【サンムーン/WCS2017】JCS本戦ベスト4 真昼ルガルガン軸岩雪崩構築




目次

始めに

何故か予選を抜けてしまったものの、私のポケモンの基本スキルである「構築」「選出」「プレイング」と言った要素はジャパンカップ予選抜けの平均レベルに達していないと判断。

レートでは普通に勝てるし決して対戦的に弱者であるつもりはないが、このクラスで戦うには一歩どころか二歩も三歩も劣っていると最初の段階で認めることから始めた。

率直に言ってレートでは自分よりも弱い相手と戦うことが多いため真っ当に立ち回ったほうが高い勝率が期待できるが、ライブ大会という日本国内から僅か50人という限られた50人を相手にすると私本来の実力ではいい所2~3割勝てればよい所だと思っている。

それなのに何故か抜けてしまったのは完全に偶然の産物であり運の上振れとしかいいようがない。

そこで真っ当に戦うことは最初からあきらめて、このJCS本戦のライブ大会でも「運要素」による上振れを狙うこととした。

対戦相手全員事故らせ、勝った試合は全部運勝ち。

最初からすべての試合で運勝ちをするように僕自身の持つ「構築」「選出」「プレイング」と言ったスキルを全振りした。

 

ある大前提としてだがポケモン界の強者たちには単純な運ゲーというものは忌み嫌われており、ほぼ対策がなされていないと言ってもよい。

そこで今回の実質的な初見時に限ればこの運ゲーに徹底的に寄せれば極少数の強者たちが一切対策をしていない、無対策のパーティを使うこととなり実力以上の勝率を叩き出せると判断した。

構築

ギガイアス


ギガイアス@オボンの実 砂起こし
勇敢 192-204-150-×-102-27
岩雪崩/ストーンエッジ/ワイドガード/守る

砂始動役。

特に特記して書くことはない。

強いて言うならこの構築は先制の爪を持たせるよりもオボンを持たせた方が高い勝率を期待できるということぐらいだ。

運要素に寄せるとは言っても運要素無しで勝てるならば勝てるようにしておくに越したことはない。

とりあえず怯みの期待ができる岩雪崩を常に選択する。

ワイドガードは自分が行動できない場合且つ隣もまとめて倒される且つ相手の主力技が範囲である場合であり且つギガイアスを残したい場合は必ず選択し、それ以外の時は絶対に選択しない。

この条件はそもそも自分が行動できない時にアドバンテージを握るための選択であり、攻撃回数を減らすワイドガード選択というのは運ゲーによる勝率を落とすため基本的にはしてはならない。

守りたいなと思った時はルガルガンの岩雪崩で怯ませろ。

対戦相手が守るを読んでくるかどうかは実力ではない。その時の相手の気分の運だ。

相手が深読みやプレイングを一切発生させないというのはあり得ない。

それに岩雪崩の怯み率を加えれば大体有利、自分の実力を信じるな。

ルガルガン


ルガルガン@拘り鉢巻 砂かき
意地っ張り 181-155-102-×-96-133
岩雪崩/炎の牙/ストーンエッジ/アクセルロック

場を荒らし続けるわんこ。

岩雪崩以外を選択することは殆どない。

耐久にガン振りしガブリアスの地震をレヒレの眼鏡熱湯まで耐える。

全国のドリュウズ感覚でAS振りしているようでは怯みを含めても即死しやすく雪崩でダメージを稼ぎきれずお話にならない程度の残念ポケモンだが耐久にがっつりと降ることで大きく化ける。

即死しなければ勝率2倍である。

存在するだけで運勝ちし続ける最高の存在。

ガブリアス

 


