【ポケモン剣盾】初心者がポケモンを極めるための「役割論理」解説




剣盾に向けて改訂中!

皆さんは「役割論理」という対戦技法をご存知ですか?

知らないという方もいれば「勿論知ってますぞwww」という方もいると思います。

この対戦理論の愛用者は「論者」と呼ばれ特徴的な語尾と口調を使用するため、多くの場合ネタとされがちですが、「対戦理論」としてみた場合の完成度は非常に高く、「役割理論」と同じくポケモン対戦に置いて重要なあたりまえの概念を説明しているにすぎません。

役割論理とは交換戦の中でダメージレースを最大限に重視し、絶対的な火力をもってサイクルを崩壊させることで勝利を目指す対戦技法のことを言います。

ネタだけでは測ることのできる無い役割論理、その概念とは一体何なのか知ってみませんか?

新しい考え方がそこには待っているかもしれません。

目次

前提として

他のルールにも応用はできますが、基本的に「シングルバトル6→3」が想定されています。

この記事を読み解くためには最低限「3値(種族値・個体値・努力値)」を理解している必要があります。

また、ポケモンの「タイプ相性」及び「わざ」「アイテム」の効果をある程度覚えている必要があります。

また、「役割理論」を最低限理解している必要があります。

役割論理とは何か

交換戦を前提としたポケモンバトルにおいて勝利を目指すための構築技法です。

この技法は役割理論の考え方を基本とし、その考え方を打ち破るために編み出されました。

役割論理とは役割理論の考え方の下記の6項目を加えたものであると言えます。

  1. 火力と耐久を両立したポケモンでのみ構成する
  2. 補助技は使用せず攻撃技のみで戦う
  3. 攻撃技の威力は基本的に最も高いものを採用する
  4. 素早さに努力値を割かない
  5. 火力強化以外のアイテムを認めない
  6. 単タイプのポケモンは基本的に採用しない

パッと見意味が分からないと思わる方も多いかもしれません。しかし、それにはちゃんとした理由があるのです。

役割論理の考え方

役割論理で最も特徴的であるのは「素早さに努力値を割かない」ことです。

役割論理が完全なネタ扱いされる理由としてよくこれがあげられますが、この行動には明確な理由があります。

まずこれは素早さは全く必要がないという意味ではありません、あくまでも素早さに努力値を一切入れないというだけで素早さを意図的に落とすという意味ではないので注意してください。

役割理論は交換戦を前提として自身のパーティのポケモンそれぞれに対策という役割を与える構築技法であり、対戦相手もそれに乗ってくるものとして考えています。

(乗ってこない場合、対戦相手はこちらのポケモンに役割を持てるポケモンがいなくなるため敗北するものとされる)

つまりこれは基本的に自分が有利な場面では相手は必ず交換を選択し相手が有利場面では自分は必ず交換を選択するということです。

さて、このような考え方の中で「素早さ」とは必要でしょうか?

素早さが生きるのは自分と相手が同時に行動した時

どちらかが交換し続けている限り、素早さというステータスは一切の意味を持ちません

思考の基本部分に交換戦を前提に置いた役割論理では非常に合理的な理由で、素早さに一切強化をしないという選択をしています。

素早さに努力値を一切いれないが、素早さを意図的に落とすという行為を行わないのはこれが大きな理由です。

あくまでも素早さの強化は不要というだけであり、素早さのステータスそのものは高いにこしたことはありません。

役割論理に沿って二刀流のポケモンを勇敢や冷静という性格で採用することはあります。

これは耐久と火力の兼ね合いの結果、もっとも必要性の薄い素早さを落とすことが選択されたということ。

しかし素早さを落とすことによるメリットが存在しないため個体値0ではなく個体値31が選択されます。

では素早さが交換戦を前提とする場合には必要ないことがわかりましたが、逆に必要なものとは何でしょうか?

