!warning!
これはシングルバトルの構築解説記事です!
筆者はダブル・トリプルについては詳しくありません。ネタ要素も無いです。
ダブル・トリプルの記事やネタ記事を期待してAPPDATEを閲覧している方もいるかと思いますが、是非この記事を読んでシングルバトルもやってみてください。
はじめに
まずは閲覧ありがとうございます。
突然ですが、あなたは「自分の構築よりも他人の構築を使ったほうが勝率が高い」ということや「自分の好きなポケモンを使いたいけどそのポケモンが足を引っ張ってしまう」という経験はあるでしょうか。
「自分で作った構築のほうが理解してるはずなのに…」「好きなポケモンの事は熟知してるのに…」という思いをしたことはあるでしょうか。
そういった経験がある方が使っている構築は”欠陥構築“であることが多いです。
なんとなく強そうなポケモンを使ってても対戦ではなかなか勝てません。
対戦動画では鮮やかな読みやマイナーポケモンでびっくり仰天させるといったエンタメ性の高い事に目を引かれますがそれも構築があってこそできることです。
強い構築ならぶっちゃけ最低限の読みとテンプレ丸パクりのポケモン六体である程度の順位まで行けます。それくらい構築というものは大切なのです。
対戦数を重ねる必要があるゲームなので読みは最低限のほうが疲れにくいですしテンプレ型ポケモンなら使い方を調べるか聞けばすぐ分かるので読み自体を楽しむ方、マイナーを使う事が醍醐味な方以外はそちらのほうがいいですよね。
ということで、この記事では構築と構築の組み方について解説します。
構築って?
構築とは「自分の決めた勝ち筋を実現するために集められた六体のポケモン達」です。
ちなみに、「自分の決めた勝ち筋」の中心となるポケモン二~三体のことを並びと言い、構築の軸とも言います。
この自分の決めた勝ち筋を意識してないとただポケモン六体を寄せ集めただけの欠陥構築になってしまいがちです。
実際に構築記事を読んでみると「○○と△△の並びで制圧するのが強そうなのでこれを軸に構築を組むことにした。」という文言はよく見かけますが「○○を使いたいからそこから構築スタート。」というのはあまり見かけません。
あったとしてもその後に「○○は□□とシナジーがあるためこれを軸とする。」といった事が足される場合がほとんどです。
このように、構築には自分の追い求める勝ち筋が伴うものです。
構築の種類
ところで、勝ち筋には大きく分けて三つあります。
- 選出された三体のポケモンそれぞれが目の前のポケモンを倒して勝つ
- 相手のポケモンに有利なポケモンを繰り出し続けてダメージレースで優位に立ち、勝つ
- 能力ランクを上げて誰にも倒されないようなエースポケモンを作り上げ、相手のポケモンを一体で全部倒して勝つ
といった感じです。
これらの勝ち筋を実現した構築がそれぞれ「対面構築」「サイクル構築」「積み構築」となります。
これらの構築にはそれぞれ長所短所があり、動かし方もかなり異なるため人によって扱うのが得意な構築、苦手な構築が出てきます。
まずは長所短所を理解して自分の肌に合った構築を使ってみるのがいいかもしれません。
というわけでまずはこの三つの構築の特徴を見ていきましょう。
対面構築
対面性能の高いポケモンで固めた構築。
自分のポケモン一体で相手のポケモン一体を倒す事を三回繰り返せば対戦に勝てます。
真っ正面から相手を倒していくため交代が少ないこと、相手を選ばず戦えることから扱いやすいです。
代表的な並び
- ボルトロスキノガッサスイクン(第五世代)
- ガブリアスガルーラゲンガー(第六世代)
- クチートミミッキュキノガッサ(第七世代)
- サンダーザシアンバドレックス(第八世代)
並びの一例
通称ガブガルゲン。第六世代で活躍した並びです。
最もパワーの高いメガ枠であるガルーラとゲンガー、そして対面性能の高いガブリアス、ボルトロス、スイクンなどが取り巻きとして採用されます。
基本選出は存在せず、相手に合った選出を行います。一体一体のスペックが高いため多数の選出パターンがあります。
メリット
- 最も立ち回りが分かりやすく、対戦初心者に特におすすめ
- 積極的に相手を倒しにいく構築なため試合時間が短くなりやすい
- 不利な対面を作りにくいポケモンで構成されており、積む隙を与えにくいため積み構築に強め
デメリット
- 先発で不利対面を作ってしまうと厳しい試合になりがち
- 後出しから受けられた後、数的不利を取られると厳しいのでサイクル構築に弱め
