はじめに
こんにちは。カルフールと申します。
皆さまもご存じかとは思いますが、ニックネームをつけていないポケモン(以下、「種族名」のポケモン)を進化させると、進化後のポケモンの種族名に表示が変化します(例「ピカチュウ」が進化すると「ライチュウ」になる)。
ただし、違う言語のポケモンを連れてきて、タマゴを孵化したり、進化した時の場合、名前がどの言語で表示されるかは実はゲームの世代により異なります。その他にも、タマゴを通信交換で受け取ったときや、ふしぎなおくりもので配信ポケモンを受け取った時の種族名の表示仕様も異なっております。
とくに、DSおよび3DS作品(DPからUSUMまで)とSwitch作品(ピカブイ、剣盾以降)とでは仕様が大幅に異なり、この仕様変更を知らない場合、正規のポケモンであっても改造と勘違いする人も出かねません。私の周囲で過去に、仕様変更を知らない人が改造と勘違いして騒ぎになったことがあります。
この記事は、第4世代から第9世代にかけて、
- 違う言語のポケモンを連れてきて進化した時、
- 違う言語のソフトからタマゴを通信交換して孵化したとき
- 違う言語のポケモンを「ふしぎなおくりもの」で受け取った時
以上の3つの事例について紹介したいと思います。
言うまでもありませんが、本記事で紹介するポケモンは全て正規の方法で入手可能なポケモンです。
なお、この記事ではとくに断りが無い限り、外国語表記のポケモンは全てフランス語産のポケモンです。
違う言語のポケモンを進化させる
フランス語版ソフトで捕まえたポケモンを、日本語版ソフトに連れてきて進化させた場合はこのようになります。
DS/3DSは進化させたソフトの言語に依存
第4世代から第7世代までは、違う言語のポケモンを進化させると、種族名が進化したソフトの言語に変化します。
たとえば、画像のVivaldaim(仏語メブキジカ)を進化させると、名前は「メブキジカ」に変化します。ただし、言語設定はフランス語のままで変わりません。
そのため、親名が日本語なのに、ポケモンの名前が欧州言語のものになっているポケモンが仕様上出来上がってしまいます。
言語設定はフランス語(FRA[Français])だが、種族名は日本語のメブキジカ
Switch作品はポケモンの言語情報に依存
一方、8世代以降では、ソフトの言語に関係なく、ポケモン毎の言語情報にしたがって種族名が変化します。そのため、フランス語のシキジカVivaldaimを日本語ソフトで進化させるとフランス語表記のHaydaimになります。
フィールド上では種族名が表示されていますが、ポケモンの情報を見るときちんとフランス語の名前が表示されています。
Vivaldaim(ヴィヴァルダン)
Vivaldi(アントニオ・ヴィヴァルディ)+daim(ダマジカ)
恐らくヴィヴァルディが協奏曲「四季」を作曲したため
Haydaim(アイダン)
Haydn(フランツ・ヨーゼフ・ハイドン)+daim(ダマジカ)
恐らくハイドンがオラトリオ「四季」を作曲したため
PokemonHomeに連れてくると…
USUMで進化させたメブキジカを、PokemonHomeを経由してSwitch作品に連れてくると、Switch作品の仕様に併せて種族名が変化し、設定言語の表記になります。
USUMで進化させた時は種族名は日本語の「メブキジカ」であったが、一旦PokemonHomeに連れてくると表記がフランス語に変わる。
違う言語のソフトからタマゴを通信交換で受け取る
フランス語のソフトで育てやから受け取ったり、ピクニック中にみつかったタマゴを、日本語版ソフトで孵化した場合はこのようになります。
DS/3DS作品は元の言語の情報が残る
Œufはフランス語でタマゴのことです。
