ポケモンは個体ごとにそれぞれ「せいかく(性格)」が異なっています。
ポケモンの性格には「いじっぱり」「ひかえめ」など25通りの種類があり、この性格の違いによってポケモンごとに得意な能力や木の実の味の好みが変化します。
ポケモンのストーリーをクリアするだけならあまり気にしなくても良い要素になりますが、「ランクマッチで勝ちたい」「友達とのバトルで勝ちたい」等、対戦面を意識しポケモンを強く育てたい場合は避けては通れない重要な要素になります。
この記事ではポケモンの正確にまつわる事は全て網羅していますので、是非参考にして頂けましたら幸いです。
ポケモンの性格によるステータスの変化について(性格補正)
ポケモンは性格によって育ちやすいステータスと育ちにくいステータスがあり、 育ちやすいステータスは通常の1.1倍、育ちにくいステータスは通常の0.9倍で能力値が育ちます。これを性格補正と呼びます。
「まじめ」「てれや」「がんばりや」「きまぐれ」「すなお」の性格は無補正の性格と呼ばれ、下降する能力がありませんが、上昇する能力もありません。
性格によるステータスの育ちやすさは下記の表通りです。
攻撃↑ | 防御↑ | 特攻↑ | 特防↑ | 素早さ↑ | |
攻撃↓ | -(まじめ) | ずぶとい | ひかえめ | おだやか | おくびょう |
防御↓ | さみしがり | -(てれや) | おっとり | おとなしい | せっかち |
特攻↓ | いじっぱり | わんぱく | -(がんばりや) | しんちょう | ようき |
特防↓ | やんちゃ | のうてんき | うっかりや | -(きまぐれ) | むじゃき |
素早さ↓ | ゆうかん | のんき | れいせい | なまいき | -(すなお) |
例えば同じピカチュウでも、無補正な性格である「まじめ」と、特攻が下がり素早さが上がりやすくなる「ようき」を比較すると、レベル50になった時にこのくらい差が生まれます。
ポケモン | HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ |
---|---|---|---|---|---|---|
まじめ | 110 | 75 | 60 | 70 | 70 | 110 |
ようき | 110 | 75 | 60 | 63 (0.9倍) | 70 | 121 (1.1倍) |
上記ピカチュウは全個体値31、努力値無振りで計算しています。
個体値が良く分からないという方は下記記事もご参照ください。
ポケモンの性格による味の好みの違いについて
ポケモンは性格によって「きのみ」の味の好みが分かれます。
この味の好みの違いで影響が出る要素は主に下記2点です。
- 対戦中のフィラ・イア・ウイ・マゴ・バンジのみの効果(通称「混乱実」の効果)
- ポケモンの「コンディション」の上げやすさ(過去作)
対戦中のフィラ・イア・ウイ・マゴ・バンジのみ(混乱実)の効果
「フィラのみ」「イアのみ」「ウイのみ」「マゴのみ」「バンジのみ」は、ポケモンに持たせると対戦中に自身のHPが1/4になった時に自動で木の実を食べ、HPを1/3回復するという効果があります。
しかし、これら木の実は性格によって味の好みがあり、嫌いな味の木の実を食べるとHP回復後「こんらん」状態になってしまうというデメリットがあります。
したがって、これらアイテムをポケモンに持たせる場合は、嫌いな木の実を持たせないように十分に注意しましょう。
木の実 | 味 | 特徴 | 混乱する性格 |
---|---|---|---|
フィラのみ | からい | 戦闘中にHPが1/4以下になった時に自分のHPが最大HPの1/3回復 (第7世代までは1/2回復) 攻撃が下がる性格のポケモンが食べると「こんらん」状態になる | ずぶとい ひかえめ おだやか おくびょう |
イアのみ | すっぱい | 戦闘中にHPが1/4以下になった時に自分のHPが最大HPの1/3回復 (第7世代までは1/2回復) 防御が下がる性格のポケモンが食べると「こんらん」状態になる | さみしがり おっとり おとなしい せっかち |
ウイのみ | しぶい | 戦闘中にHPが1/4以下になった時に自分のHPが最大HPの1/3回復 (第7世代までは1/2回復) 特攻が下がる性格のポケモンが食べると「こんらん」状態になる | いじっぱり わんぱく しんちょう ようき |
バンジのみ | にがい | 戦闘中にHPが1/4以下になった時に自分のHPが最大HPの1/3回復 (第7世代までは1/2回復) 特防が下がる性格のポケモンが食べると「こんらん」状態になる | やんちゃ のうてんき うっかりや むじゃき |
マゴのみ | あまい | 戦闘中にHPが1/4以下になった時に自分のHPが最大HPの1/3回復 (第7世代までは1/2回復) 素早さが下がる性格のポケモンが食べると「こんらん」状態になる | ゆうかん のんき れいせい なまいき |
