はじめに
こんにちは、2カ月ぶりの投稿となりますシャングリラです。
今回はS18において最終2桁順位(97位)を達成できたドラパルト-コバルオン構築について紹介したいと思います。
構築としてかなり尖っていますが、こんな叩きパもあるのかと参考にしていただければ幸いです。
パーティ作成経緯
ランクバトルのルールが竜王ダブルから全国ダブルに戻ったので久しぶりに叩きパで潜ろうと思い、まずは王道のエルテラドラパを使うことにしました。
その際に、相手にオーロンゲがいる時は隣のポケモンを守らせながらのこうこうのしっぽトリック等、全力で叩きテラキオンを警戒する動きが多いと感じました。
先の例は極端だとしても、ドラパテラキで並べた場合でも鎧環境の時とは違いテラキオンダイマを本筋として動いてくる相手が多いと思ったため、その動きを逆手に取るためにドラパルトダイマを本線として構築を組み始めました。
冠環境になりドラパルトはガラルファイヤーやブリザポス等タイプ相性で不利なポケモンの追加、壁貼りが主な仕事であるオーロンゲの増加による制圧力の低下等の逆風が吹いていると感じます。
特に壁を張る戦法は、メインウェポンのダイホロウにより相手にデバフを掛けて戦うドラパルト視点から考えると非常に厄介です。
なぜなら、ダイホロウで1匹倒した場合、後ろから出てくるポケモンにはデバフが入っておらず、大きなダメージが与えられない為です(逆にブリザポス等の殴りながら自己にバフを掛けるポケモンなら攻撃が二段階アップしていれば実質的に壁を無視できる)。
ほかにも、抜群を突けるメタグロスもその圧倒的耐久から素の珠ダイホロウは耐えて弱点保険を発動させ反撃してくるため迂闊に攻撃することはできません。
以上をまとめると
- ガラルファイヤー、ブリザポス、ポリゴン2対策
- 壁オーロンゲやメタグロスを打ち抜くための火力上昇
となります。この条件を満たすために聖剣士でドラパルトをコーチングすることにしました。
タイプ上先に挙げたドラパルトが苦手なポケモンに強く、コーチングによるA上昇でメタグロスや化身ボルトロスがワンパン可能になり、更に弱点保険ギミックと異なり重ね掛け可能となっており非常に相性が良くなっています。
次にどの聖剣士でドラパルトに笛を吹くかを決めます。
テラキオン達はS108族であるため、コーチング軸という事は聖剣士がドラパルトよりも先に動く必要があります。
よって、ドラパルトのSを落とすか聖剣士がスカーフを巻くかのどちらかになります。
しかし、ドラパルトのSを下げるという選択は、相手のダイマックスボルトロスやエースバーンを上から一撃で倒すことができ、ダイジェットによる1加速でレジエレキを抜けると言うドラパルトの持ち味である素早さを殺すことになると感じました。
そのため、聖剣士の誰かにスカーフを巻いてコーチングしてもらう事にしました。
当然ですが、スカーフを持つという事は襷を持つことができなくなるため、テラキオンは確実にコーチングをするために耐久に降る必要が出てきます。
ただ、先制技であるゴリランダーのグラスライダーで倒されない耐久を確保しながら仮想敵でもある準速ガラルファイヤーを抜ける素早さを確保するとなると、攻撃に努力値を回す余裕はほぼなくなってしまいます。
そこで聖剣士としてテラキオンではなく耐性として岩タイプより数段優秀な鋼タイプを持つコバルオンを検討し始めました。
数値を比較すると
- テラキオン(わんぱく)
183-150-156-×-111–143 (H132-A4-B252-D4-S116) - コバルオン(いじっぱり)
191-156-150-×-94–134(H196-A252-B4-D12-S44)
とAと物理耐久はほぼ同じ、DとSはテラキオンの方が上回っているのが分かります(無補正4降りの数値と上昇補正252降りの数値がほぼ同じなのが面白い)。
しかし抜群を突かれるタイプが7つ、半減以下で受けられるタイプが6つのテラキオンに対しコバルオンは抜群を突かれるのは3つ、半減以下で受けられるのは9つと耐性で見た場合コバルオンは非常に優秀なタイプをしています。
素早さに関してもスカーフを持って最速130族を抜ける必要な数値は確保しており、特殊耐久に関しても環境でよく飛び交う水、草、フェアリー、エスパー技のいずれも抜群で食らうテラキオンよりもコバルオンの方が実際は良いだろうと判断、コバルオンでコーチングすることにしました。
次に周りのポケモンを考えていきます。
まず、コーチングによるB上昇を無視できてドラパルトとコバルオンの両方に一致技で抜群を突ける悪ウーラオス対策として、タイプ上めっぽう有利であり瞑想と欠伸によって幅広い仕事が期待できるニンフィアを採用しました。
