構築の経緯
構築の方向性を決めるまでのお話
私、魔女のキキ。
こっちは限界雨。
さて、新しい構築の話をする前に、少し雨パーティの話をしよう。
その水5体という見た目からとても有名になったように、この構築にはわかりやすい特徴がある。
構築に5匹いる水タイプの一致技が、雨で1.5倍されるということだ。
技の威力がとても高いうえに、倍速で動くことができる。
この特徴を活かし、例え苦手なタイプであっても上から殴り倒して弱点を隠すことができるというわけだ。
そして、苦手じゃないタイプを相手にする時は、雨の補正で基本的に有利となる。
さらにナットレイがいることで、雨パーティの戦い方は
タイプ一致の水タイプに雨の補正をかけて、削れるところまで削る
↓
削り切れない場合はナットレイの詰めが成立している
というように柔軟なものになっているのだが、ここでは雨パーティの詰め性能の話は置いておこう。
5世代のシングルバトルでオノノクス+ガブリアスによる役割集中という並びがあったが、やっていることは雨パーティとかなり似ている。
役割集中も雨パーティも、同じタイプでゴリ押せるという長所を持っているのだ。
コンボによって、あるタイプの高火力を発生させて崩す構築を役割集中系としよう。
では比較して、スタンダードパーティはどのような構築か。
たとえば、このような並びを挙げてみよう。
ダブルのスタンダードパーティは遂行力もとても高いポケモンで構築されているが、今回は詰め能力を話題にしたい。
高耐久良耐性のポケモンで固め、相性が有利になるように的確にポケモンを繰り出し、相手のコンボを妨害しながら臨機応変に詰める。
これがスタンダードパーティ、役割集中とは真逆の方向だ。
つまり、
構築段階でコンボを用意し、自分の長所を伸ばすように設定したのが役割集中
構築段階でメタを用意し、相手の長所を潰すように設定したのがスタンダード
ということができるだろう。
さて、話を戻すが、優秀なタイプで相手を崩すのが役割集中だ。
ならば優秀なタイプで相手に崩されないなら、それもまた役割集中なのではないか?
考えてみてほしい。
このように、ナットレイが5匹のパーティがいたとする。(熱風がめっちゃ嫌なのでニョロトノもいる)
多分それなりに勝てるだろう。
なぜなら、ナットレイを遂行できるポケモンが構築に少ないからだ。
極端な話、ナットレイをまともに遂行できるのは炎タイプと格闘タイプのみ。
それさえ倒してしまえばあとは倒されることがないというわけだ。
というわけで…
受けの役割集中でパーティを組んでみよう!
どう集中するか
受けの役割集中と書いたが、具体的にはどうするか。
ここで要求されるものは、
- 弱点が少ない
- いい感じに崩されにくいポケモンが揃っている
といった点だろう。
そこで選ばれたのが、
水・地面タイプだ。
等倍で殴られて倒されるようでは相性有利とは言えないので、水地面の採用は数値が比較的高めな3匹にしておく。
構築の長所を作り出す
水地面で戦うならば、相性有利を取らせないことはできる。
つまり、スタンダードパーティに崩されない構築にはできたわけだ。
しかし、相手のコンボを止める能力はそれほど高くないため、雨やジャラランガといった強力な勝ち筋にはまだ勝てない。
そこで、こちらも何か長所を伸ばす手段を用意したいところ。
すいすいが2匹いるので雨を軸にしたいが、トリトドンが水技を妨害してしまうので、単純にはいかない。
また、全員接地しているので地震も打ちづらい。いきなり問題しかないな…
長所を作り出しつつ3匹を一つにまとめる方法…なにかないか…
サーフィンですね。
これならトリトドンの呼び水やガマゲロゲの貯水を発動させつつ水技が使える。
特殊主体なら打ちづらい地震を大地の力にできる。
ラグラージの攻撃が犠牲になるが、その分トリトドンの特攻に回せるのでそこまで通常の雨パーティの劣化というわけではない。
弱点の取られにくい水地面3匹でサーフして勝つ。
方向性が確定した。
弱点を対策する
水地面の弱点は、草タイプだ。
草タイプにはいろんな奴がいる。
正直これら全てをきれいに刈り取れるポケモンは存在しない。困った。
さらに、サーフパの弱点についても考えなくてはならない。
波乗りは威力90。範囲技なので67になる。
さらにラグラージ、トリトドン、ガマゲロゲのC種族値は最高でも95と、遂行速度が出せる構築ではない。
2匹が生き残ってサーフして初めて有利を取っていける構築なので、強力なアタッカーに縛られてしまうと打ち合うのは難しいわけだ。
残念なことに、Zワザのせいでそこら中に高打点エースが存在してしまっている。
草や高打点エースから、水・地面タイプを守る方法が必要なのだ。
ところで、この世にはこんな技がある。
そうでん
タイプ:でんき カテゴリ:へんか 優先度±0
相手が技を出す前に使用すると、そのターン相手の攻撃は『でんき』タイプになる。
相手の技が電気タイプになれば無効化できるのでは…!?