余談ですが、筆者は昔、特性「ちどりあし(混乱状態の時、回避率が上がる)」のポケモンにあえて嫌いな味の木の実を持たせて能動的に混乱させるという神コンボを使ってみたことがあります。めちゃくちゃ弱かったです。
ポケモンの「コンディション」の上げやすさ(ORAS/BDSP)
コンディションはポケモン対戦で使う能力値とは別のステータスで、主にポケモンコンテストに関係してくる要素です。コンディションには「かっこよさ」「うつくしさ」「たくましさ」「かわいさ」「かしこさ」の5つのステータスがあります。
これら能力を上げるアイテム(ポロック・ポフィン)には5つの味があり、好きな味の能力は育ちやすく(通常の1.1倍)、嫌いな味の能力は育ちにくい(通常の0.9倍)という特徴があります。
ポケモンコンテストは一部の地方(過去作)で楽しめるミニゲームで、「ルビー・サファイア・エメラルド」「ダイヤモンド・パール」「オメガルビー・アルファサファイア(ORAS)」「ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール(BDSP)」で遊ぶ事ができます。
性格による味の好みは下記の表通りです。
からい | すっぱい | しぶい | にがい | あまい | |
さみしがり | 好き | 嫌い | |||
いじっぱり | 好き | 嫌い | |||
やんちゃ | 好き | 嫌い | |||
ゆうかん | 好き | 嫌い | |||
ずぶとい | 好き | 好き | |||
わんぱく | 好き | 嫌い | |||
のうてんき | 好き | 嫌い | |||
のんき | 好き | 嫌い | |||
ひかえめ | 嫌い | 好き | |||
おっとり | 嫌い | 好き | |||
うっかりや | 好き | 嫌い | |||
れいせい | 好き | 嫌い | |||
おだやか | 嫌い | 好き | |||
おとなしい | 嫌い | 好き | |||
しんちょう | 嫌い | 好き | |||
なまいき | 好き | 嫌い | |||
おくびょう | 嫌い | 好き | |||
せっかち | 嫌い | 好き | |||
ようき | 嫌い | 好き | |||
むじゃき | 嫌い | 好き |
性格の厳選方法
野生で出会うポケモンの性格は基本的にランダムです。理想の性格を手に入れるには運が必要ですが、下記のやり方で理想の性格のポケモンを手に入れやすくなります。
理想の性格のポケモンを孵化する
同じタマゴグループの♂・♀2匹のポケモンを預け屋に預け、一定距離移動すると預けやからポケモンのタマゴを貰う事ができます。
生まれるポケモンの性格は完全にランダムですが、親のポケモンに「かわらずのいし」を持たせた状態で預けると、「かわらずのいし」を持たせたポケモンの性格と同じポケモンが生まれます。
ただし、親にする理想の性格のポケモンは野生でエンカウントするなど運で手に入れる必要があります。根気よく乱獲しましょう。
シンクロで手持ちのポケモンと同じ性格のポケモンを出す
とくせい「シンクロ」は先頭にしておくと野生のポケモンもシンクロのポケモンと同じ性格になりやすいという効果があります。これにより孵化ができない伝説のポケモンなども狙った性格を捕獲することが可能になります。
ただし、こちらも理想の性格のシンクロポケモンは野生で乱獲し運で手に入れる必要があります。
性格補正変更アイテム(ミント)を使う
ポケモン剣盾から性格補正を変更するアイテム「ミント」が登場しました。
これにより、性格厳選の重要性がぐっと低くなり、ストーリーで一緒に旅した思い出のポケモンをガチ対戦用に強化するといった事も可能になりました。
アイテムなので入手するには条件がありますが、困ったらミントを使えば問題ないでしょう。
ただしミントで性格補正したポケモンを親にタマゴを作っても、生まれる子ポケモンには親の性格補正後の性格ではなく元の性格が遺伝されます。
性格の選び方とおすすめの性格
ポケモン対戦における性格の選び方とおすすめの性格(性格補正)を紹介します。
長所が上昇し、短所が下降する性格を選ぶのが基本
例えばエルレイドは種族値上ステータスの中で一番攻撃が高く育ちやすいです。
ポケモン | HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ |
---|---|---|---|---|---|---|
エルレイド | 68 | 125 | 65 | 65 | 115 | 80 |
特攻より攻撃の方が種族値が高い為、よほど歪んだ使い方をしない限り物理攻撃メインの使い方になります。