答えは単純。自分の「交換を長く続けるための耐久」と、「相手の交換を迅速に不可能にする火力」です。

この2つを最大限に実現するために他の様々な考え方が役割理論に追加されることになりました。

  • 補助技は相手ポケモンが交換した場合に殆どダメージを与えることができません。
  • 威力の低い攻撃技でも相手を迅速に倒すことができません。
  • 火力強化以外のアイテムを持っていなければ相手へのダメ―ジが減ります。
  • 単タイプのポケモンは半減できるタイプが限られるため交換を続けにくい。
  • 火力と耐久を両立していなければこの条件はそもそも満たせない。

と、いうように一見遊びのようにしか見えない理由ですらも詳しく見てみると極めて交換戦という前提にそって合理的に考えられていることが分かります。

役割論理の疑問

役割論理が交換戦に置いて合理的に考えられていることは分かった。

だが「オボンのみ」や「とつげきチョッキ」と言ったもちものは自分のポケモンの耐久を伸ばすことで交換が長く続けられるのではないか?

攻撃を耐えた結果として攻撃回数が増えることで与えることのできるダメージを増えるのではないか?

おそらく、このように考えている人も多いかと思います。

とても良い発想だと思いますが、これは役割論理でも同じように考えられ最終的には否定された歴史が存在します。

この考え方の基本と言える「オボンのみ」や「とつげきチョッキ」を持たせることで耐久を伸ばせば交換戦に長く参加できる。

これは事実です。

しかし、これらのアイテムが否定されたことについて明確な理由が存在します。

その明確な理由と聞いて多くの人は

発動しなければ持ち物無しと同じである

「とつげきチョッキ」は物理攻撃を受ければ無意味で、「オボンのみ」も急所などで発動せずに倒されてしまいます。

それと比較した場合火力強化アイテムは必ず発動するので信頼性が勝る。

という理由を想定したかと思います。

正解です。これも理由の一つ、しかし決定打ではありません。

役割論理に置ける耐久アイテムがありえない最大の理由は「火力を下げて耐久を上昇させるデメリットを受けるポケモンが別に存在するから」です。

例を踏まえて考えてみましょう。

ある1匹のポケモンに耐久アイテムを持たせたとします。

するとこのポケモンは耐久アイテムで多くの回数を繰り出すことができ、ダメージをより多く与えることができます。

しかし、火力アイテムを持たなくなったことにより、繰り出されるポケモンに与えることができるダメージが減ってしまいます

そしてこの繰り出されるポケモンに対するダメージが減ったことによるデメリットを誰が受けるかといえば……耐久アイテムを持たせたポケモンの後から出てくるポケモンが被害を被ってしまうのです。

さらに言えば元々他のポケモンが2回しか繰り出せなかったとして、自分は3回繰り出せるという風になったとしても他のポケモンが2回しか繰り出せない以上、サイクル戦を継続できる回数は変わりません

自分だけ耐えてることができたとしてもそれは交換戦に置いて大きな意味を持ちません。

それどころかあるポケモンが2度の攻撃で倒していたポケモンが3度の攻撃でしか倒せなくなると、こうなれば後発のポケモンは耐久を上昇するアイテムなどは持っていないのにも関わらず単純に耐える必要のある回数が1度増えてしまいます。

すると、今まで倒せていたはずのポケモンが倒せなくなるという事態が発生し、耐久を上げてダメージを多く与えるはずがパーティ全体では耐久と火力の両方が下がってしまうという事態が発生するのです。

つまり役割論理に耐久強化アイテムという存在は致命的にかみ合っていないということです。

(一部の例外となりえる可能性は存在します)

役割論理は強いのか?

ここまで書くとすべてに理由があり、非常に優れた対戦理論に思えます。

事実、対戦理論としては非常に優れており一概にネタと断じることはできない学ぶべきことの多い考え方であることは間違いありません。

前項を読んだ方の中には目から鱗という人もいることでしょう。

しかし強いのか?という問いには残念ながら「弱い」と断じるしか現時点ではできません

ここまで持ち上げておいて……と思われるかと思いますが、現環境では既に大元の役割理論からして限界を指摘されています

理由はポケモンの数が増えたことによる受けの成立しにくいインフレ環境。

ポケモンの火力が上がることは役割論理にとっても悪くないように思えます。

しかし、役割論理という考え方の大元は交換戦。

肝心要の交換による受けが成立せず、交換戦が成立しにくい環境では打ち合いという交換をしない局面が増加します。

すると素早さの比較をする機会が劇的に増えてしまうのです。

そうなれば役割論理の素早さを放棄したサイクル戦でのダメージレース勝利に特化する考え方は破綻に近い状態に陥ってしまい、素早さで優る相手に上から攻撃をされ続け計算通りの戦いができなくなってしまいます。

