうか、1撃で倒されないかどうかで決まります。
耐久に振ったオボン持ちボルトロスやメガガルーラの「まもる」採用率も低いですが、これは集中されても倒されにくい耐久を持っているからです。
逆に1撃で倒されやすいポケモンは「まもる」を必ず採用しましょう。
耐久が高く「まもる」の採用率が低いポケモンは、縛られた時に集中されやすい存在でもあります。
その点を逆手にとって「まもる」を採用する場合もあることを覚えておきましょう。
「みきり」「ニードルガード」「キングシールド」
「みきり」や「ニードルガード」は「まもる」の上位互換です。
「みきり」を覚えるポケモンには「みきり」を、「ニードルガード」を覚えるポケモンには「ニードルガード」を採用しましょう。
一般的に「ニードルガード」が優先されます。
ギルガルド専用技の「キングシールド」はギルガルドをブレードフォルムからシールドフォルムに戻す技です。
「まもる」ではブレードフォルムの状態で縛られやすく、守った後に「キングシールド」を使っても失敗しやすくなっています。
ギルガルドに攻撃技を採用する時は「キングシールド」が優先されるので「まもる」は採用されないようです。
技スペースと役割
その他、どうしても技スペースがない場合もあります。
ゴウカザルの覚えているわざを「ねこだまし」「インファイト」「オーバーヒート」までは確定で、持ち物を「いのちのたま」を持たせるとします。
4つめの技を「まもる」にしたいところですが、自分のPTがガブリアスが重い(倒せない、出されると勝てなくなる)状況だったとします。
このまま「まもる」を採用しても倒せない状況は変わりません。
そこで、ゴウカザルの4つ目のわざに「めざめるパワー氷」を採用し、ガブリアスを倒す役割を持たせました。
このような時も「まもる」の採用はできなくなります。
「ねこだまし」「いかりのこな」等のサポートで守られる前提のポケモン
隣のポケモンに守られる前提のポケモンは「まもる」の採用優先度が下がる場合があります。
トリックルームPTのブルンゲルを例に挙げてみます。
トリックルームを確実に成功させるために、隣に「ねこだまし」持ちのハリテヤマや、「いかりのこな」持ちのモロバレルを並べてサポートするとします。
相手は「トリックルーム」の発動を阻止したいので、相手にブルンゲル方向に「10まんボルト」と「あくのはどう」の攻撃をブルンゲル方向に集中したとします。
ここで、モロバレルの「いかりのこな」を使う事により、相手の攻撃の方向をモロバレル方向に変えるので、この場合のブルンゲルは無傷でトリックルームを発動できます。
ハリテヤマの「ねこだまし」の場合は片方の行動を止めて、もう片方の攻撃を耐えてからトリックルームを発動することが可能です。
このように「トリックルームをするという役割」を隣のポケモンのサポートでほぼ確実に成功させる事でき、かつ他にも採用したい重要な技があった場合は「まもる」を採用しないという選択肢もあります。
隣のポケモンでサポートできるから「まもる」を採用しない、という考え方はPT単位で考える必要があり上級者向けといえるでしょう。
最後に
ダブルバトルのPTを作ったことがない、使ったことがない、という方は、「まもる」を6体すべてに採用することを推奨します。
ダブルが難しいと言われる原因の1つは選択肢の多さです。
しかし、これは自分だけでなく相手も同じです。
「まもる」を採用したポケモンが縛られ、攻撃された時の選択肢は「倒される」「控えのポケモンと交換する」、これに「守る」が加わります。
「守る」選択をした時にもう一方のポケモンで状況を打開する、これがダブルの醍醐味であり、プレイング技術の向上に繋がります。
選択肢を増やすということは、勝ち筋となりえる選択肢が増えるということなのです。
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