そうなると特攻ステータスは不要となりますので、攻撃が上がり特攻が下がる性格の「いじっぱり」にするのが合理的で一番ステータスが高く育ちます。
育て方(型)別のおすすめ性格
ポケモンの対戦における役割、育て方でもおすすめの性格は異なります。
基本的には伸ばしたい能力と不要な能力を選択し選べば良いでしょう。ポケモン対戦で使われる性格の多くが基本的に下記のどれかになります。
役割 | おすすめ性格 | 性格補正 |
---|---|---|
物理アタッカー | いじっぱり | 攻撃↑ 特攻↓ |
特殊アタッカー | ひかえめ | 特攻↑ 攻撃↓ |
物理受け | わんぱく/ずぶとい | 防御↑ 攻撃/特攻↓ |
特殊受け | しんちょう/おだやか | 特防↑ 攻撃/特攻↓ |
トリルアタッカー | ゆうかん/れいせい | 攻撃/特攻↑ 素早さ↓ |
トリルサポーター | のんき/なまいき | 防御/特防↑ 素早さ↓ |
物理攻撃も特殊攻撃も両方使う所謂「両刀」と呼ばれる型も存在しますが、それは後述する効率の良い性格と努力値調整の項目で説明します。
ミント前提なら似合う性格という観点で選んでもOK
ミントというアイテムで性格補正自体は変更できるので、ミントを使う前提であれば、ポケモンに似合う性格を選ぶのも全然ありです。
- 「ヤドランは能天気そうだから「のうてんき」な性格にしよう」
- 「グレンアルマは正々堂々と戦うことが信条らしいから「ゆうかん」や「いじっぱり」にしよう」
- 「ソウブレイズは戦いには手段を選ばない性格らしいから、「れいせい」な性格にしよう」
など、性格や入れるボールに拘るのもポケモンの一つの楽しみと言えるでしょう。
ランクマや対戦使う場合でかつ「むしくい」や「トリック」など、相手の木の実を食べたりアイテムを入れ替えたりといった技を積極的に使うポケモンは無補正の性格を推奨しますが、そういった技を使わないのであればそこまで気にする必要はありません。
ステータス上昇効率の良い性格と努力値調整
ステータス上昇効率の良い性格と努力値調整も紹介します。この項目はやや難しい内容ですが、意外と知らない人も多いので知っておくと一気に他の人と差をつける事ができます。可能であればぜひ覚えておきましょう。
努力値について良く分からない方は下記記事も参考にしてください。
実数値の計算式
実数値の計算式は下記の通りです。
ステータス={(種族値×2+個体値+努力値÷4)×レベル÷100+5}×性格補正
計算式の関係上、種族値が最も高い箇所が伸びる性格を選ぶと効率が一番良くなります。
先ほども少し触れましたが、エルレイドは種族値的にステータスの中で一番攻撃が高く育ちやすいです。
ポケモン | HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ |
---|---|---|---|---|---|---|
エルレイド | 68 | 125 | 65 | 65 | 115 | 80 |
したがって、原則として攻撃が上がり特攻が下がる「いじっぱり」が原則としては最適であり、「いじっぱり」以外を選択する場合は、いじっぱりの性格ではクリアできない条件が加わった時になります。
具体的には下記のような条件が考えられます。
- いじっぱりじゃ耐えきれないある特定の攻撃を耐えたい
- いじっぱりじゃ先制できないポケモンより先に動きたい
- トリックルームを使う為素早さはあえて落としたい
- ネタとして特殊攻撃主体のエルレイドを使いたい
なので基本的には「長所が上昇し、短所が下降する性格」をベースとし、特定の条件がある場合はそれをクリアできる性格にすると良いでしょう。
性格選びのよくある間違い
よくある間違いが「基本となる長所が上昇し、短所が下降する性格」でも「特定の条件」を努力値振りだけでクリアできるのに、別の性格にしてしまっているというケースです。その場合、ステータス上昇が非効率になり本来可能なステータスをロスしてしまっている場合が多いです。
下記は例えとして
- 「いじっぱりアマージョのじゃれつくを確定で耐え」
- 「素早さ実数値113」
- 「残り努力値でなるべく攻撃を上げる」
という条件で努力値調整したエルレイドです。(Lv50で計算)
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | |
---|---|---|---|---|---|---|
実数値 | 175 | 178 | 88 | 76 | 136 | 113 |
努力値 | 252 | 132 | 20 | 0 | 4 | 100 |
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | |
---|---|---|---|---|---|---|
実数値 | 175 | 174 | 88 | 76 | 136 | 113 |