よくドラパルトと組んでいるトゲキッスにしなかったのはレジエレキやランドロスの雪崩によって抜群を突かれてしまう為、最後の詰め要員として不安に思ったためです。
また、基本的にドラパルトのサポートはコバルオンで行う予定なのでサポート役を2枚入れる必要は無いといった判断もあります。
次に、相手にレジエレキがいた場合コバルオンのSのみを下げられコーチングの順番が崩されてしまうことも考え、電気耐性を持ち且つ相手の地面技を透かせて、さらに、セキタンザン及び晴れのリザードンやフシギバナ相手にも戦えるチョッキランドロスを採用しました。
その次に、構築が物理に寄っており且つ炎、フェアリー、マンムーが一貫している為それらにタイプ上強いヒートロトムがPTに入ってきました。
ここまでPTにS操作要員がおらず、ドラパルトの上を取って殴り続けてくる追い風軸のPTが非常につらかった為、その対策を考えます。
相手の追い風対策と言えばトリルによる切り返しと相場は決まっていますし幸運にも襷が余っていたので襷を持ってトリルをできるポケモンとします。
ただ例えばドータクンやポリゴン2のようなあからさまにトリルを使ってくるポケモンでは、相手は追い風を貼ってきてくれず挑発やイエッサン♂の封印によってトリルを妨害してくることが予想されます。
そこで一見してトリラ―とは見えず相手が追い風を貼ってくれる丁度いいポケモンとしてエルフーンを採用しました。
エルフーンであれば相手は取り敢えず追い風を貼ってくることが多く、早期処理もしてこないため非常に有効的にトリルを決めてくれました。
パーティ
個別解説
ドラパルト
性格:いじっぱり
努力値:28-252-12-0-4-212
実数値:167-189-97-×-96-189
調整:
A:H374-B151メタグロスを+1ダイホロウで75%の高乱数1発(95.9%~113.3%)
H306-B98リザードンを+1ダイドラグーンで81.2%の高乱数1発(96.7%~113.7%)
H374-B104フシギバナを+1ダイジェットで56.2%の乱数1発(92.5%~109.0%)
H350-B91化身ボルトロスを+1ダイドラグーンで43.7%の乱数1発(91.4%~107.4%)
H191-B156輝石ポリゴン2を+3ダイドラグーンで確定1発(108.9%~128.7%)
Bが下がったH382-B115ランドロスを+1ダイドラグーンで93.7%の超高乱数1発(98.4%~116.4%)
HB:コーチング後、A205メタグロスの+2ダイアイスと珠ダメと霰ダメ込みを62.5%で耐え(89.6%~105.8%)
コーチング後、A197ランドロスの珠ダイジェットをほぼ2耐え(38.9%~45.8%)
コーチング後、Aの下がったA216ブリザポスのダイアイスが43.7%~52.0%
A146ボルトロスのダイジェット2耐え36.0%~42.8%
HD:C167ガラルファイヤーのダイアーク耐え(76.0%~90.4%)
壁込みでC216レイスポスの珠ダイホロウを最高乱数切って耐え(85.6%~101.1%)
S:最速エースバーン抜き
火力を最重要視して意地っ張り珠逆鱗ドラパルトです。
上のダメ計から分かるように、140ドラグーンにすることでワンパンできる範囲が広がるため非ダイマ時に扱いにくさには目を瞑りアローではなくげきりんを採用しています。
素早さに関しても一時期レイスポスを抜く為陽気で使っていたところ相手にミリ耐えされることが多かった為、上を取られる事には目を瞑り意地っ張りにしました。
コーチングが入ると凄まじい制圧力を誇り、スカーフコーチングの弱点である「味方の攻撃を1.5倍にしても攻撃に参加できるのは1体だけなので、相手のポケモンを倒せないと攻撃の手数によりダメージレースで不利を取る」問題をほぼ起こさない点も非常に優秀でした。
小回りの利くてだすけとの違いは、1回打てば永続的にバフが残ってくれる点と、耐久上昇により相手の物理アタッカーとの打ち合いを有利に持っていける点にあります。
コバルオン
性格:いじっぱり
努力値:196-252-4-0-12-44
実数値:191-156-150-×-94-134
いつも尻を叩かれているけど今回は笛を吹く聖剣士。
鋼/格闘タイプによりドラパルトの苦手なオーロンゲやポリゴン2、ブリザポス等を一げk…
- H202-B85オーロンゲがアイアンヘッドで83.1%~98.0%(確定2発)
- H191-B156輝石ポリゴン2が+3ダイナックルで62.5%の中乱数1発(94.2%~110.9%)
- H414-B150ブリザポスが+3ダイスチルで56.2%の中乱数1発(91.7%~108.6%)
- H394-B110ガラルファイヤーが+3ダイロックで25.0%の低乱数1発(87.8%~103.5%)
…大打撃を与え早期処理することが可能となっています!!
