【ポケモン剣盾】キュウコンチェリム初心者のための基礎プレイング論【ダブルバトル】




目次

始めに

私は喰い断chというYoutubeのチャンネルで日々構築診断を行っている。

その過程でキュウコンチェリムという構築に多くの方が挑戦し、最終二桁を達成する人すらも現れたため、キュウコンチェリムの基本となる動きを後進のため形に残そうと思う。

まずはこの構築のコンセプトについて語るが、コンセプトそのものは極めて単純であり「天候が晴れの時に味方全体の攻撃と特防を1.5倍として扱う特性:フラワーギフト」を「キュウコンの特性ひでり」によって発動させ、これを軸に立ち回るというものだ。

しかしこのコンセプトが極めて単純であるからこそ多くの誤解を招くため、大多数のプレイヤーはコンセプトと実情のギャップに適応できずに使うのを辞めてしまう。

本記事ではそのようなギャップについての解説も行うため、一度チェリムを使えずに諦めた人も、本記事を読んで再挑戦してみて欲しい。

前提

キュウコンチェリムを使うプレイヤーの多くは、フワラーギフトの攻撃を1.5倍として扱うという効果に注目し、チェリムを場に居座らせて手助けをするサポート特化のポケモンと運用しようとする。

しかしこの理解は多くの場合は誤りであり、キュウコンチェリムという構築は特防を1.5倍として扱う効果に注目し、交換を軸として立ち回ることを目的した方が強くなる。

これがどういうことかと言えばチェリムの「臆病HS 持ち物:きあいのタスキ かふんだんご/てだすけ/にほんばれ/まもる」のような育成は基本的に誤りであり、基本となるチェリムは「穏やかHD 持ち物:たべのこし ギガドレイン/やどりぎのたね/にほんばれ/まもる」のような交換戦に適応したスタイルにするべきということだ。

当然の話だがチェリムがサポートに特化してしまうと、如何に隣を強化しようとしても攻撃に参加できるポケモンは1匹だけとなり、2対1を強いられてしまうためプレイングの難度が上昇する。

これがキュウコンチェリムという構築に存在するコンセプトと実情のギャップである。

そのため隣に並べるポケモンも「こだわりスカーフ型ヒヒダルマ」のような交換戦に向かず、寿命が短いポケモンは実戦での適正は低くなる。

キュウコンチェリムが特防1.5倍に注目するとどうなるか?という点についてはまだ述べていないが、少なくとも攻撃1.5倍に注目するのは誤りだというのは分かってもらえたはずだ。

要約

チェリムのサポート効果は交換戦において十全に発揮されるため

PTメンバーの寿命(耐久)を高くするのが適切

キュウコンチェリムの適性

では今度は特防1.5倍に注目するとどうなるのか?の効果について述べていこうと思う。

この効果が如何に交換戦に穏健を齎すかは極めて単純で、チェリムを場に残し続ける限り場のポケモンは常にとつげきチョッキを所持している耐久力を手に入れるということである。

「ローブシンにとつげきチョッキを持たせて後出し性能を確保する」という方法は多くのプレイヤーが選んだことだろう。
チェリムはこれを全ポケモンに付与できてしまうわけだ。

当然これがとんでもない強みであることは、懸命な読者諸君ならば既に理解していると思うが、交換戦での恩恵はこれに留まらない。

フワラーギフトの効果は特殊耐久の上昇だけではない、当然攻撃力1.5倍効果も残っている。

攻撃面に注目して攻撃に特化してしまった場合とは違い、耐久面に注目をすると攻撃面を同時に生かすことができるのだ。

自分の耐久力を強化して後出し性能を確保し、上がった火力で相手の後出し回数を減らす。

これがキュウコンチェリムに置いてフラワーギフトの効果を最大限生かすことができる使い方なのだ。

【キュウコンチェリム】に対する勘違い

しかし当然疑問に思う部分もあるだろう。
キュウコンチェリムを初手から並べて交換戦を行う場合、キュウコンで有利が取れている場合良いが、不利を取ってしまっていると交換をせざるを得なくなる。
すると当然そこで一手無駄にしてしまうことになるし、相手が物理型であると特防上昇効果は意味をなさないのではないか?というものだ。

