はじめに
はじめまして、飛虎飛虎♪(ひこひこ)と申します。
APPDATEに掲載されている記事を読んでダブルに興味を持ち、自分で初めて組んだダブルのパーティーがまともに勝ち越せたので、感謝の意味も込めまして寄稿させていただくことになりました。
レギュレーションは全国ダブルで、最高レートは1697でした。
ダブルバトルを始めるにあたって
私は今までシングルバトルをメインにやってきました。
なのでダブルバトルを始めるにあたって、構築記事を読んでどんな戦術や構築がメジャーなのかを整理することから始めました。
その結果、シングルと大きく違うと思ったのは
- 追い風、天候、トリックルームによるS操作が多い
- 範囲技と威力減衰(範囲技の威力が75%になる)
- 猫騙し、守るの有用性
- 先制技を持ってるポケモンの少なさ(サイコフィールド及びS操作が重要なため)
- 2匹で集中攻撃することでシングルでは突破が厳しかったポケモンも1ターンで倒しうる
という部分。
構築で多くて強そうだなと思ったのは
- エルテラ
- テテフグロス
- 雨パ&晴れパ
- トリパ
こういった構築に後手を取って対応するのはとてもじゃないが難しいと思い、まずはシンプルに、上から高火力を押しつけ、相手のギミックやサポートが成立する前に崩す方向を考えました。
天候パは相手に天候を変えられると厳しく、トリパはパーティ単位でトリルに寄せる必要があるため成立しなかった場合が怖いです。
よって、バンギラスで雨パを牽制しつつ、比較的取り回しやすそうな追い風を主軸とすることにしました。
また初めてのダブルということもあり、プレミや選出ミスが多発するだろうと思われました。
なので、バトルビデオを毎回記録し数戦ごとに見返して、立ち回りの見直しや相手の選出の傾向を掴みつつ対戦に臨みました。
こういった環境考察・方法論については、以下の記事についてもご参考にしてください
【全国ダブル 雨クチート/初心者講座】ダブル初心者でも出来た!二週間でレート1800に乗った必勝法 はじめに ほとんどの方ははじめまして。全国ダブルの方は対戦ありがとうございました、たぶんねです。 聞いたこともない奴がなぜ、ここに記事を書いているのか、まず簡...また、エルテラについては、タグ検索:エルテラより様々な記事をご覧いただけます。
構築の経緯
追い風展開するので速いポケモン中心で戦いたい
↓
第五世代から(シングルで)愛用していたクロバット+バンギラスの組み合わせが使いたい
↓
クロバットは追い風でS操作&前歯で削りでサポート、バンギラスはサポートを活かして積みエースとして使うことに
↓
クロバットがサポートをする上で弊害になるカプ・コケコを上からワンパンするために、スカーフ物理ゲッコウガ
↓
追い風エースとしてエスパーZカプ・テテフ
↓
水タイプへの耐性があまりにもないので受け出しのできる駒としてカプ・レヒレ
↓
特性:ちくでんによってレヒレと相性のいい霊獣ボルトロス
↓
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PT紹介
個別解説
クロバット
持ち物:こうかくレンズ
特性:せいしんりょく
性格:おくびょう
努力値:H244 D12 S252
実数値:191-x-100-90-102-200
技:おいかぜ/さいみんじゅつ/いかりのまえば/ねっぷう
調整:最速。H16-1。B<D
相棒枠1。S操作役として採用。
真面目な採用理由を後付けすると、猫騙しでサポートを阻害されない高速追い風要員であり、怒りの前歯で削ることでエースたちが耐久ポケモンをワンパンできるようになる。
Hに振ることで不一致抜群ではなかなか倒れないようになるため、大抵の場合2回以上の行動が可能。
熱風はタスキ持ちや狩り残しのケア、カミツルギの処理が両立できる範囲打点として採用。
催眠術の枠はエアスラッシュと迷ったが、怯み確率より眠らせる確率が2倍以上もあるので催眠術。