- テラスタルによるタイプ相性の変化により、有利対面が不利対面になってしまう場面が発生する可能性がある(九世代限定)
サイクル構築
タイプによる攻めや耐性、種族値や特性による火力や耐久が優秀なポケモンで固めた構築。
ポケモン毎に有利なポケモンと不利なポケモンがはっきりしており、不利なポケモンが出てきたら交代によって有利対面を作って試合を展開することが基本です。
サイクル構築には攻め重視の構築、受け重視の構築があり、特に受けを最も重視した構築は「受けループ」と呼ばれます。
代表的な並び(攻め重視)
- カバルドンドリュウズラティオス(第五世代)
- サザンドラギルガルドマリルリ(第六世代)
- カバルドンボーマンダギルガルド(第七世代)
- カバルドンザシアンカイオーガ(第八世代)
代表的な並び(受け重視)
- ラッキークレセリアグライオン(第五世代)
- ガルーラクレセリアヒードラン(第六世代)
- グライオンポケモン2ドヒドイデ(第七世代)
- イベルタルムゲンダイナラッキー(第八世代)
並びの一例
通称サザンガルドマリルリ。第六世代で生まれ、その後の世代でも形を変えて生き残っている並びです。
交代を駆使すれば全てのタイプを半減以下に抑えられるサザンドラとギルガルド、そしてこの二体に一貫するバシャーモやメガリザードンXなどに強いマリルリが軸です。
高速ドラゴンが世代を跨ぐにつれ増えていくためその度に使い手は苦しい思いをしていますがなんやかんやいつも結果を残しています。
メリット
- ポケモン毎に役割が決まっているため選出の段階で試合のプランを立てやすい
- 読みが必要な場面が多く、エンタメ性が高いため特に見る側も楽しめる
- 不利対面になっても引き先がいるため対面構築に強め
デメリット
- 基本的に交代とポケモンの技を繰り返す上読み合いも多いため試合時間が長くなりがち
- ポケモン毎の役割やHP管理が把握しきれない内は使いにくい
- 積み技を使われてしまうと受けきれない事が多いため積み構築に弱め
- Zワザやダイマックス技によりサイクル崩壊する場面が多くみられるためそれらで崩されると厳しい(七世代と八世代)
積み構築
能力ランクを上げることができるポケモンとそのための技を使うための起点を作るポケモンが中心の構築です。
バトン構築や悪名高きムラっけオニゴーリなんかもこの構築に分類されます。
積みエースで相手のポケモン三体を倒す事を目標とした試合が多いです。
一方、積みサイクルという構築もあります。
これはエースとなるポケモンを二~三体並べて何段階にも分けて攻めるという構築です。
起点作りがいない場合もあり、積む隙を作るのが大変ですが上手く積むことができるなら相手は何体もストッパーを用意しなければいけません。
代表的な並び
- カイリューウルガモスパルシェン(第五世代)
- ニャオニクスバシャーモガルーラ(第六世代)
- カバルドンギャラドスハッサム(第七世代)
- ラッキーネクロズマゼルネアス(第八世代)
通称カバギャラハッサム。第七世代で活躍した並びです。
起点作成要因のカバルドン(ランドロス)、強力な積み技を持つメガ枠のギャラドスとハッサムが軸の構築です。
補完にギャラドスとハッサムが苦手とする霊獣ボルトロスやカミツルギに強いアーゴヨンが入る場合が多いです。
それぞれの積み技から全抜きを狙います。どのポケモンで全抜きを狙うか考えて立ち回る必要があります。
メリット
- 一体で相手のポケモン全て倒せると爽快な気分になれる
- エースさえ残っていれば勝ち筋を残せるため状況をひっくり返しやすい
- 交代に刺さるステルスロックを多用する上、積む事自体が崩しになるためサイクル構築に強め
デメリット
- エースがやられてしまったり刺さらない試合は勝ち筋がだいぶ細い
- 起点作りが上手く出来ないと扱いづらい
- 攻撃を必ず一度無効化しつつトリックルームや呪い等を使えるためエースを止めやすいミミッキュの対策が必要(七世代以降)
- ポケモン一体一体に隙が少なく、積む事が難しい対面構築は苦手
気に入った構築はありましたか?構築とかよくわからない方は自分の気に入ったポケモンに合った構築を探してみるといいでしょう。
例
ニンフィアはとくぼうが高くタイプも優秀→サイクル構築でとくこうが高いポケモンに受け出すのによさそう!
デデンネはほっぺすりすり、あまえる、かいでんぱなどを覚えて素早さもある→積み構築の起点作りによさそう!