第四世代から第七世代では、最初にタマゴを入手したソフトの言語に依存します。そのため、種族名や親名は日本語ですが、言語設定はフランス語扱いのポケモンになります。
通信交換で違う言語のソフトから連れてくるとこのようなことがおきるので注意しましょう。
Switch作品は孵化させたソフトの言語に依存
一方8世代と9世代では、孵化させたソフトの言語に依存します。そのため、どの言語でタマゴを受け取ったかは一切関係なく、過去作とは異なり言語の情報が消えてしまいます。
フランス語版で受け取ったモグリューのタマゴを日本語版で孵化すると、フランス語の情報は消えて日本語のみとなります。
PokemonHomeに連れてくると…
先ほどのコフキムシのように、親の言語と設定言語が異なるポケモンをPokmon Homeに連れてくると、そのポケモンの言語に合わせた種族名表記に変わります。
フランス語版で受け取り、日本語版で孵化(DS/3DS)
フランス語版でタマゴを受け取る
2024年7月14日に受け取ったタマゴ
通信交換でŒuf(タマゴ)を日本語版に送ります。
フランス語版でタマゴを受け取り、日本語版で孵化したキリンリキ。親名も種族名も日本語だが、言語設定はフランス語扱いになる。
こちらのキリンリキはフランス語扱いだが、親は自分なのでニックネームをつけることができる。
PokemonHomeに連れてくると…
PokemonHomeにつれてくると、言語設定がフランス語であるため、種族名がフランス語のGirafarig(英語と同じ名前)に変化します。
また、TNの文字が通常の日本語版のポケモンよりも小さく(半角に?)なっていることがわかります。
また、ニックネームをつけたキリンリキは、ニックネームの文字が小さくなっています。
なお、Switch作品より、自分が親でないポケモンであっても、ポケモンの言語とソフトの言語が一緒であれば、一度に限りニックネームをつけることができます。そのため、このように、TNが日本語(ひらがなやカタカナ)であっても、フランス語版の文字(最大12文字)までのニックネームをつけられます。
【応用編】三言語のポケモン?
もし仮に、7世代以前で、タマゴを受け取った言語と、タマゴを孵化した言語と、そのポケモンを進化させた言語が異なる場合はどうなるでしょうか。
画像のドータクンは、
- フランス語でドーミラーのタマゴを受け取り
- 韓国語で孵化
- 日本語で進化
という流れで育成したものです。
そのため、設定言語がフランス語ですが、親名は韓国語、種族名は日本語になっています。오엽 (Oyeop)ゴヨウの韓国語名です。
進化前の画像。フランス語版で受けとり、韓国語版で孵化したため親名は韓国語だが設定言語はフランス語になっている。
ふしぎなおくりもの
ふしぎなおくりもので受け取るポケモンは、親名が固定されていて、どの言語で受け取っても親名の表記が変わらないポケモン(例 ポケモンセンターの誕生日配信ポケモン)と、受け取った言語により親名の表記が変わるポケモン(剣盾時代に配信された、色違いザシアン・ザマゼンタ・ムゲンダイナ、7世代で配信されたLegends2018)がいますが、この内、親名の表記が変わらないポケモンの事例を紹介します。
なお、DS作品(第4、第5世代)は、ポケモンの言語と受信するソフトの言語が同一である必要があったため、これから述べる問題は生じませんでしたので割愛します。
DS作品は受け取ったソフトの言語に依存
3DS作品で、親名が固定されているポケモンを受け取った場合は、受け取ったソフトの言語に依存します。そのため、親名が日本語のポケモンをフランス語版で受け取った場合は、親名の表記は日本語ですが、設定言語がフランス語になります。
第6、第7世代では、種族名を日本語以外の表記にしたいがために、わざと違う言語のソフトで配信ポケモンを受け取る人もいました。
三言語の配信ポケモン?
