ポケモンバトルはいつ始まるのか「目と目があったらポケモンバトル」を日英仏独4言語で比べてみた




目次

はじめに

画像は2017年6月6日公開の日本語版ポケモンダイレクトより(リンク切れ)

 こんにちは。カルフールと申します。

「目と目があったら、ポケモンバトルだ」はポケモンの世界では有名な格言ですが、そもそもどういう意味なのか疑問を覚えた読者も多いかと思います。

「目と目が合うことは、ポケモンバトルの開始の合図」という意味なのか、「目と目が合うことはポケモンバトルを意味する」ということなのか。等々。

2017年6月6日の「ポケモンダイレクト」で、ポッ拳トーナメントDXならびにウルトラサン・ウルトラムーンの発売、金銀のバーチャルコンソール版配信が発表されましたが、ちょうど「目と目があったらポケモンバトルだ」の文字がありました。

私は幸い日本語の他に英語、フランス語、ドイツ語(少々)の読み書きができるので、「せっかくだから」とこの4言語で比べてみることにしました。

また、後述するように、剣盾とSVでは基本的にどのタイミングで始まるかについての分かる情報が消えており、加えてSVではゲームの仕様が変わり目と目があったら即対戦とはなっておりません。

それらの変化についても簡単に触れたいと思います

本記事を執筆している時点では、まだ2025年の全国大会は開かれておらず、また7月22日に放送予定の「ポケモンダイレクト」の内容も明らかになっておりません。

そのため、10月発売のZAや、チャンピオンズ(発売日未定)がどのような内容になるか分かりませんが、もしかしたら対戦形式の変化により「目と目があったら、ポケモンバトルだ」の表現が変わっている可能性もあります。

簡単な記事ですが、本記事が比較のための材料となれば幸いです。

USUMのPV比較

英語 目と目があった後に始まる

When two sets of eyes meet, it’s time for a Pokemon battle!
二組の目が対面する時、ポケモンバトルをする時間だ。
(出典 https://www.youtube.com/watch?v=EMHLx8G1_G4

 例えば“It’s time for dinner”が「夕食の時間だ」(これから夕食をたべる)という意味になるので、そんな感じで「ポケモンバトルの時間だ」(これからポケモンバトルが始まる)と言っているのでしょう。

どうやら、目と目があった後にポケモンバトルが始まるようです

フランス語 目と目があう前に既に始まっている

Quand deux regards se croisent, le combat a déjà commencé !
二つの視線が交差するとき、すでにバトルは始まっている。
(出典 https://www.youtube.com/watch?v=C7yfg6hhdsc

フランス語ではポケモンバトルのことは«combat pokemon»といいますので、combatはこの場合は(ポケモン)バトルを意味します。

déjàは「既に」を意味する副詞です。フランス語を解さずとも、«déjà-vu»(デジャヴュ 既視感)という言葉を聞いたことがあるかたは多いとおもいます。

そして、この文章は前半が現在形に対して後半は複合過去になっておりますから、「既にバトルは始まっている」となります。

おそらく、「ひとたび目と目があってしまったら、後戻りできない」という意味を込めているのでしょう。 

つまり、フランス語では目と目が合う前に始まっているようです。なお、これはUSUMのPVだけでなく、XYの時点でも同じでした。

Quand le regard d’un Dresseur croise celui d’un autre… le combat a déjà commencé !
一人のトレーナーの視線が他のトレーナーの視線と交わる時…バトルは既に始まっている。

ドイツ語 目と目が合ったときに始まる

Wenn sich zwei Blicke treffen, steht ein Pokemon-Kampf an!
二つの視線が出会うとき、ポケモン勝負(Pokemon-Kampf)が始まる。
(出典 https://www.youtube.com/watch?v=YgGGwOey-uI

 stehenは「立つ」や「ある」を意味する動詞で、分離前綴りのanは接近や開始を意味するので、anstehenで「始まる」と理解できます。

つまり、「目と目があう」ことが契機となりポケモンバトルが始まるのでしょう

USUMまとめ

 目と目があう前に既に始まっているフランス語あった瞬間に始まるドイツ語あった後に始まる英語、そして言及がない日本語、と分けることが出来ます。

剣盾の比較

日本語・英語・ドイツ語 いつ始まるかの言及が消える

剣盾では「ポケモントレーナーってのは お互い目があったら勝負をするのが マナーだよ」となっており、始まるタイミングへの言及が消えてしまいました。

このため、後述するフランス語を除き、始まるタイミングについての言及がありません。

英語 It’s common manners for Pokemon Trainers to battle when their eyes meet.
ポケモントレーナーにとって目があった時に対戦するのは常識だ

ドイツ語 Wenn sich die Blicke von zwei Pokemon-Trainern treffen, gehört es sich einfach zu kämpfen!
二人のポケモントレーナーの視線が互いに交わった時は,とにかくバトルするのが常識だ!

基本的に日英独の間では意味に大きな違いがなく、ポケモンバトルがいつ始まるのかへの言及はありません

フランス語 目と目があった後に始まる

フランス語版剣盾では日本語や英語、ドイツ語とは異なり、フェンシングの用語 «en garde» (構え)を使った言い回しになっています。

Je te regarde, tu me regardes… Alors, en garde !
ぼくは君を見ている、君はぼくを見ている…さあ、構え!