構築を組もう
強い構築の作り方にはセオリーがあります。
以降は各ステップでどういう考え方をしてポケモンを選べばいいか説明します。参考にしてください。
構築の軸を考える
強い構築を作るには「どんなポケモンのどんな技でどういう展開に持ち込んで勝つのか」という計画をしっかり立てておく事が重要です。
「特性すなかきで素早さが上がったドリュウズで無双したい」「お互いの弱点をカバーし合えるナットレイとドヒドイデでサイクル戦をしてみたい」など、自分のイメージする戦術を具体的にここで決めてしまいます。
なお、このステップで決めるのは取っ掛かりとなる程度のものです。
構築ができていくうちに不備に気づいたら、ここで考えた方針はどんどん変えていってしまいましょう。
構築の軸では戦いづらいポケモンに強いポケモンを入れる
構築の軸だけでは全てのポケモンに勝てるわけではありません。特に「ラグで詰まないか?」という文言は有名ですね。
ではどうするのかと言うと、軸では不利なポケモンに強く、かつ軸は邪魔しないポケモンを構築に1〜2体いれます。
自分ではどのポケモンを使ったらいいかわからない場合はTwitterにて〇〇と〇〇に強いポケモン募集とツイートしてみたり、ポケモン徹底攻略のポケモン図鑑やポケモン検索機能を使って条件に合うポケモンを探してみるのもいいでしょう。
さまざまな構築への対策を考える
ポケモン対戦には対策をしないとかなり厳しい戦いを強いられる戦法がいくつかあります。もし対策必須の戦法が出てきた場合は必ず対策しましょう。
具体例を上げると「ポイズンヒールグライオン」、「むらっけオニゴーリ(第7世代以前)」、「受けループ」などです。
しかし、世代が進むにつれこういったハメ技に近い戦術は弱体化され、取りづらくなってきています。もしかしたらSVでは最低限の対策で済むかもしれません。
また、上に挙げた代表的な三構築は下図のように三すくみになっています。
残った枠でこれらの対策となるポケモンや自分の構築が苦手とする構築に単体で強いポケモンを入れるとよいでしょう。
テストと調整を繰り返す
六体のポケモンが決まったら実際にポケモンを育成して狙い通りに戦えるかテストしてみましょう。
テストの結果、問題点や改善できそうな点が見つかった時は軸のポケモン以外で選出率の低いポケモンを見直してみるといいでしょう。
時にはポケモンを育成し直す必要が出てきます。
育成し直すのは大変ですがより良い構築のため根気よく取り組みましょう。
調整後は再度テストを行い、新たな問題点が見つかったら再び調整する……という手順を繰り返せば隙の少ない強い構築として磨き上げていくことができます。
余談
構築の種類にはここでは紹介しきれてない構築がまだあります(ギミック構築、偽装構築など)。
しかし、そういった構築はシングルでは結果を出しづらい事もあり、割愛しました。
ですが、ほぼ全ての構築はこの記事の構築の組み方に沿っていけば完成するはずです。
さいごに
いかがでしょうか。構築の大切さ、組み方が伝わったのではないでしょうか。
構築を組んでる途中はなかなか勝率が上がらないかもしれません。そこでレンタルや以前使っていた完成された構築に逃げるとますます構築の完成から遠のいてしまいます。
自分の満足のいく構築を完成させるためには、根気よく何度も調整を繰り返す事が一番大事です。
また、構築を作っていくにつれ構築を組む力がどんどん上がっていきます。
一から完成度の高い構築を作ることができたらそれはもうベテラントレーナーと名乗ってもいいでしょう。
しかし、構築が完成しても少し立ち返ってみてください。その構築…
ラグで詰まないか?
寄稿ガイドライン
APPDATEでは皆様の記事寄稿をお待ちしております。
寄稿におけるアレコレなどをご説明しておりますのでご覧ください。
コメント
コメント一覧 (3件)
凄く分かりやすい記事でした!
動画勢でsvから自分も対戦を始めようと思っています。
pt構築、対戦の基本的な考え方が良く分かりました。
以下、質問させて頂きたいです。
他のゲーム(カードゲームなど)では、仮想敵を多くし過ぎると構築が丸くなってしまい結果、勝率が下がることが多いです。
レート戦を想定した時、自分の構築が不利な構築に対してもある程度、対策しておくべと思いますか?
また、環境初期ではどの構築の割合が高いと予想しますか?
閲覧ありがとうございます。
軸であれもこれも対応しようとすると構築が丸くなると仰っていますが、これはポケモンも同じです。ですが構築の軸は強い勝ち筋になるもので、有利~やや不利な構築相手には軸となるポケモンを中心に戦えるようなパワーを持っている事がほとんどです。
自分の不利な構築に対しては補完枠として軸がどうしても勝てないポケモンに強いポケモンを仮想敵を絞って入れることになるかと思います。
例として、サイクル構築に積みストッパーが欲しい場合に入るミミッキュなどが挙げられます。
ただ、不利な構築が環境に少ない構築であればその構築への対策をしないで勝てない物だと割りきってしまう人もいます。ここは個人の性格に依るでしょう。
環境初期は分かりやすく強い対面構築、壁+積み構築が多いと思われます。
ご回答ありがとうございます!
その後、人のptを借りて実戦を繰り返しています。
構築の相性以上に、軸、並びがはっきりしていることが大事という印象でした。
本記事を読み返すと、その重要性は冒頭に強調して書かれていますね・・・
三つの構築のコンセプトと相性にばかり気が取られていました。実際に手を動かすのは大事ですね(自戒)。
また、6→3選出というのは、思ったよりもpt構築に枠の余裕があるのだと思いました。
新しい記事を楽しみにしています。ご回答ありがとうございました。