(ガオガエンの威嚇を考えると+4の万全で攻撃できる機会は案外少ないため+3で計算しています)
ただ、このPTではどちらかと言うと叩きアタッカーとしての役割自体より相手のヘイトを集めるデコイとして大活躍してくれました。
オーロンゲに脱出ボタンや後攻の尻尾をトリックされたり、レイスポスに鬼火を打たれたり味方のアクアジェットで弱点保険を発動させたランドロスに+2ダイアースで殴られたり等々…。
世界があの手この手でコバルオンを狙ってくるためその度にコーチングを入れたドラパルトは悠々と相手の場を荒らし幾つもイージーウィンをもたらしてくれました。
その意味ではドラパルトに並んで最終2桁順位の功労者と言っても過言ではないと言えるでしょう。
因みに一時期、積みのレジスチル対策として格闘技を聖なる剣にしていましたが+3ダイナックルでポリゴン2を仕留めそこなったためすぐにインファイトに戻した経緯があります。
ダイジェットの基になる飛び跳ねるが入っていないのは、対して火力の出ない不一致技でSを上げるよりも自らの耐久を上げたり相手の抜群を突くことを優先した為です。
ニンフィア
性格:ひかえめ
努力値:244-0-108-100-44-12
実数値:201-×-99-157-156-82
調整:
C:無振りダイマキングドラを+1ダイフェアリーで確1 (100.0~117.8%)
HD:特化ロンゲがハイパーボイスで確定2発(50.4~60.3%)
HB:陽気ウーラオスの鉢巻毒づき耐え(83.5~98.5%)
HD:特化ガラルファイヤーの+2ダイジェット(140)耐え(84.0~99.0%)
想像以上の対エレキウーラ性能を発揮してくれたポケモン。また、トリパに対しても初手はエルフーンで壁を貼りながらめいそうを積めば特殊技では全然削れなくなり、相手のトリルターンをしっかり枯らす活躍を見せてくれました。
あくびも優秀で、耐久降りの強みを生かし相手の攻撃を耐えながら眠らせることができ、詰め要員として非常に強かったです。
霊獣ランドロス
性格:いじっぱり
努力値:212-140-36-0-92-28
実数値:191-201-115-×-112-115
調整:
H:16n-1
HB:A182ウーラオスの鉢巻暗黒強打確定耐え
HD:C36振りまでのポリゴン2の+1冷凍ビーム確定耐え
S:準速バンギラス抜き抜き
クッション役としての性能を重視した為耐久にかなり厚く降った個体となっています。
技に関してはメインウェポンのじしん、ダイマした時の性能が跳ね上がるそらをとぶ、非ダイマ時に味方を巻き込まずにすぐ殴れる技であるいわなだれ、隣でドラパルトが暴れている間サイクルを回し威嚇をばら撒くことで終盤に有利な状況を作れる対面操作用のとんぼがえりで確定。
馬鹿力を入れる余裕はありませんでした。
ヒートロトム
性格:ひかえめ
努力値:236-0-4-204-4-60
実数値:155-×-128-166-128-114
調整:
C167ガラルファイヤーの珠ダイアーク耐え(80.6~95.4%)
C151レジエレキの眼鏡10万ほぼ2耐え(43.2~51.6%)
無振りレジエレキをオーバーヒートで確定(112.2~132.2%)
Hフシギバナをオーバーヒートで確定(109.0~128.3%)
Hコータスを悪巧み10万ボルトで確定(105.0~123.7%)
S準速バンギラス抜き
優秀なタイプにより先に挙げたドラパルトとコバルオンが苦手なポケモン相手にしっかり活躍してくれました。
ただ、炎技が命中不安のオーバーヒートであることがネックで、実際に外しが致命傷となり負けた試合が何戦かありました。
