はじめに
こんにちは、ルートです。
今回はシリーズ12、いわゆるGSルールでの記事をまだ投稿できていない…といなかったので記事を投稿させていただきました。よろしくお願いいたします。
構築経緯
2月に入りランクマッチのルールが禁止伝説が2体まで使用可能なルール(通称GSルール)に変更され、また今年のJCS予選もこのルールで行われることとなりました。
このルールで特に強力なパーティの一つがカイオーガを採用した雨を利用するパーティ。
カイオーガは禁止伝説の中でもとりわけ強力かつ制圧力が高く、型も豊富であり、単体で使ってもガマゲロゲなどと合わせて雨パを組ませても強力なポケモンです。
GSルールの環境はこのポケモンを中心に回っている、それが私の受けた実感でした。
ならばこのポケモンをどう対策するか、それを考えた時に思い浮かんだのが技のにほんばれで天候を書き換えてしまうことでした。
もともと天候を雨から晴れにして水技の威力を下げることは有効でありよく使われるカイオーガ対策です。
しかし、特性ひでりのポケモンはすべて水技が弱点であるためカイオーガに後出ししにくい上に、ダイマックス環境ではカイオーガはダイストリームを使うことで天候を再度奪うことができてしまいます。
それなら、技のほうのにほんばれを採用すれば継続的にカイオーガから天候を奪い、カイオーガの弱体化を図れるのではないか…というところから構築を開始しました。
素早さ操作を受けたカイオーガ相手にも先制してにほんばれを使う必要上、にほんばれを使うポケモンは特性いたずらごころ持ちであることは確定。
今回は使い慣れており、水技を半減でき、おいかぜという優れた素早さ操作を使えるエルフーンを採用しました。
次ににほんばれを使う以上それを活かせるポケモンが欲しかったため、晴れパーティにおいて強力なキョダイマックスポケモンであるリザードンを採用しました。
晴れ状態のキョダイゴクエンは高火力な上に追加効果も優秀であり、またリザードンは炎タイプなので採用率ではカイオーガを上回るトップメタの一角、ザシアンにも有利がとれます。
そうなるとエルフーン以外にも晴れ要員が欲しく、またリザードンの苦手な電気や岩タイプに優秀でもあるので、特性ひでりのグラードンを採用。
それに伴って、エルフーンに脱出ボタンを持たせ、ねこだましを受けた場合即グラードンに交換することで晴れ展開ができるギミックを構築に加えました。
もう一体の伝説枠には、ここまでできつめなイベルタルや、リザードンを突破してきそうなダイマックスランドロスに大ダメージを与えられ、ソーラーブレードによって本来不利相性のグラードンやカイオーガに奇襲ができるザシアンを採用。
残りの枠には、
- 黒バドレックス構築が重かったので、まけんきによりダイホロウをけん制でき、また存在自体が初手のガオガエン出しにリスクをかけることができる化身ボルトロス
- ここまでで対策が薄いトリックルームパーティに対してあくびで時間稼ぎができ、さらにダイストリームを吸収し天候を奪いにくくできるトリトドン
を採用。
結果として晴れパーティとしては珍しくない感じに仕上がりました。
対雨を意識して組んだパーティですが、晴れ同士のミラーにおいてもエルフーンのおいかぜとリザードンの炎技、ザシアンのソーラーブレードなどにより有利に立ち回れるようになっております。
パーティ画像
個別解説
エルフーン
性格 おくびょう
努力値CS252 B4
実数値135-×-106-129-95-184
にほんばれ要員かつおいかぜ要員です。
にほんばれでカイオーガの火力を下げつつリザードンの火力を上げたりザシアンのソーラーブレードを使えるようにする、おいかぜで上から殴れるようにするなどこのパーティでも仕事が多いです。
持ち物は構築経緯でも書いた通りだっしゅつボタンを選択。
相手に押しつけてダイマックスを切らせる動きができるだけではなく、攻撃を受けた時にグラードンを後出し、そのターン中に晴れを展開するという役目もあります(むしろこちらが本来の使い方かも)。
すりかえは単に相手にだっしゅつボタンを押しつけるだけではなく、相手から道具を奪う技としても重要であり、
- 相手のきあいのタスキや半減実を奪い、攻撃を一発も耐えなくさせる
- こだわりスカーフを奪い、素早さを下げる(こちらに技固定のデメリットが発生するのに注意)