持ち物は(催眠術はともかく)前歯、熱風の外れは致命傷になりかねないため広角レンズ。
ほぼ外れない技として安心して運用できたので正解だったと思う。
選出率はかなり高め。
追い風は相手と同時に打たないと素早さ負けするターンが発生してしまうので、追い風されそうなタイミングで使うよう意識した。
そのため追い風要員が控えてそうだったりすると前歯か催眠術をいきなり打つことも多かったように思う。
バンギラス
持ち物:バンギラスナイト
特性:すなおこし→すなおこし
性格:いじっぱり
努力値:A252 D4 S252
実数値:175-204-130-x-121-113
メガ後実数値:175-237-170-x-141-123
技:りゅうのまい/いわなだれ/かみくだく/れいとうパンチ
調整:ASぶっぱ
相棒枠2。耐性上クロバットとの交換が相互に安定しやすい。
解説する必要のない高火力高耐久の物理エース。
技は積み技として竜の舞。タイプ一致の岩雪崩、噛み砕く。ほぼほぼランドロスピンポイトの冷凍パンチ。
耐久に振らないバンギが思ったより柔らかかったが、それでも一発で落ちるのは稀なことと、周りにエースがゴロゴロいるせいか集中されることはあまりなかったことから、多くの場面で竜の舞を積むことができた。
ただしこちらだけ追い風を展開してるときは舞わずに殴りに行く。
相手にメガメタグロスがいるときは舞うか追い風がないとパーティが壊滅するので注意。(一応アイへは耐えるけど、素の噛み砕く一発では倒せない)
ゲッコウガ
持ち物:こだわりスカーフ
特性:へんげんじざい
性格:せっかち
努力値:A172 C84 S252
実数値:147-137-78-134-91-191(スカーフで286)
技:ダストシュート/いわなだれ/けたぐり/れいとうビーム
調整:最速。H4アーゴヨンをれいとうビームで確1。残りA。
先発で出して一匹を強引に持っていく忍者。
火力を伸ばしたかったがすぐ下にアーゴヨンがいるため最速。スカーフを持っているためビーストブーストが発動してしまったアーゴヨンの上も取れる。
すいすいルンパやラグも抜いているため、こちらを抜いてくる相手がスカーフコケコくらいしかおらず、かなり動かしやすかった。
コケコもテテフもルンパもダストで確1なのでいきなり相手のエースを倒せる。ずるい。
けたぐりはツンデツンデやバンギラスへ。通りが悪いのであまり撃たない。
やることに迷ったら岩雪崩をしていれば結構どうにかなったりする。
バンギラスと並んで岩雪崩してると相手は怯むわ、砂によって特防がほんのり固くなって色々耐えるわでだいぶ楽しい。
あまりにも速いためクロバットを抜いてしまい、怒りの前歯と合わせられないことが惜しいところ。
カプ・テテフ
持ち物:ゴーストZ
特性:サイコメイカー
性格:ひかえめ
努力値:C252 D4 S252
実数値:145-x-95-200-136-147
技:まもる/シャドーボール/サイコキネシス/ムーンフォース
調整:CSぶっぱ
追い風下エース。
大事に扱いたいので守る、一致打点としてサイキネとムンフォで3枠が確定。
当初はエスパーZ、サイコショックで採用していたが、サイコショックを全く使わなかったことと、対メガグロス、ギルガルドがどうしようもなさすぎたため、ゴーストZ、シャドボへと変更。
シャドボZでHorD4メガグロスは確1、H252ギルガルドは超低乱数1(6.3%)。
基本は追い風下での運用となるが、猫騙しを防ぐために先発に出ていったりもする。
ゴーストタイプのトリラーをZで一撃で粉砕できるのでトリル対策ができてる気分にしてくれた。
ただしクレセリアは耐久無振りでも落とせず、クロバットの前歯などを合わせなければならないので注意。
カプ・レヒレ
持ち物:イアのみ
特性:ミストメイカー
性格:ひかえめ
努力値:H76 C236 S196
実数値:155-x-135-159-150-130
技:まもる/めいそう/ハイドロポンプ/ムーンフォース
調整:HB方面メガマンダの捨て身確定耐え
