はじめに
こんにちは。ユークリ(@glalie20000)と申します。
「ヨガパワースキスワチャーレム」を用いてS1ダブルランクマッチに挑みました。
最終結果は個人的に満足できるものではありませんでしたが、最終日終盤に2桁タッチする事ができたので、ヨガ構築の知見を深めるためにも記事を寄稿させて頂きます。
S1ランクバトルでの構築
構築経緯
チャーレムがポケモンSVからスキルスワップとトリックルームを新規習得した事を受け、トリル下でヨガパワーをスキスワする構築を組みたいな…という所からスタート。
ヨガパワーは「物理技の威力が2倍になる」という最強クラスの特性で、それを攻撃種族値が高いポケモンに移せるのは非常に強力に感じますが、考察を進めるに従って非常に難点が多い事が明らかになりました。
具体的には、
- 物理全体技が非常に少ない。
このような高火力コンボには相手2体を攻撃できる全体技を合わせたい所ですが、味方を巻き込まない物理全体技は非常に少なく、現環境では「いわなだれ」「ワイドブレイカー」「はっぱカッター」「キラースピン」の4種(専用技キラースピンを除くと実質3種)のみです。
有名な高火力物理全体技として「じしん」がありますが、味方を巻き込むという所が非常に難しく、チャーレムスキスワ&味方で地震(チャーレム退場)までは綺麗に繋がるのですが、その後に地震を連発するには味方が浮いている必要があります。
よって「全体技で火力を出す」という事は意外と難しく、そこそこの威力の全体技で我慢するか高火力単体打点で妥協するという選択肢が出てきます。
- 元の特性を失っても強いポケモンが必要
イッカネズミのネズミざんは非常に威力が高い事で有名ですが、それはあくまで特性のテクニシャンがあるから。
テクニシャンをヨガパワーにしても「倍率1.5倍→倍率2倍」となるのでその差は1.33倍と手助けより低倍率です。
- 素で強いポケモンが必要
先ほど言及したイッカネズミを例にすると、ヨガスキスワ前提であればフレンドガードで採用する事で上記問題を解決する事ができます。
イッカネズミはフレガからヨガになる事で火力2倍、チャーレムがフレガになる事でイッカネズミの耐久が1.33倍となり非常に強力に見えますが、この動きのためには「A特化フレガイッカネズミ」というどっちつかずのポケモンを採用する必要があり、PT構築の難易度が上がります。
同じような理由からケッキングも難しく、特性なまけによって守る1本で完封される様なポケモンを許容できる構築が必要になります。
しかもケッキングは一致ノーマル技にも恵まれておらず、全体技は地震だよりで浮いているポケモンも必要…と構築難易度が天元突破しているため、筆者には到底扱えるポケモンではありませんでした。
- ヨガパワーを失ったチャーレムを活かせないと微妙
チャーレムがスキスワをするという事は、ヨガパワーを失った攻撃種族値60のポケモンが盤面に生まれるという事になります。
よって、ヨガパワーを得る方にはスキスワという行為そのものが強い特性が望ましいです。
例えば「いかく」をスキスワすると再発動させる事ができるため、ヨガスキスワであれば物理火力を2倍にしながら攻撃デバフを撒く事ができます。
ということで、これら全ての要素を満たせるポケモンとしてバンギラスを採用しました。
- 貴重な物理全体技のいわなだれが一致技
- すなおこしはスキスワで失っても何の問題も無いのに、特防1.5倍の恩恵は当然受けられる
- 素で強い 素で強い(大事な事なので)
- スキスワで天候を取り返す事ができる上に相手に押し付けても問題ない絶妙な強さの特性
このように見事要素を満たしており、チャーレムが砂起こしになった後相手にスキスワして砂起こしを押し付ける動きも有用です。
例えば、相手の場にニンフィアとガブリアスが並んでるような状況ならニンフィア方向に砂起こしスキスワ、ガブリアス方向に珠ヨガ噛み砕くを選択する事で、ニンフィアを腐らせつつガブリアスを倒す事ができます。
残りのポケモンは、
- 相手サーフゴーに打点がありトリル始動役になれるマスカーニャ
- 耐性が優秀でモロバレルの胞子なども無効であるサーフゴー
- 弱点保険サーフゴーと並べて地震+ゴールドラッシュする事で相手のコノヨザル+イッカネズミの並びに壊滅的な打点を与えられるガブリアス
- 鬼火・手助けでバンギラスをサポートでき、トリル下でも手助けで仕事ができる上にボディプレスでドドゲザンやマスカーニャにも強いハカドック
を採用しました。
個別紹介
バンギラス
性格:いじっぱり
努力値:H252-A252-B4