努力値 | 172 | 228 | 20 | 0 | 4 | 4 |
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | |
---|---|---|---|---|---|---|
実数値 | 165 | 175 | 93 | 76 | 135 | 113 |
努力値 | 172 | 236 | 20 | 0 | 0 | 100 |
比較すると「いじっぱり」と「わんぱく」では最終的なステータスに8もの差があり、やはり「いじっぱり」の性格が一番実数値の合計が高く、効率が良いという事が分かるかと思います。
性格 | 実数値合計 |
---|---|
いじっぱり | 765 |
ようき | 762 |
わんぱく | 757 |
したがって、種族値上一番高いステータスが上昇する性格以外を選ぶときは、性格補正を外してみて努力値振りだけでその能力値を実現できないかを確認することが重要です。
両刀の場合は条件を明確にしてダメージ計算を
物理攻撃と特殊攻撃を両方使うポケモンの型を「両刀」と呼びます。
物理か特殊のどちらかしか使わない型と違い、両刀はどのステータスも原則必要になってくるため、
- 「物理攻撃で○○を確定〇発で倒す」
- 「特殊攻撃で○○を確定〇発で倒す」
といった両刀にする理由を明確にし、残りのステータスの条件を決めるイメージになります。
それの最たる例が、特定の環境下での無補正の性格のポケモンによる両刀活用です。
下記の記事は第六世代の記事ですが、考え方自体は今でも参考になりますので、是非参考にしてみてください。
両刀では耐久を「きあいのタスキ」に頼ってACSに振り分ける型や、素早さを捨ててHACに振り分ける型がメジャーですが、考え方としては仮想敵が倒せればいいので攻撃・特攻の下降性格でも条件をクリアできる事もあります。ダメージ計算をしてみて、どの性格がベストか柔軟に考えてみましょう。
無補正の性格をミントによって最適な性格補正に変化させるのが最強
ポケモン剣盾から性格補正を変更するミントというアイテムが登場しました。
これにより、それまであまり使われなかった無補正の性格(まじめ・てれや・がんばりや・きまぐれ・すなお)の上昇補正がないというデメリットが無くなり、「嫌いな味の木の実がない」というメリットだけが残り対戦で使う場合はベストな性格になりました。
ポケモン対戦では「むしくい」や「ついばむ」といった相手の木の実を食べる技や、「トリック」「すりかえ」など、相手と自分のアイテムを入れ替えたりといった技を使う機会があり、不意に嫌いな味の木の実を食べてしまう可能性があります。
その為、ポケモン対戦をガチでやるなら無補正の性格のポケモンをミントで最適な性格補正に変化させて使うのが最強です。
特に「むしくい」「ついばむ」「トリック」「すりかえ」を積極的に使うポケモンは無補正の性格を推奨します。
ただし、上記の技を積極的に使わないポケモンまで無補正の性格で厳選する必要があるかと言われれば、そこまでする必要性はかなり薄いです。大事な大会など本当に万が一の可能性を潰したい時だけ必要であれば厳選するというだけでも十分だと思います。
筆者は混乱実がよく使用されるようになったサンムーン(第七世代)から現在まで数千回~数万回ポケモン対戦していますが、上記の技を積極的に使わないポケモンが混乱実を受け取ってしまい混乱したというシーンは数回しか見たことがありません。
よくある質問
- まじめ・てれや・がんばりや・きまぐれ・すなおの性格ってゴミ?
-
上でも書きましたが,アイテムで性格によるステータス上昇値を変えれば木の実で混乱する事がないので逆に他の性格より優秀です。
また、無補正の性格でもある特定の状況下では他の性格より効率の良い努力値調整ができる場合があります。
詳しくは下記をご覧ください。
- ピカチュウにおすすめの性格は何?
-
ピカチュウは攻撃、特攻、素早さが高く、HP、防御、特防がもの凄く低いので、長所を活かした性格が良いでしょう。「おくびょう」「ようき」「ひかえめ」「いじっぱり」がおすすめです。
おわりに
本記事ではポケモンの性格について解説させて頂きました。
初めてポケモンをプレイするという方にとってはかなり難しい内容だったと思います。
ストーリーをクリアするだけなら気にしないでも大丈夫ですし、「ちょっと対戦もしてみたいな」という方は「性格の選び方とおすすめの性格」の項目だけ理解して育ててみるだけでも最初は十分です。
仕様が難しくて楽しめなくなったら本末転倒なので、まずは楽しめる範囲で性格等はこだわってみましょう。
あなたのポケモンの性格選びの参考になりましたら幸いです。
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