HD方面テテフのPFなしサイキネZ最高乱数以外耐え
臆病C252霊獣ボルトの10万75%で耐え
S追い風下で一舞準速メガマンダ抜き
残りC
当初は受け出しつつ火力を確保するためHCベースで運用していたが、せっかく追い風するなら上から制圧するほうに寄せてしまえということでSを上げてみた。
メガマンダの捨て身を耐えるので等倍はまず耐える程度の耐久はある。
準速メガラグより速いので対面では打ち負けない。
技は大事に扱いたいので守る。
範囲打点よりも追い風下での突破力を求めてハイドロポンプとムーンフォース。
余裕があるときに耐久と火力を補強できる瞑想。
持ち物は素の耐久の高さを信用してイアのみ。
耐性と技範囲が優秀な分、選出したときは安定した働きをしてくれた。後述のボルトロスとセットで後続に置くことが多い。
霊獣ボルトロス
持ち物:デンキZ
特性:ちくでん
性格:おくびょう
努力値:H4 C252 S252
実数値:155-*-90-197-100-168
技:まもる/10まんボルト/ヘドロばくだん/めざめるパワー(氷)
調整:CSぶっぱ
電気耐性が全くなかったため採用。
脆くて弱点を突かれやすいため守る。
一致技の10万と対ランドでめざ氷が確定。
残り1枠は選択になるが、ラグラージに強くなれる草結び、すべてのカプに強く出られるヘドロ爆弾のうち後者を選択した。
デンキZの火力はさすがの一言で、等倍ならクレセリアとギルガルド以外は大体吹き飛ぶ。
素早さと耐久が中途半端なのがネックで、追い風下での運用が前提となる。
ただし極端にトリルに寄った構築や雨、ボルトロスより速いポケモンがコケコくらいしかいないようであれば追い風に頼らず積極的に選出していく。
選出
基本選出
先発:クロバット、ゲッコウガ
後発:エース3匹から2枠 or 炎耐性必要時 レヒレ+エースから1枠
スカーフゲッコウガで1匹倒し、クロバットで追い風を展開する。
ゲッコウガが岩雪崩を選択してるなら、次に出てくるポケモンが多少不利でも怯みを狙いつつクロバットの催眠術か前歯を撃つことも考慮。
運ゲーに見えるかもしれないが、相手のポケモンが怯みと催眠術両方を回避する確率は25%ほど。
対ペリルンパラグ
先発:ゲッコウガ、クロバットorバンギラス
後発:クロバット以外
ルンパは何かされる前にダストで倒し、ペリッパーには追い風をさせない立ち回りを心がける(ペリッパーに追い風をされると、雨+追い風でメガラグラージが止まらなくなってしまうため)
素早さの条件が同じなら素の素早さでこちらが負けることはないので、追い風を展開して上から制圧できる。
対テテフグロス
先発:ゲッコウガ、クロバット
後発:バンギラス、ボルトロスorカプ・テテフ
基本選出と動きは同じだが、相手の追い風展開阻止を何より優先し、可能な限りこちらは追い風展開をする。
展開できないようであれば、早めにバンギラスを降臨させ竜の舞を必ず積む。
カプ・レヒレ以外全員メタグロスにワンパンされてしまうのでかなりツラい。
先発に追い風要員+グロスが来てしまった場合は、岩雪崩+催眠術で無理矢理グロスを止めたり。
対トリパ
先発:バンギラスorボルトロスorゲッコウガ、カプ・テテフ(orゲッコウガ)
後発:自由
トリラーに攻撃集中でトリルを止める。
トリルさえ止めてしまえば(ry
なお、ツンデツンデがいる場合は、ゲッコウガとカプ・テテフを初手に出す。
サイコフィールドで猫騙しを防ぎ、ゲッコウガでツンデツンデへけたぐり。
トリルさえ止めてしまえばあとは上から叩くだけなのでやりたい放題。
トリルではなくサイドチェンジをしてきた場合は、トリラーじゃないほうに攻撃が集中して労せず数的有利が得られるので躊躇なくトリラーに集中する。
モロバレルがいる場合は怒りの粉で攻撃を吸われてしまうので、先発からボルトロスを外し、テテフのサイキネでバレル処理→バンギでトリラーをワンパンor怯ませるルートを用意。