実数値:207-204-131-*-120-77(S個体値22)
A:ヨガ珠嚙み砕くでH207-B116までのガブリアス確定1発
S:味方チャーレム+1(トリル下でスキスワ→攻撃を行うため)
全ての要素がヨガスキスワと噛みあっている最高のヨガ戦士。
岩テラスタルヨガパワー珠いわなだれの火力指数はダブルダメージ込みでも「59670」とめちゃくちゃ高く、等倍なら大体ワンパン、半減でもガブリアスくらいなら確定2発にできます。
この火力が相手2体に飛んでいく事に加え、3割怯みもあるので択ゲーになった時にも強いというおまけつき。
また単体超打点のストーンエッジ、火力はそこそこでも通りの良いかみくだく(それでもちょっと耐久に振ったガブリアス程度ならヨガ込みワンパン)を備えているのも優秀。
特にストーンエッジはヘイラッシャに強く、普通に攻撃するだけでゴリ押しできてしまう事も。てだすけ+岩テラスタルヨガパワー珠エッジであれば無振りB+2ヘイラッシャをワンパンできるので、そちらを狙っても良いでしょう。
チャーレム
性格:なまいき
努力値:H252-B52-D204
実数値:167-80-102-*-133-76
D:C185サーフゴーの鋼テラス眼鏡ゴールドラッシュ確定耐え
S:最遅
今作からスキルスワップとトリックルームを習得。
コンボ用ポケモンにも関わらずねこだましでのサポートやトリルを行う事ができ、更にとびひざげりでの殴り役にもなれる万能ポケモン。
チャーレムといえばAに振り切って襷を持たせるのが一般的ですがそれは過去の話。
トリルスキスワを新規習得した今作であればA振りに拘る必要はありませんので、耐久にガッツリ振ってオボンのみを持たせました。
猫騙しや岩雪崩怯みを嫌っておんみつマントを持たせた時期も一瞬ありましたが、ほとんど活きる事が無くオボンが欲しくなるシーンが多すぎたので取りやめに。
格闘技は勇気のとびひざげりを採用。新規習得技としてインファイトもありますが耐久ダウンが想像以上に痛く、膝の方が1.08倍も火力が高い点を評価しました。
また、とびひざげりは守っている味方や相手のゴーストに打つことで自主退場できる所も優秀であり、定期的に膝外しによる自主退場が最適解になる盤面が現れるので見逃さないよう注意したい所です(ヨガパワーを渡した後などに置物になるのを自主退場で防ぐ)。
マスカーニャ
性格:いじっぱり
努力値:H188-A252-B4-D4-S60
実数値:175-178-91-*-91-151
S:最速サーフゴー+2
トリル役その2。
サーフゴーに先制してはたきおとすをしたり等、非トリル下でもある程度動けるのが魅力。
トリル後にマスカチャーレムの並びが残っているならマスカーニャにヨガを渡して相手を倒していく動きも強く、素早さを上げ過ぎない事によってトリル下で先制トリックフラワーやはたきおとすをガブリアスや炎テラスサザンドラに当てる事ができますし、先制できなくともヨガパワー+ふいうちで相手に大きな負担を掛けられるのも優秀です。
アイテムはきあいのタスキ。トリックルームの成功率を上げる事ができます。
また初手マスカーニャ+チャーレムと並べた時に、相手がマスカーニャとチャーレムに攻撃を散らして来そうな時にはチャーレムをバンギに交換しながらトリルする事で、相手の攻撃でマスカーニャの襷発動→トリル→砂ダメでマスカーニャ退場という流れを作る事ができ、トリルターンをフルで残しながらバンギとチャーレムを並べるという小技があります。
ガブリアス
性格:ようき
努力値:H60-A188-B4-D4-S252
実数値:191-174-116-*-106-169
A:地面テラス地震で味方のH188-B116サーフゴーを倒さない
S:最速
コノヨザル+イッカネズミの並びをどうやって解決するか悩んでいた時に「地震でサーフゴーの弱点保険起動して殴ったら?」と言われ、成程!と思ったのでこうなりました。
特性すながくれでみがわりを採用しているのは積極的に運ゲーを仕掛けようと思った訳ではなく、HPが削れたコノヨザルと対面している時に無限にコノヨザルが守る択が発生し、その択勝負に勝ちやすくしようと思った結果です(守られたら身代わりが残り、攻撃されてもすながくれとひかりのこなの力で相手の命中が72%になる)。
コノヨザル以外の対面でもみがわりで択勝負を制したり、窮地に陥ってもひょいひょいして勝ちを拾ったりと大活躍でした。
味方サーフゴーを地面テラスタル地震で倒さないようにちょっとだけ攻撃を削りました。サーフゴーに地震を急所に当ててもギリギリで耐えてくれた事があったので良かったと思います。
サーフゴー