なお、フェンシングだと、「構え」の段階では試合は始まらないらしいです。

つまり、剣盾では対戦が始まるタイミングが目と目があった後になっており、目と目があった時点で既に始まっているそれまでのフランス語版とは変化したことになります。

剣盾まとめ

言及なし 日本語・英語・ドイツ語

あった後にはじまる フランス語

フランス語では、目と目があう前(USUM)から目と目があった後(剣盾)に変わってしまいました。

SVの比較

そもそも目と目があっても対戦が始まらない

SVではNPCに対して目と目があっても対戦が始まらなくなり、声をかけた後で対戦が始まるようになりました

これまでの作品では、「目と目があったらポケモンバトル」ないし類似の発言をするNPCとの対戦は、基本的には避けることが出来ませんでした。作中でも必ず対戦しなければいけないNPCは数多くいます。

しかし、SVではそれまでの作品と異なる「オープンワールド」形式のためか、ジム戦など作中で必ず戦わなければいけないトレーナーの数が非常に少ないです。

そして、SVでは、ジム戦やどうしても戦わなければいけないごく少数の例外を除いて、まったくNPCと対戦せずにストーリー攻略をすることが可能になりました。

そのためか、序盤に出てくるトレーナーの台詞も変化しており、SVでは「ぼくたち ポケモントレーナーはね 声を かけたら ポケモンしょうぶ!」と発言します

こちらでも「どのタイミングで始まるか」は発言からは分からなくなってしまいました。

英語・フランス語 挨拶の後に始まる

英語とフランス語では一応、話しかけた後にバトルが始まるという前後関係が分かるような台詞になっています

とくにフランス語では「勝負する前に挨拶」となっております。

英語 If you talk to a Pokemon Trainer like me, it means we’re gonna battle!
ぼくみたいなポケモントレーナーに話しかけたら、それってぼくらはバトルをするという意味だよ

フランス語 Quand on est Dresseurs, on se salue avant de se défier en duel !
トレーナーなら、試合で勝負する前にあいさつするんだよ!

ドイツ語 挨拶した時に始まる

ドイツ語版はUSUMのPV版の台詞が部分的に復活し、挨拶したときに勝負が始まるという意味に戻っていました

ドイツ語 Wenn wir Pokemon-Trainer uns gegenseitig ansprechen, steht ein Kampf an!
もしぼくたちポケモントレーナーが互いに話しかけたなら、バトルが始まるよ。

SVまとめ

 おおまかに言えば、

  • 前後関係が不明な日本語
  • 話しかけた後に始まる英語とフランス語(英語はUSUMに戻る)
  • 話しかけたときに始まるドイツ語(USUMに戻る)

となります。「目と目があったらポケモンバトル」ではなくなったものの、「目と目があうこと」を「挨拶」と同じようなものと見た場合、英語とドイツ語はUSUMの時の前後関係に戻っていることが分かります。

一方、かつてのフランス語版は、目と目があう前に既にポケモンバトルが始まっていたのに、SVの時代では挨拶の後に始まるように変化してしまいました。

参考それ以外の言語(画像のみ掲載)

残念ながら私はスペイン語、イタリア語、オランダ語については読み書きができません。

一応機械翻訳を使用すればおおよその意味はつかめますが、その翻訳が果たして正しいのか、私には判断する能力がありません。そのため、スクリーンショットを貼り付けるだけとします。

また、韓国語版については韓国語版公式Youtubeチャンネルから削除されてしまったらしく、閲覧することができませんでした。

中国語繁体字版(台湾)については、USUM発売後にチャンネルが作成されたため、中国語版PVが存在したかどうか確認することができませんでした。

スペイン語

Cuando se cruzan las miradas de dos Entrenadores, ¡comienza el combate!
(出典  https://www.youtube.com/watch?v=i7GUrCg8e3c

イタリア語

Quando gli sguardi si incrociano, parte la sfida!
(出典 https://www.youtube.com/watch?v=GByS-5rF1Ao&t=223s

オランダ語

Als twee trainers  elkaar aankijinen, gegint er een Pokemon-gevecht!
(出典  https://www.youtube.com/watch?v=B9vXiXYkYlM&t=223s
オランダ語はゲームでは選択することができませんが、Youtubeチャンネルが開設されております。

おわりに

少なくともUSUMのPVでは、

  • 目と目があった時には既に始まっている(目と目があう前に始まっている)フランス語
  • 目と目があった瞬間に始まるドイツ語
  • 目と目があった後に始まる英語
  • 言及がない日本語

という風になっておりました。

ところが剣盾では

  • 言及が無い日本語、英語、ドイツ語
  • 目と目があった後に始まるフランス語

とフランス語では始まるタイミングに変化が起きる一方で、他の言語では言及がなくなってしまいました。
 そして、SVではそもそもの話として「目と目があったらポケモンバトル」が強制ではなく、自分から話しかけないと対戦が始まらない仕様になってしまいました。「いつはじまるか言及がない日本語」の変化は無いものの、

  • 挨拶の瞬間に始まるドイツ語
  • 挨拶後に始まる英語、フランス語
  • 言及がない日本語

と、USUM時代に戻ったと思いきや、フランス語だけは剣盾の時と変わらず、USUMの時とは異なる前後関係が継続してしまいました。

このように、言語毎の違いもあれば、世代ごとの違いもあることが分かります

今回は日英仏独4言語のみとなり、他の言語については一切言及できておりません。

また、USUM、剣盾、SV以外の作品についても事例を調べることが出来ませんでした。

過去の記事でも述べましたように、サブロムを違う言語にすることで対戦や育成、孵化厳選の面で多くの利点がありますし、Switchにハードが移ってからは周回用データを簡単に作れるようになりました。

7世代以前よりも気軽に他言語版で遊べる環境は整っておりますので、読者の中に興味がある方がいれば、ぜひ他の言語での比較や、私が紹介していない作品についても調べていただけましたら幸いです




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この記事を書いた人

名前はカルフール。実績はまだない。一応日英仏三言語を理解するらしい。第7世代GS未経験にも関わらずGS仲間大会を主催してなぜか150人近くの参加者を集めてしまった。

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