これそのものは当然の疑問ではあるのだが、この疑問を浮かべた読者の方はキュウコンチェリムという構築について致命的な勘違いをしている。

何故ならば【キュウコンチェリム】という構築は【ペリルンパ】や【バンドリ】、【ヤミリザ】、【エルフジュラル】とは明確に異なる点があるのである。

それは【キュウコンチェリム】は「この二体を横に並べる構築ではない」という点だ。

現代のダブルバトルでの構築の呼び名とは基本的に「横に並べることを前提」とする暗黙の了解による命名規則が存在している。

そして後発に並べるポケモンはその後に入ることになり、例えばペリルンパの後発にドサイドンを配置するのであれば、多くの場合【ペリルンパスイッチドサイトリパ】のような名付けがなされる。

だがしかし【キュウコンチェリム】という構築に関しては何故か命名規則が当てはまらない。
というよりもキュウコンチェリムだけ運用が異なるため、この命名規則と実情に致命的な齟齬が生じてしまうのだ。

ではその齟齬を修正して2020年3月現在のキュウコンチェリムという構築を、命名規則に基づいて改めて呼称させてもらおう。

キュウコンチェリムという構築の真の姿、それは【ドラパルトキュウコン軸チェリムスタン】である。

つまりキュウコンチェリムはキュウコンチェリムと名乗っておきながら、初手にキュウコンチェリムを並べることは無い。

現時点におけるキュウコンチェリムの基本選出とは「ドラパルト+キュウコン」なのである。

実際の運用

ではここからはキュウコンチェリムの動きを解説していこう。

先ほど呼称した通り現時点におけるキュウコンチェリムの構築の実態というのは【ドラパルトキュウコン軸チェリムスタン】というのが正しいわけだが、ここまでやってもキュウコンチェリムという構築はまだややこしい。

何故ならドラパルトを初手に出す以上、ドラパルトの耐久力を上げて後出しをし、上がった火力を相手で崩すと言った運用をするわけでは無い。

キュウコンチェリムという構築の動きとは「特殊耐久を後出し性能を確保するのはチェリム」であり、「火力を上昇させて相手の後出し回数を減らすのがドラパルト」という分業体制がなされているのだ。

そしてややこしさはこれに留まらない。

先ほど「相手が物理型であるのなら特殊耐久上昇は意味をなさないではないか?」と言ったが、ドラパルトがいるならばこの話は当然裏返る。

特殊型であればチェリムがフワラーギフトで後出し性能を確保するのだが、物理型であればドラパルトがダイドラグーンを用いて攻撃力を低下させることで後出し性能を確保するのである。

【キュウコンチェリム】で見ている限り存在しないシナジーが、【ドラパルトキュウコン軸チェリムスタン】ならば出てくるのだ。

そしてフラワーギフトとダイドラグーンで物理と特殊の両方を強化されたドラパルトとチェリムは、要塞と言っても差支えが無いほどの耐久力を得る。

これを等倍で突破するのは至難の業であるため、相手は当然交換をして相性が良いポケモンを出さざるを得ない。

するとどうなるか?

「交換時に攻撃1.5倍の攻撃技」が刺さるため、相手は甚大な被害を受けて交換戦の継続が困難になるのである。

当然であるが今回は現時点でのキュウコンチェリムの運用に即し、ドラパルトを例として挙げているが、この枠はフラワーギフトの恩恵を得ることができ、相手の物理を弱低下できるポケモンであるならば何でも機能する。

ダイドラグーン以外で言えばウインディやズルズキンのような威嚇勢が該当するわけだ。

チェリムの勝ち筋

ではキュウコンチェリムが交換戦で極めて有利が取りやすい構築であるということが分かってもらえたので、ここからは具体的な勝ち筋について話をしていこう。

初手
ドラパルト+キュウコンから、キュウコンを引いてチェリムを出してフラワーギフトを発動。
ドラパルトの1.5倍ダイドラグーンで攻撃を下げることで耐久をフォローしつつ、相手の交換を強制して有利に立つ。

そして重要なのは次手以降である。
当然であるが相性の悪いポケモンが出てきたら交換するのがポケモン対戦であるから、チェリムは交換を行う。
フラワーギフトが消えるけれど大丈夫か?と思うかもしれないが、キュウコンからチェリムへと交換しつつのドラパルトの1.5倍ダイドラグーン。