ポケモンセンター(日本)で配信されていた誕生日イーブイ(とくべつな技「おいわい Célébration」を、中国語繁体字版ソフトで受け取り、フランス語版でブラッキーに進化させると、親は「ポケセン♪」で日本語、設定言語は中国語繁体字(CHT, Chinois traditionnel)で種族名はNoctali(ノクタリ)でフランス語になります。
Switch作品は親の言語に依存
ピカブイと剣盾以降の作品では、親名の表記が固定されているポケモンは、どの言語で受け取っても元の言語情報が維持されるようになりました。
例としては2022年世界チャンピオンのEduard選手のトリトドンです。3DS作品であれば、受け取った言語によりポケモンの言語が異なりますが、このトリトドンは全て「英語」で固定となっています。
Pokemon Homeに連れてくると…
理由は不明ですが、親名日本語で他言語で受け取った配信ポケモンを連れていくと、親名が全角ではなく半角になってしまいます。
こちらは7世代の映画で配信された親「ソウジ」のルカリオ。一方はフランス語で受け取ったためフランス語表記になっている。
しかし、よく見ると先ほどのキリンリキの時と同じように、フランス語版は親名が半角になっています。
このネクロズマも7世代の配信ポケモン(親「ひみつ」で、フランス語版で受け取り)ですが、「ひみつ」の文字が半角になってしまっています。
このようなポケモンは正規の方法で入手可能な個体ですので、ご注意ください。
【例外】バグ?
Switch作品(特にBDSP)に関しては一部バグなのか、よくわからない挙動になっている配信ポケモンがあります。
ピッピ(剣盾/BDSP/PLA)
Asia Player’s Cupチャンピオンのピッピは設定言語英語ですが、受け取った言語毎に種族名が変化してしまいます。
ANGはAnglais(英語)のことです。上から、英語Clefairy、フランス語 Melofee、中国語 皮皮、韓国語??で受け取ったピッピの種族名が、それぞれ受け取ったソフトの言語の種族名に変化しています。また、韓国語版だけ文字化けが起きています。
さらに、通常のピッピと比べると、種族名が半角になっているのか文字が小さくなっています。
なお、ピッピについてはBDSP/PLAでもバグがあるようで、日本語の「おつきみ22」の配信ピッピが言語固定にならずに、受け取った言語毎に種族名が変化してしまっています。
ポッチャマ(BDSP/LA)
プロジェクトポッチャマの配信ポッチャマは、親名は「プロポチャ」で固定ですが、受信した言語により設定言語が異なり、6.7世代の仕様が部分的に復活しているようです。
誕生日フラベベ/カルボウ/パモ(SV)
ポケモンセンター(現実世界の店舗)に誕生日の月にいくと、とくべつなわざ「おいわい」を覚えたポケモンをふしぎなおくりもので受け取ることが出来ます。
第6,7世代は親名は日本語に固定で、設定言語は受信したソフトに依存していました。SVの誕生日配信ポケモンは、日本語、英語、中国語繁体字で受け取った場合、親名がそれぞれ「ポケセン」「PokeCenter」「寶可夢中心」になり、言語も「日本語」「英語」「中国語」になります。
ただし、この3言語以外で受け取った場合は、言語設定は日本語のままで種族名の表記が受け取った言語になります。しかし、他のソフトに通信交換で連れて行くと日本語に戻ってしまいます。
まとめ
以上述べましたように違う言語のポケモンを孵化したり、進化させたときの種族名の変化はDS/3DS作品とSwitch作品とで異なりますが、下記のようなことが起こります。
- 種族名の変化は3DS以前進化させたソフトに依存していたが、Switch作品ではポケモン毎の言語に基づくようになった。
- タマゴを通信交換で受け取った時、3DS以前は元の言語情報が残るが、Switch作品では残らない
- 親名が固定されている配信ポケモンの言語設定は、3DS作品は受信したソフトの言語に依存し、Switch作品では言語が固定となる
- TN日本語だが設定言語が日本語以外の場合だと、日本語の文字が半角(?)になる
- PokemonHomeにつれてきたポケモンは、Switchでの仕様に合わせて種族名が変化する
今回は、言語間でのタマゴ孵化や進化の仕様を紹介しました。
上記で説明した手順に従えば簡単に再現可能です。もし3DS以前の作品を複数言語でプレイしている方がいらっしゃいましたら、是非やってみてください。
重ねて申し上げますように、この記事で紹介したポケモンは全て正規の方法で入手可能なものになります。
もし今後皆様が過去作の中古ソフトを買ったり、過去作のポケモンを最新世代で交換で貰った時などに、改造だと勘違いせずトラブルなど起きないよう注意して頂けますと幸いです。
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