ガブリアス@じめんZ 砂隠れ
陽気 183-182-115-×-106-169
地震/岩雪崩/瓦割/守る

砂隠れで避けながら地面Zを叩き込むエースオブエース。

地面Zを使った後は詰めに移行する瞬間と地震を読み当てないと負ける時以外できるだけ岩雪崩以外は使わない。

それが地震であってもだ。

ここ絶対地面Zいらないだろという場面があっても岩雪崩以外の時は地面Zを優先。

何故ならば相手が深読み交換をしてきた時に地面Zが刺さればその瞬間勝利となるからだ。

詰めに移行する瞬間の判断が非常に難しい。

地震読み当てれば勝てる時は岩雪崩で怯ませた時とどちらが高い勝率を期待できるかと考えるのが非常に大変でまだまだ結論が出ていない。要検証。

キュウコン


キュウコン@気合の襷 雪降らし
臆病 148-×-96-133-120-177
吹雪/威張る/アンコール/守る

味方に威張って物理で殴ればいい。

吹雪は相手が凍結をしたときに最大アドバンテージなので採用。

オーロラベールとフリーズドライの両方を切った世にも珍しいキュウコン。

オーロラベールは相手が対策していて当然なので、対策されればそれを通して勝ち筋には運用しにくいので最初から切った。

実力で下回っているのに相手が対策している場で戦って勝てる等と思うほど僕はお気楽ではない。

フリドラは仮想敵のレヒレは岩雪崩の的であり威張る地面Zのカモでもあるため必要ない。

残る技としてこのパーティでは重めのメタグロス対策や要所でのワンチャンスを任せられる悪の波動を考案したが結局不採用でアンコールとなった。

アンコールは一切運勝ちできる要素はないがタイムオーバーデス用である。

この形式だと15分という対戦時間は普通に使い切ってしまいかねないので、技枠1つで耐久型を固めてTODに繋げられればベストだと思い採用した。

テッカグヤ


テッカグヤ@拘りスカーフ ビーストブースト
陽気 173-149-123-107-124-124
ヘビーボンバー/火炎放射/岩雪崩/撃ち落とす

スカーフ撃ち落とすでガブリアスを通す終盤の詰めポケモンでありながら、岩雪崩でビーストブーストを発動させるルガルガン鋼鉄フォルム。

ギガルガンの草と地面の一貫を叩き切る。

ギガルガンにウインディが出てこれないので結局こいつでウインディを相手にすることになる。

ならスカーフ岩雪崩は当然の選択だろう。

相手が強者である以上ギガルガンが苦手な鋼タイプはテッカグヤへの交換からの展開を勝手に考察し、それを対処するためにそのリソースを割いて弱体化くれる。

具体例としてはガブツルギのような盤面はこちらのテッカグヤ交換が安定であるため、相手はウインディ交換といった行動だ。

だが残念なことに僕は最初から岩雪崩を選択する気しかないためそれはこちら視点ではプレイングミスでしかない。

勝手に弱体化してくれるんだから後はギガルガンが岩雪崩を連発していればそれが刺さる。

僕がおかしな行動を取っているのではなく相手がおかしな行動を取っているのだ。

マッシブーン


マッシブーン@突撃チョッキ ビーストブースト
意地っ張り 201-183-160-×-105-105
馬鹿力/吸血/冷凍パンチ/毒づき

テッカグヤとあえて役割を被らせた。

不利な相手は雪崩で終わらせるので有利な相手に雪崩以外で勝てるようにするためである。

普通にテッカグヤが選出できない場合の受けも担当する。

こいつ1匹でパーティが辛うじて形になっている。凄い。

選出

ギガイアス+ルガルガン(ガブリアス+1)

+1)

基本選出。

この選出ができれば大体勝てる。

怯ませれば勝てるという確率に相手が深読みして自滅してくれる可能性を考えれば勝ち越せる。

岩雪崩以外は選択しないという鉄の意志と鋼の強さを持って殴り続ける。

岩雪崩は30%で相手の行動を止める。とにかく連打して1度で怯まないなら2度も3度も打ち続ける。

自分の実力を、感覚を信じてはならない。

岩雪崩を使う方が自分の実力で戦うよりも勝てるということを認めるところからスタート。

己のプライドを捨て去る。

岩雪崩以外の行動は地面Z以外とらないぐらいのつもりで岩雪崩を押し続ける。

キュウコン+ガブリアス(ギガイアス ルガルガン)

基本選出その2。やや不利に対して出す。

きついときは威張る地面Zのダークネスランドオーバーという最終奥義で打開する。

キュウコンをうまいこと退場させてA+2砂ガブからのルガルガン展開につなげたい。

ギガイアス+ガブリアス(ルガルガン+1)

最終決戦選出。完全不利に対して出す。

避けて勝つことしか考えていない。

パーティがばれてしまったりもうどうしようもなさそうな時に投げる。

砂隠れ発動からの地面Zは実質無償で1匹持っていけるので決まればどんなに振りでも基本ひっくり返せる。

決まらなくともそもそも勝ち筋が薄いので問題ない。

 

パーティ相性

 