- じゃくてんほけんを奪い、安全に弱点を突けるようにする
など色々と使いどころがある技です。
リザードン
性格:おくびょう
努力値:C252 S252 B4
実数値:153-×-99-161-105-167
キョダイマックスエースです。大体このポケモンがダイマックスします。
晴れ状態のキョダイゴクエンはカイオーガの雨ダイストリームにも匹敵するパワーを持ち、等倍でも耐えきることは困難です。
ですが強化アイテムを持っていないので天候がない状態だと少し心元ないところも。
耐久値もやや心もとないですが、キョダイゴクエンの効果が優秀なので1~2回攻撃してキョダイゴクエンを展開してくれればダイマターン中に倒されても結構元が取れたりします。
持ち物はラムのみ。オーロンゲのでんじはやモロバレルのキノコのほうし等を無効化でき、そこそこ役に立ってくれました。
ただ、最大の仮想敵であったねむりごなを使うフシギバナにあまりマッチングしなかったのが悲しいところ。
グラードン
性格:ようき
努力値:A252 S252 D4
実数値:175-202-160-×-111-156
一体目の伝説枠兼晴れ要員です。
エルフーンが倒された後、あるいはエルフーンがだっしゅつボタンで退場したところに飛び出して晴らせていきます。
本来グラードンは同速のカイオーガとの天候争いが発生しやすいポケモンですが、このパーティではにほんばれエルフーンが採用されているため、天候を奪取するためにグラードンをカイオーガより遅くする必要性が薄いです。
なので、おいかぜやダイジェットと合わせやすいように素早さを最速にし、上から殴りやすくしています。
持ち物は構築で余ったいのちのたまを持たせ、火力を引き上げました。
だんがいのつるぎの命中率という難点はありますが、素早さ操作を受けて上から相手を殴り飛ばしてくれる頼もしいポケモンでした。
ただ、ほのおのパンチはあまりにも火力が低すぎたので、ダイマックスには効かないことを考慮してもヒートスタンプでよかったのではないかと思っています。
ザシアン
性格:ようき
努力値:A252 S252 D4
実数値:167-222-135-×-136-220
掃除役かつイベルタルなどへの対策枠。でも一番の採用理由はソーラーブレードが使いたいからだったりします。
火力と素早さを引き上げ、一撃で倒せる範囲を増やした上でミラーで上を取りやすくしています。
技構成は定番のきょじゅうざんとまもるに加えて、パルキアへの打点となるじゃれつくを採用。
残りの一枠には本来不利な相手への奇襲となり、一度使ってみたかったソーラーブレードを採用しました。
晴れ要員を2体採用したこのパーティにおいてはこの技を溜めなし状態で使うのは容易であり、何体ものカイオーガやグラードンを葬ってくれました。
味方のにほんばれを受けて高速ソーラーブレードで相手をなぎ倒していくさまはサン・ムーンのぬしラランテスを彷彿させる…かも。
ボルトロス(化身)
性格:ようき
努力値:A252 S252 D4
実数値:155-167-90-×-100-179
リザードン中心の選出だと辛い黒バドレックスやサンダーなどの相手に選出する、裏のダイマックス枠です。
振らないと火力も素早さも足りないので攻撃と素早さに全振りしました。
とつげきチョッキを持っているので黒バドレックスの攻撃もある程度は耐えられます。
特性まけんきにより相手のいかくに強いので、いかくに弱いザシアン、グラードンとは相性が良好。
エルフーンにとってもねこだましで妨害してくるガオガエンの初手出しを牽制できるのは相性がよいです。
トリトドン
性格:ずぶとい
努力値:H252 B252 S4
実数値:218-×-132-112-102-60
ここまででトリックルームへの対策が薄いので採用。よくある感じの技構成をしています。
あくびとまもるによりトリックルームが切れるまでの時間稼ぎをしてくれ、トリックルームカイオーガの水技も通用しません。
ただし、じゃくてんほけん発動後の白バドレックスには一撃で倒されてしまうほか、最近の白バドレックスはたねばくだんを採用していることもあるので注意。
あくびを警戒されてちょうはつを打たれることが多かったので、持ち物はメンタルハーブを持たせました。