同じく役割理論を原型とし火力ではなく耐久に特化した受けループが生存できているのは、徹底した耐久の特化によりインフレへの対応策を手にしたためといえます。

彼らは相手のパーティを成功法で倒すことができないが、自分のパーティも倒されないという状況を作り出します。

そして一撃技のような火力に関係なく倒す手段。

あるいは判定勝ちという手段にによって生き残っていますが、役割論理は残念ながらそのような手段を見つけることができず環境の変化に対応できませんでした。

役割論理への雑感

よく「素早さに振らないから」や「補助技を使わないから」役割論理はネタだと言われることがあります。

しかし私はそういった要素は理由の根源ではないと考えます。

「素早さに振らないことで急所率があがる」「補助技を使わないから状態異常率が上がる」これは事実だと思います。

しかし役割論理は絶対的な火力で持って相手を迅速に倒すことで急所や状態異常を引く前に倒すことが可能な対戦理論。

急所をものともしない耐久力や状態異常を封殺するギミックを受けループが搭載しています。

それと同じように役割論理にとって素早さと補助技を放棄した火力による圧倒とは、それそのものが一つのギミックであるのです。

対戦を始めて間もない人、今まで論理が100%ネタだと思っていた人。

一度役割論理の考え方を参考にしてみてはいかがでしょうか?得るものは必ずあると思います。




よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ここでは黒と名乗っていたようだが中の人は喰い断⑨。
WCS2017日本大会でベスト4となり対戦理論の紹介に説得力が増したらしい。
最も本人は自分のプレイングを一切信用していないため運要素を最重要視したゲームメイクを好む。

色々あった結果喰い断の名を明らかにした。


youtubeのチャンネルはこっちらからどうぞ

コメント

コメント一覧 (1件)

  • 「素早さに振らない」から、役割論理をネタパだと考えている者で、筆者さんの5世代からのファンです。疑問があったので、質問させていただきたくコメントをしています。

    サイクルをしている限りにおいて素早さが比較がされないという考え自体に欺瞞があると思います。それは役割破壊の受けやすさ、及び受けだし可能回数の変化です。
    前者はいたって単純で受けだした際に相手の素早さが自分を上回っている場合に容易に技の切り替えから役割破壊をされサイクルが崩壊してしまう可能性が高くなります。また、ユキノオーの草技読みでのボーマンダ投げ等のピンポイント受けだしもS関係が不安定だと不可能です。つまり、強固に役割を持つにはSでも勝っていることが望ましいと考えられます。

    後者に関しては耐久振りとS振りで受けだし可能回数が変化しない場合についてです。サイクルの最後に上から2回叩かれることでポケモンが倒れるか、交代際の一撃でポケモンが倒れてサイクルが崩壊するかで後出しに必要なHP割合が変わります。Sで勝っている場合は1回攻撃が受けられればができれば十分なのに対して負けている場合は2耐え分の耐久を残さなければなりません。Sに振っても振らなくてもサイクル崩壊までに受けだせるサイクル数が変化しないならばSに振ったほうがいいのは当然のことです。

    これら2点からきちんと役割を持たせて遂行させることが難しく、実のところ受けだし可能数でも差があまりついていないため役割論理パーティでは通常のSだと誤認させることでの勝利や無理な交換読みでの勝利での割合が大きくなり、パーティ自体でのパワーはサイクルベースのパーティの中でも非常に低いものになると思っています。

    常々ポケモン初心者に対戦を教えるには役割論理がいいという言葉に対して疑問を抱いていたので、筆者さんが上記2点についてどのように考えているかお聞きしたいです。
    あまり頭の中で整理できていないかつ乱文で理解が難しいかもしれませんがよろしくお願いします。

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

目次