というわけで、送電を覚えるエレザードを採用。
なんと波乗りで回復するので相性〇。
余談だが、実は送電を使うのは人生2度目。
初めてトリプルバトルに触れた時に作った構築が、スカーフ送電ドーブル+仲間作り蓄電マイナンでドーブルを蓄電にして永遠に相手の片方の技を無効化するというものだった。
確か1300台に到達するかどうかという感じだったので、送電パのリベンジもかねて頑張っていきたいところ。
新たな勝ち筋を追加する
波乗りの遂行速度に問題があることは前述した。
あまりにも遂行速度が早い構築はどうしようもないので、波乗りに頼らない勝ち筋を追加していきたい。
幸い送電が構築に入ったので、電気と草(あとリザYの炎)耐性を起点に一枠で全抜き性能のあるポケモンが欲しい。
ジャラランガを採用した。
放射で草への打点も取れるし、草タイプもZワザも一度に対策できる!やったね!
長所を引き伸ばす
苦手な相手を対策するのもいいけど、やっぱり役割集中なのでイージーウィンしたい。
波乗りの打点を補いつつ草を潰して先発メガラグルートを作り、自身もサーファーになれるポケモン…
まあペリッパーを採用した。
パーティ紹介
トリトドン
種族値:111-83-68-92-82-39
努力値:H252 C252 D4
実数値:218-×-88-158-103-39 ※最遅
性格:れいせい
特性:よびみず
持ち物:いのちのたま
技:だくりゅう/れいとうビーム/だいちのちから/まもる
役割…エース、水地面枠
この構築のエース。
トリトドンが呼び水だからこそ、サーフ軸で組むことができた。
サーフ云々言っておきながらアレだが、C上昇サーフでラグを巻き込むのはまずいので濁流。
鈍足でトリルサポートもないので、技はシンプルに動かしやすいように。
限られた行動回数でしっかり役割を果たせるようにした。
ラグラージ
種族値:100-110-90-85-90-60
種族値(メガ):100-150-110-95-110-70
努力値:H108 C252 S148
実数値:189-×-110-150-110-99
実数値(メガ):189-×-130-161-130-109
性格:ひかえめ
特性:げきりゅう→すいすい
持ち物:ラグラージナイト
技:なみのり/れいとうビーム/だいちのちから/まもる
役割…サーフィン、雨エース、水地面枠
サーファーその1。
ひたすらサーフしてトリトドンに水をやるのが仕事。
他の2匹とは違って水を吸えない。
ただし、すいすいで雨エースとなれるので、サーフ一辺倒より戦い方が多彩になる。
メガラグラージ自体が高耐久のおかげで無天候でも居座って殴れるのは、ほかのすいすいポケモンと違うポイント。
雨展開をしなくても戦えるので、不意の日本晴れに崩されにくい。
雨エースとして使ってもシンプルなポケモンだが、サーフも結構シンプルなコンボパなのでそこまで書くことがないな…
ガマゲロゲ
種族値:105-95-75-85-75-74
努力値:H252 C252 D4
実数値:212-×-95-150-96-94
性格:ひかえめ
特性:ちょすい
持ち物:とつげきチョッキ
技:なみのり/こごえるかぜ/だいちのちから/ヘドロばくだん
役割…サーフィン、先発での場作り、高耐久への毒撒き、水地面枠
第二のサーファー。そして最後の水地面枠。
すいすいと悩んだり回復実を持たせたりミズZ雨乞いをやってみたりと色々模索できる幅が多いポケモンだった。
しかし、チョッキを持たせて他の水地面が苦手な先発を任せられるようにした型が一番使いやすかった。
貯水はサーフで回復できるようになり、水・地面に等倍で通ってしまう高火力水打点が通らないので使いやすかった。
ヘドロ爆弾の追加効果はおまけだが、瞑想クレセに月の光を打たせて先にトドンを積ませきるような戦い方もできたし悪くなかった。
範囲はレヒレへの打点になかなか便利だった。
エレザード
種族値:62-55-52-109-94-109
努力値:H252 D4 S252
実数値:169-×-72-129-115-177
性格:おくびょう
特性:かんそうはだ
持ち物:きあいのタスキ
技:エレキネット/あまごい/そうでん/まもる
役割…送電で水地面を守る、場作り、サーフ受け
得体のしれないトカゲを入れた。
まず、Hに全振りして送電を持たせたエレザードなのだが、想像以上に硬い。
送電のおかげで相手の攻撃を不一致半減で受けることができるので、ほとんどの技が大体1/3ぐらいの倍率で受けることができるようになる。
さらに、乾燥肌で毎ターン1/8回復するのに加え、サーフィンで1/4回復する。