そのため、できるだけオーバーヒートを打ちたくないが炎技がそれしか無いので打つしかないジレンマに悩まされる、扱いの難しいポケモンでした。
エルフーン
性格:ひかえめ
努力値:252-0-20-108-100-28
実数値:167-×-108-122-108-140
調整:
C:H135-D96エルフーンがムーンフォースで確2
S:最速ウオノラゴン抜き
HBD:残りで耐久指数最大
相手の追い風に対して切り返しを狙うトリラ―です。
パーティの作成経緯で述べたように1番最後に入ってきて構築の穴を埋める役割を担っている為袋叩きや追い風は採用していません。
技構成についてトリル以外の3つはモロバレルに代表される眠り対策及び相手のエルフーンのトリル返しを防ぐためのちょうはつ、相手のレイスポスやイエッサン&ブリムオンに対抗するためのひかりのかべ、トリルを貼った後置物にならない為最低限の火力を出す目的でムーンフォースとなっています。
選出
基本選出
先発:ドラパルト+コバルオン
後発:ニンフィア、ランドロス、ヒートロトムの中から選択
ドラパルトとコバルオンを初手に出した上で、ドラパルトダイマからのコーチングビートかコバルオンダイマからの叩き始動かを決めます。
相手視点ではコバルオンダイマックスの方が本命に見えるらしいので、大方ドラパルトをダイマさせます。
ただし、ポリゴン2を初手に出された場合、+1ドラグーンではポリゴン2の処理が間に合わない為コバルオンをダイマックスが有力になります。
対トリパ
先発:ニンフィア+ランドロスorエルフーン
後発:ヒートロトム+仕事が出来そうなポケモン
PT全体で守るを採用しているポケモンが半分しかいない為、数値で受けてターンを枯らす立ち回りが必要になります。
イエッサン&ブリムオンのような特殊主体の相手にはニンフィアの欠伸を軸に、ツンデツンデがいる場合はランドロスで威嚇を回してデバフを軸に、ブリザポスがいる場合はヒートロトムで悪巧みを積み耐性で受けることになります。
対追い風軸
先発:エルフーン+ドラパルト
後発:ニンフィア、ヒートロトム、ランドロスから選択
初手はドラパルトでダイマせずに適当に殴りながらエルフーンでトリルを貼ります。
基本的にドラパが殴られ倒されるので(実質ドラパルトがこの指している)裏からニンフィアを出して場を荒らした後、ヒートロトムかランドロスでダイマックスを切ることになります。
注意点としては、耐久を重視したポケモンが多くトリルターン中に決めきることは難しくなっているので、トリルを貼ってすぐにダイマックスは切らず、温存した方が後々楽になることが多いです。
動画
喰い断さんにこの構築を使っていただいた動画がこちらになります!
1つ目はレジドラゴ入りへの動かし方など。
ドラパルトとコバルオンを初手に出す、基本パターン通りの動きとなっております。
2つ目は対トリパへの動かし方。
トリルターンの稼ぎ方が想定していた通りであり、試合の展開もわかりやすいです。
総括
珍しい技構成のポケモンが多く相手のプレミに依存する部分が多いパーティですが、シーズンの最後の2日は21勝5敗と圧倒的勝率で最終2桁順位をもたらしてくれました。
勝てる時はストレスなくドラパルトをぶん回して勝つことが多い為、使用していて非常に楽しい構築となっています。
ダイマックスというシステムを利用したこのような叩きパもあるのかと参考にしていただければ幸いです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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