仮に選出しない場合でも、パーティに存在するだけでダイストリームを使いにくくさせるのもありがたいところです。
素早さはミラー意識の4振りですが、よりトリルを意識して最遅でよかったのではないか…と後から思っています。
選出
基本選出
先発:エルフーン+リザードン
後続:グラードン+ザシアン
この構築の基本となる選出です。エルフーンのにほんばれ起動(あるいはだっしゅつボタンからのグラードン展開)によってリザードンの火力を引き上げ、リザードンと伝説2体の高火力で制圧します。
エルフーンがだっしゅつボタンで退場した場合は常にどのタイミングでエルフーンを出すか、どのタイミングでおいかぜを展開するかを念頭に置きながら戦う必要があります。
裏選出
先発:エルフーン+ボルトロス
後続:グラードン+ザシアン
黒バドレックス入りが相手の時やリザードンが出しにくいときに使用する選出です。
ボルトロスにはリザードンほどの火力がなく、相手を倒しにくい…つまり相手を倒すことによってダイジェットの素早さ上昇を消すことが難しいので、基本選出以上に素早さで有利を取ることが重要になります。
対トリックルーム
先発:トリトドン+グラードンorザシアン
後続:グラードンorザシアン+後1体
トリックルームを貼らせない…ということはこのパーティでは困難なので、トリトドンのあくびとまもるでひたすら時間を稼ぎます。ザシアンもグラードンも「まもる」を覚えているので、何とか粘り切ることは可能です。
おわりに
2月ではこのパーティを使い、ランクバトルで最終39位を達成できました(予選の際にはまだこのパーティは未作成)。
予選だとボーダーに入ってなさそうな順位ではありますが、それでもまあまあいい感じのパーティになったのではないかと思います。
組み上げてから日が浅いこともあり、若干詰められていないところはありますが、何かのご参考になればと思います。
それでは、ここまでお読みいただき大変ありがとうございました。
追記
上記の記述はINCの前のものですが、その後この構築から多少いじった構築で3月のINCにも参加したので、そちらの方も記述いたします。
変更点は下記の通り。
・リザードンの持ち物をいのちのたまに変更、ソーラービームをげんしのちからに変更
環境にリザードンが増えていたので、ミラーに強くするべくげんしのちから(ダイロック)を搭載することに。ただ、威力が低くで持ち物による補強なしだとダイロックでキョダイリザードンを落とせなかったので(非晴れ状態)、持ち物をいのちのたまに変更して火力を底上げしました。
・グラードンの持ち物をたつじんのおびに
グラードンのいのちのたまをリザードンに渡したので、ほかの火力補強の持ち物としてたつじんのおびを持たせました。
・トリトドンをカビゴンに変更
性格:のんき
努力値:H252 B252 D4
実数値:267-130-128-×-130-31
トリトドンはカイオーガには強かったのですが、対トリル枠としてより意識したい白バドレックスにあまり強くありませんでした。
そのため、白バドレックスに対して時間稼ぎができ、なおかつカイオーガの水技も耐えられるポケモンとして、特性あついしぼうのカビゴンを採用しました。
技構成はあくび+まもるの二つに加え、フィールドを解除するためのアイアンローラーとゴーストへの打点になるDDラリアットの二つを採用する形となりました。
以上のパーティでINCに参加しましたが、レートは瞬間1800ほど、最終レートは1750という微妙な結果に終わってしまいました。
反省点は
- ディアルガやパルキアといったドラゴン伝説に対して薄かったところ
- そもそも2月と比べてガマゲロゲなどを採用した雨パーティ自体が数を減らしていたところ
- 「グラードンでだんがいのつるぎを当てないといけない」状況が多く、だんがいのつるぎが外れると途端に苦しくなることが多いこと
- 3月初めにあまり対戦ができず、準備不足だったところ
- うっかりエルフーンの個体を間違えた結果、HとBの個体値が0の個体で参加してしまっていたところ
などではないかと思っています。
以上ここまでお読みいただきありがとうございました。
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