テテフでワンパンできない粉・指要員がいる場合に限っては、ゲッコウガ&バンギでW岩雪崩で無理矢理トリルを止める。
総括
まず感想は、岩雪崩の怯みと催眠術が偉かったです。
キツい試合を勝ち試合にすることがあるのに対して、優位な試合では怯みにも催眠にも頼る必要がないので、単純に負け試合を拾える確率が上がる結果になったと思います。
対してバトルビデオを見返した結果からの考察でまずあげたいのは、
相手がコンセプトとしている選出をほぼ100%してきていると思われること。たぶんあんまり驚異に思われてないか、もしくはそもそもダブルバトルというのはそういうものなのか。
つまり先発に天候持ち+すいすい葉緑素・追い風要員・トリラーがほぼ確実に出てきました。
そのため、ある程度は選出の項目の形に従って出せば数的有利は割と取れました。
ただしそこからが問題で、そもそも雨パのメガラグ、テテフグロスのメガグロスが重いので、互いにS操作が展開してしまうと正直5分かちょっと分が悪かったかなと。
そう考えると雨は(追い風さえ防げれば)いいとしても、追い風サンダーは怯ませるか眠らせるかするのが一番マシになってしまいました。
まぁ怯みも催眠も回避する確率って約25%だから悪い賭けでもないんですが…。
その他に問題点をあげるとすると、
・レヒレの調整がマッチしてない
調整先にあげたものの、マンダとマッチングしなかった。いたとしてもそもそもマンダが別にキツくないので出てこないという完全に無駄調整。
たぶんSを調整するのであれば、雨ラグ抜き辺りまで下げて、残りを火力よりも耐久に振ったほうが使いやすい気がする。
また、綺麗に確2に入ったりするのでイアよりオボンを持たせるのもありかなと。
・耐性&耐久がない
鋼もいないためテテフやグロスがしんどい。無効や攻撃来ない読み以外での受け出しがほとんどできない。
・トリル対策が力業すぎる
挑発を入れたいけどスペースが足りない。
一番使わなかった技がテテフのムーンフォースだったが、これはあくタイプへの遂行に必須。
相手のZ技をまともに受けられるポケモンがいないため、3匹の守るの使い方はかなり大事になってくるように感じました。
余裕のある場面こそ慎重に負け筋を潰す動きを徹底したいところです。
QRレンタルチーム
https://3ds.pokemon-gl.com/rentalteam/usum/BT-4114-4E19
余談
初めて組んだパーティーなので粗を探せばいくらでも出てきてしまいますが、こんな強引なパーティーでもそれぞれの単体性能が高いためなんとかなりました。
改善案などありましたらご教授願いたいです…。
最後にダブル自体の感想を。
ダブルはやれることがシングルと結構違い、ああでもないこうでもない考えながら楽しく対戦できました。
そしてダブルは「サポートをすることで自分のやりたいことを押し付ける」ことがシングルよりもやりやすかったように感じました。
(本構築の場合はゲッコウガたちが一匹強引に持っていくことで、強い動きかは置いといてクロバットが割と自由に動けたかな?と思ってます)
シングルでやりたくてもやれなかったことを、またうまく活かしきれなかったポケモンを、ダブルならパーティに組み込んで対戦ができるかもしれないですね!
拙い上に長い文章になりましたが、読んでくださってありがとうございました。
初心者向け記事の案内
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コメント
コメント一覧 (2件)
記事読ませていただきました。
安直ではありますが、クロバットの怒りの前歯や高速アタッカーと合わせるならバンギラスは噛み砕く→ダメ押しに変更すると面白いかもしれませんね。
このようなコンボもダブルバトルの魅力だと思います。
元々噛み砕くで一撃で倒せるポケモンがいないので、クロバの前歯や熱風、ゲッコウガの岩雪崩の微小なダメージでも入っていればメガメタグロスやギルガルド、クレセリアを倒せるダメおしは魅力的ですね…
参考にさせていただきます!