水地面はCがそこまで高くないとはいえ、Cに振り切っている上に雨補正をかけたりしながら殴るので割と痛い。
水技で回復できる乾燥肌はこの構築に合っており、水地面のサーフと送電エレザードで互いに場持ちを保ち続けるなかなかシュールな光景を見ることができた。
リザYが環境に多すぎたので雨乞いを持たせた。水タイプ系の構築はもう手動雨がないとやってられない環境な気がする。
最後にエレキネットを持たせた。S109族なので、控えめCSルンパに当たれば1差で抜けるようになる。ギガドレインの悪夢から解放される。
蛇睨みでもよかったのだが、ジャラランガ的にはコケコにS操作が通せたほうが強いのでエレキネットにした。
草打点をごまかすことができるため、選出機会はかなり多かった。
水地面の役割集中というテーマのはずだったのだが、気づけば送電エレザードに構築のテーマを乗っ取られそうになっていた。危ない危ない。
ジャラランガ
種族値:75-110-125-100-105-85
努力値:H4 C252 S252
実数値:151-×-145-167-125-137
性格:ひかえめ
特性:ぼうおん
持ち物:ジャラランガZ
技:スケイルノイズ/かえんほうしゃ/どくづき/まもる
役割…どうしても水地面を出したくない時の代打
冷凍ビームだけではナットレイに高速遂行をかけるのがかなり厳しい構築だったので、草とリザYに強くて高速遂行がかけられるポケモンが欲しかった。
中でも、送電で積みエースになれる電気耐性持ちを求めてジャラランガを採用。
悪巧み持ちのボルトロスやアーゴヨンでは、ダブルバトルは守るを入れなければならない都合上技スペがかなりきつく、ジャラランガが一番無理なく採用できた。
送電のおかげでコケコやレヒレの前で居座ってジャラランガZを打てるのはなかなか頼もしかった。
意地でも水地面を選出したかったので選出率はかなり控えめだったが、結果的にもう少し選出してもよかったと思う。
ただ、ジャラランガを守れるポケモンが少ない構築だったので、こちらのサポートももう少し考えるべきだった。
ペリッパー
種族値:60-50-100-95-70-65
努力値:C252 D4 S252
実数値:135-×-120-161-90-117
性格:ひかえめ
特性:あめふらし
持ち物:こだわりスカーフ
技:なみのり/ぼうふう/れいとうビーム/あまごい
役割:先発ラグラージ起動、草対策
雨で構築の総合力を底上げし、楽にイージーウィンできるように採用したい枠だった。
草タイプを対策しつつ、メガラグラージの使い勝手をあげられる。
ブルルやジャラランガの上から暴風を打ちたかったのでスカーフを持たせた。
ペリッパーは強いポケモンなので、そこまで言うことはない。
ただし、正直この構築には合っていなかったかもしれない。
主に先発で運用するポケモンなのだが、環境に多すぎるリザードンYのせいでほとんど活躍できなかったので別のポケモンに変えるなどしてもよかったと思う。
サーフ自体はそこまで雨が重要な構築ではなく、リザードンYを対策するために仕方なく手動雨を入れているという感じ。(雨が重要なのはすいすいのポケモン、この構築のラグラージは遂行力が低いのでまた別)
草の対策としてもペリッパーのスカーフ暴風は微妙なので、ちゃんと役割を遂行できるポケモンを採用すべきだった。
多分ジャラランガがもっと動かしやすくなるポケモンを採用したほうがよかったと思う。
結果
72戦39勝33敗 レート1574で終わり。
1600には一度乗れたものの、勝ちきることはできなかった。
大体3試合に1回ほどは草技を完全に切っている構築と当たったのでそこそこイージーウィンできたのだが、草タイプが環境にやたらと多く、環境をかなり甘く見ていた気がした。
ただ、対雨はルンパナット選出されてても勝てたので、草に弱い以上に構築全体の水耐性が活きたと思う。
負け試合は大体草タイプが止まらず全抜きされるパターンか、単純に等倍での打ち合いで負けるパターンのどちらかだった。
等倍で打ち合って負ける場合、Sが遅いので上からのZワザでジリ貧になるのはやはり何とかすべきかもしれない。
(相性完全有利の弱保バンギが詰められずに負けるとかはさすがに絶句したけど)
耐性を揃える役割集中という意味では他のタイプでも組みようがあるはずなので、また挑戦してみたい。
以上、しわしわのポケモンレポート APPDATE出張版でした。
コメント
コメント一覧 (1件)
フリドラキュウコン死ぬほど重そう
あとペリッパーの実数値ミスってますね