苦手パーティ

自然の力Zエルフーン

砂ガブで避けるワンチャンがなくルガルガンより早いのでどうしようもない。

択を2度当てる(25%)からの相手の選出がこちらにとって都合がよいという酷い条件でのみ勝利可能。

色々考えたがこのパーティに対してはこの残念な勝利パターンが一番マシとしか思えなかった。

相手の自滅を考えたらもう少し勝てるかもしれない。

得意パーティ

自然の力Zエルフーン以外の全て。

机上論ではこちらのパーティは岩雪崩しかうつ気がないので事実上この構築にプレイングミスが存在しない。

しかし相手は人間である以上どうしてもプレイングミスをしてしまうので徹底した岩雪崩の怯み率頼りの最低保証勝率に相手のプレイングミスによる自滅を加えれば勝率50%以上は取れるはずであると僕はにこやかに主張したい。

基本皆どんなに少なくとも5戦に1回ぐらいは明確なプレイングミスをするはずだ。

気が付いていないプレイングミスも1回のバトルに1回ぐらいはしているはずだ。

ちなみに少なくとも僕はする。

だがこのパーティを使う時は岩雪崩しか打つ気がないので本当にプレイングミスは存在しない。

勝手にプレイングミスをしてもらい自滅して貰うものとした。

大会レポート

この記事に書いてあることがほぼそのまま実現された。

予選スイスで5勝1敗。決勝トナメに駒を進めるも準決勝で敗北。

自分よりも強い相手に徹底して運ゲーをぶつけ続け運ゲーを成立させていいところまで勝ち進むことができた。

対戦した相手からすれば大事故だったとは思うが、まあ読みや択を合わせられ続けて負けるというのも大事故運ゲーみたいなもんだと僕は思う。

まさか自分の実力を信じず読みや択を当てる運ゲーではなく怯み運ゲーで勝ちに行く奴がいるとは皆さん思っていなかったと思うが……

たまにはこういうトレーナーがいてもいいじゃないだろうか。

運よく読みを最後まで当て続け択勝ちし続けるのも、運よく最後まで怯ませ回避し勝ち続けるのも結局運勝ちなのだ。

運よく択勝ちをし続けるよりも怯ませて回避しまくるほうがはっきりと言って確率的に高いのでライブ大会でこのパーティを使ったのは大正解であった。

 

最後に

何度もこの記事中に書いているが実力何ぞと呼ばれている読みやらなんやらというものは、はっきり言って運ゲーであると僕は思っている。

「読み」や「択」が強い等と言われても僕としては結局運ゲーじゃんとしか現在のところ思えていない。

結局の対戦相手が何を選出してくるか、何の行動をしてくるかなんぞ分かったものではないのだ。

互角の択で50%、それを2回通せば25%。

この時点で勝率は絶対零度以下。何が実力なのかと常々疑問に思っている。

 

無論極々一部の別格中の別格クラスがその運ゲーを運ゲーではない領域で成立させてくることは否定しない。

だが僕のような別格に及ばないポケモントレーナーからしてみれば「読み」や「択」と言うのが発生する状態に持ち込んでしまった時点で勝率は50%。

素威張る地面Zの勝率期待値が約60%でありこの時点で既にはっきり言って真っ当にやるよりも運ゲーを仕掛けたほうが勝率を稼げる。

それなら散々言っているが岩雪崩にしても2度3度と打ち続けてどこかで怯ませて勝った方が勝率が稼げる、というわけだ。

相手も人間である以上どっかでプレイングミスをするわけである。

 

さて、という話をした後にもう1つ言わせてもらおうと思う。

「僕たちは何のためにポケモンをしているのか?」

ああ、安心して欲しい、勝つためや楽しむためなどと言うそういう話をするつもりは無い。

だが少し意識して欲しい。

考えてほしい。

何のためにのポケモンをしているのか。

これに様々な答えがあるだろう。

だが一つ。多くの人に共通していることがあるはずだ。

 

「相手に負けるつもりで対戦をしているわけではない」

 

自分より強い相手に真っ当に挑んで真っ当に対戦をしてどうするというのだ。

順当に実力負けをしたところで……喜ぶのは対戦相手だけではないだろうか?

少なくとも僕は、順当に実力負けして対戦相手を喜ばせ、自分は強いんだと自信をつけさせてあげるほどお人よしではない。

普段実力負けで悔しい思いを僕がしているのだからその気持ちを強者にも味わって貰おうと思いこの構築を組み上げた。

是非とも僕の狙った通り「運負け」して対戦相手の人が悔しいと思っているのなら……それは僕にとって最高に嬉しい賛辞である。

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この記事を書いた人

ここでは黒と名乗っていたようだが中の人は喰い断⑨。
WCS2017日本大会でベスト4となり対戦理論の紹介に説得力が増したらしい。
最も本人は自分のプレイングを一切信用していないため運要素を最重要視したゲームメイクを好む。

色々あった結果喰い断の名を明らかにした。


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