相手が交換をするタイミングでもう一発攻撃を入れることができるため、その時点でギフト行動が2度以上入っているので、この時点でアド差は甚大で有利盤面となっている。
チェリムが交換を行って問題ない。

……というよりも初手のキュウコンを引いてのチェリムも「フラワーギフト」はあくまでもおまけの効果であり、本質はそこではない。

前提条件でも語ったがキュウコンチェリムの本質は交換戦そのものにある。

そう、この交換戦というのはフラワーギフトを発動させるための交換ではなく、キュウコンの弱点を突く「水」や「地面」を半減するための交換なのだ。

最大の強みはフラワーギフト!と言いつつ、それはあくまでもおまけ。
実際には交換戦における耐性補完が本質である。というのが誤解を生む要因であり、読者の方々も難しすぎる……と思われるかもしれないが、幸いにして私はこの動きを分かりやすく説明する方法を知っている。

そう。このチェリムのフワラーギフトとは「特殊版いかく」なのだ。

威嚇という特性は手持ちに置いておき、任意タイミングで相手の物理に強く動けるからこそ役に立つ。

フラワーギフトも同様に任意タイミングで相手の特殊に対して強く動けるから役に立つのだ。

威嚇を持つポケモモンが、相手物理が引いて特殊型が出てきたら一度交換し、相手の物理に威嚇をぶつけることを目的とするように、チェリムも不利な相手が出てきたら交換を行う。

難しく見えてやっていることそのものは威嚇と全く同じ、スタンダードと呼ばれる構築系統そのものだ。

故に、ガオガエンが最終盤面で相手の相性の良い物理型のナットレイに対してフレアドライブを使って勝つように、チェリムというポケモンは最終盤面で相手の相性の良い特殊型の水タイプ……ミロカロス等に宿り木の種を使って勝つ。

これこそがチェリムが目指すべき対戦の最終盤面であり、ドラパルトのダイドラグーン等はそれを見据えて立ち回らなければならない。

間違ってもガオガエンが最後にミロカロスと対面しないよう、先にミロカロスを倒すプレイングを心がけるのと同じく、チェリムもまた相手のナットレイと最後に対面しないように、プレイングを行わなければならない。

キュウコンチェリムの本質は交換戦であり、チェリムは「特殊版いかく」である
序中盤では常に手札に置いて適切なタイミングで切ることが重要だ

終わりに

喰い断chに限らずAPPDATE内でもキュウコンチェリムの使い手が増えてきた今日この頃。
本記事を参考にしてもらうことで、新たにキュウコンチェリムを使う人がキュウコンチェリムという構築について、スタートライン時点での誤りを起こさないようにして貰えれば幸いである。

この記事が参考になったら、普段からこういう理論的なことを重点的に解説しているので、私のYoutubeチャンネルのほうを登録し、参考にしてもらえるとありがたい。

毎週日曜15時からポケモン対戦の解説配信、構築診断などを行っているので、ぜひ一度見て見て参考にして、気軽に質問をしてみて欲しい。

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この記事を書いた人

ここでは黒と名乗っていたようだが中の人は喰い断⑨。
WCS2017日本大会でベスト4となり対戦理論の紹介に説得力が増したらしい。
最も本人は自分のプレイングを一切信用していないため運要素を最重要視したゲームメイクを好む。

色々あった結果喰い断の名を明らかにした。


youtubeのチャンネルはこっちらからどうぞ

コメント

コメント一覧 (4件)

  • ドラパルトに大文字が採用されていることが多いですが、この使いどころがよくわからなかったので質問させてください。
    ドラパルトチェリムが並んでいるときに、天候が晴れでないとき、ダイバーンで晴らして耐久を上げるためのピンポイント技という認識ですが正しいでしょうか。
    晴れ状態でも、下降補正無振りダイバーンや大文字を撃つ行動は非常に弱いので、なるべく撃ちたくない技かなと思ってます。

    • ダイバーンで晴らすというよりも、アイアントやナットレイを高速処理するための技です!晴れ目的で使うことはかなり少ないかと思います!

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