性格:ひかえめ
努力値:H204-B68-C4-D4-S228
実数値:188-*-124-169-112-133
B:A182ガブのWダメ珠地震を最大乱数以外耐え、A182テラス地震は31.25%の乱数1発
C:珠ダメ1回入ったH183-D106ガブをC+2ゴールドラッシュで87.5%の高乱数
S:S4振りイッカネズミ、準速80族+1
地面弱点で強そうという理由だけで味方ガブの地震にめちゃくちゃ巻き込まれる役に抜擢された不憫なポケモン。
鋼霊の耐性と合計種族値550の数値、専用技のゴールドラッシュがとにかく強く、代わりになれるポケモンは存在しませんでした。
努力値は相手の珠ガブの地震でも弱点保険が発動するようにHBに厚くし、素早さも環境に存在する多くのビルドコノヨザルより速い値に。
技は弱保が発動していない時でも高火力が出せるようにわるだくみを入れていました。
テラスタイプを岩にすることで炎を半減しつつ味方バンギの砂で特防を強化できますが、パワージェムが無いのが勿体なく感じる事もあったので、わるだくみと入れ替える形で採用しても良いでしょう。
ハカドック
性格:わんぱく
努力値:H172-A4-B252-D4-S76
実数値:169-122-167-*-118-98
B:帯ボディプレで砂ダメ1回入ったH152-B90マスカーニャを68.75%の乱数1発
S:すなかき込みで最速125族+2
おにびとてだすけが打てて格闘打点を持ってる速いやつを探したらこのポケモンに。
特におにびを撃てるのが偉く、ヘイラッシャを弱体化させて殴り倒せるようにできたり、マスカーニャやドドゲザンに対抗する事ができます。
また、バンギハカドックで並べててだすけ+岩テラスタル珠いわなだれを叩き込むだけでも強く、相手の場を定期的に更地にしていました。
ヨガパワー役としても強く、初手バンギハカドック選出をして先にバンギラスが倒された場合でも、チャーレムのトリックルーム→スキリスワップから展開する事で、攻撃面で非常に相性補完が優れているおはかまいりとボディプレスで火力を出していく事ができます。
選出
基本選出
先発:マスカーニャ+チャーレム
後発:バンギラス+ハカドックorガブリアス
マスカチャーレムでトリックルームを貼って次のターンにマスカーニャをバンギラスに交代しながらスキルスワップする動きがシンプルに強い。
ラスト1体は手助けでバンギラスの火力を更に上げられてトリルが切れた後も仕事ができるハカドックか、トリル最終ターンで相手が時間稼ぎの守るをした所に身代わりを貼る事ができるガブリアスが多いです。
コノヨザル+イッカネズミ
先発:ガブリアス+サーフゴー
後発:バンギラス+チャーレム
初手地震ゴールドラッシュする選出。
ほぼ初手ふくろだたきからのふんどのこぶしがサーフゴーに飛んでくるので、次のターンからバンギラスを出してすながくれを発動させて行きます。
バンギラスにドレインパンチをされると折角削ったコノヨザルのHPが回復してしまうので、状況に応じてガブリアスの地震で味方のバンギラスに大ダメージを与え、ドレパンされても問題ない盤面を作りましょう。
ヘイラッシャと愉快な仲間たち(カイリューやドドゲザン等)
先発:バンギラス+ハカドック
後発:マスカーニャ+チャーレム
ハカドックのおにびをヘイラッシャに当てる事が目標です。
バンギの圧力でヘイラッシャ以外にテラスタルを切らす事ができればマスカーニャで相手できるようになるのも良いです。
素直にトリルが貼れそうなヘイラッシャ構築なら初手マスカーニャ+チャーレムからヨガバンギを生成して戦えるのですが、最終日付近は飛行テラスカイリューでチャーレムとマスカーニャがやられたり、ドドゲザンでトリルバンギが縛られるので、初手バンギハカドックで荒らし、バンギが落ち次第ヨガパワーハカドックで戦っていく方がやりやすかったです。
おわりに
新作1発目のシーズンで、目標としていた最終2桁順位に届かなかった事は悔しく思いますが、自作の珍しい並びで上位帯を一喜一憂しながら彷徨う事は楽しかったです。
ヨガスキスワといえば何かとケッキングが注目されがちで、珠バンギラスとの組み合わせは一般的では無かったと思うので、
是非皆様もヨガバンギラスの破壊力をお楽しみ頂ければ幸いです。
寄稿ガイドライン
APPDATEでは皆様の記事寄稿をお待ちしております。
寄稿におけるアレコレなどをご説明しておりますのでご覧ください。
コメント
コメント一覧 (1件)
ヨガはイシヘンジンに渡すより強いポケモンに渡した方が強いということが理解できて正気に戻れました。
ありがとうございます。