【剣盾ダブル】対面最強 スイッチ式ザシゴチルオーガ【INC April43位・WCS2022使用構築】




目次

WCS使用版の作成経緯

元々上記の範囲まで記事を書いた時点ではこの構築は相手と選出をずらして勝利するBO1用のものと認識しており、BO3であるWCSに持っていくつもりは全くありませんでした(実際JCSにはこのザシゴチルオーガではなくグラゼルネを持ち込んでいます)。

ただ、JCSでトップカットには入れなかったものの39位という結果で世界大会への出場権を獲得した為、BO3に向けた構築を改めて考え始めました。しかし、すぐに新案は思い浮かばず悩んでいました。

そこで、取り敢えず有志の方々が主催してくださっているBO3の非公式大会に練習としてこのザシゴチルオーガを持ち込んだところ、初戦でザシゴチルを見せると次戦ではそれを意識した選出をされるが、その相手に対してカイオーガを出すのが強そうという事実が判明し構築を煮詰めなおし始めました。
上の理屈を解説するために改めてこの構築の軸も絡めてお話します。

ザシゴチルオーガの軸について

まず相手目線、ザシアンとカイオーガどちらの警戒度が高いかと聞かれたらカイオーガと答えるでしょう。それはザシアン自体が

  • 威嚇によって弱体化することができる
  • ダイマックス相手の巨獣斬は特効であるが逆に言えば非ダイマポケモンへの制圧力には欠ける

といったポケモンであるのに対し、カイオーガは雨補正を乗せた超火力でダイマックスすればダイストリーム、非ダイマックスではしおふき&こんげんのはどうの範囲技と、どう動かしてもダメージを叩き出す性能をしているためです。

カイオーガが数回有効に動ければその時点で相手は相当な打撃を受けていると言っても過言ではなく、だからこそ相手はカイオーガをより強く意識した選出をしてきます。
交換を許さない特性であるかげふみを持つゴチルゼルがその傾向を加速させ、交換次第でザシアンとカイオーガ両者に対応しうる中間択の選出を否定してくれます。

そのゴチルゼルによりガエンランドロンゲの選出を躊躇させられた相手にザシアンゴチルゼルを押し付けるのが本構築です。ねこだましやてだすけでザシアンを補助するのもよし、またザシアンの圧力を利用しトリックルームを展開して後発のための場を整えるのもよしと、序盤でペースを掴んでそのまま押し切ることを目標としています。

ここまでがBO1におけるこの構築の戦い方でした。逆に言えばザシゴチルのよる嵌め性能が動きの始点である以上、2戦目以降はちゃんとザシアンも意識した選出をされノーストレスできょじゅうざんを振り回しづらくなってしまい、各ポケモンのフルスペックを発揮するのが難しいと最初は感じていました。

ここでおさらいです。1戦目、相手視点カイオーガに弱いポケモンであるガオガエンやランドロスはゴチルゼルでキャッチされた瞬間残数不利を取るので選出しづらくなっているためザシアンが通ります。

しかし、相手も2戦目は初手ザシアンゴチルゼルもケアできるよう選出を変化させます。ガオガエンを出したり、アタッカーを2体並べたりする選出はその最たる例です(交換を必要とせず2体で殴り続ければ攻めの枚数でザシゴチルは不利を取るため)。

実際この選出をされるとザシゴチルは困りますが、カイオーガへの対策は若干薄くなっています。
つまり、「カイオーガを意識した選出をザシアンでカモる」動きが成立するのであればその逆、「ゴチルザシアンを意識した選出をカイオーガでカモる」もいけるのではないかと思い試したところ、実際上記のように強力だと判明しました。
その為再びこの構築を握ることを決めました。

構築の変更点

という事で構築をBO3用にチューニングしていきます。

と言ってもメインのザシアン、ゴチルゼル、カイオーガ、カミツルギ、霊獣ランドロスは変えるつもりはありませんでした。この5匹それぞれが替えの利かない役割を担っており、それを前提とした動かし方を手に馴染ませていたため抵抗感が強かったためです。

ただ、最後のオーロンゲには変更の余地はありました。BO1であればロンゲは黒バドザシアンボルト対策としては満点に近い動きをしてくれていましたが、S操作がどちらも相手に干渉する単体技であるため2戦目、3戦目になるとどうしてもまもるによる択が絡み安定しづらくなっていました。

そこで、味方の場に作用する(相手の動きは関係ない)S操作であるおいかぜを使え、ムーンフォースによりフェアリ―打点も持っていて、あまえるひかりのかべにより疑似的に壁貼りオーロンゲの動きも再現できる耐久エルフーンを採用しました。これにより、おいかぜ+しおふきの動きが可能になり、2戦目にアタッカー2枚選出をしてきた相手2体に大打撃を与えられるようにもなるため、先に述べた動きをより強化することが可能になりました。

また、エルフーンの加入に伴いカイオーガをおいかぜに乗せるため若干Sを上げて、カイオーガとゴチルゼルの技構成も少しだけ変更して構築を完成としました。

パーティ(WCS使用版)

変更ポケモン解説

エルフーン

性格:ずぶとい
実数値:167-×-132-97-113-136
努力値 :252-0-116-0-140-0

HB:11n
補正なし(≒威嚇込み)A244ザシアンのきょじゅうざんを最高乱数以外耐え(83.8~100.5%)
バコウのみ込みでA197ランドロスの珠130ダイジェットを87.5%で耐え(85.0~101.1%)

HD:C217黒バドレックスの眼鏡アストラルビットをダブルダメージ時81.2%で耐え (86.8~102.9%)

上で解説した通りの意図で構築に加入した第二のサポーターです。

主に2戦目にカイオーガと初手選出して追い風軸で相手を制圧することを狙います。エルフザシアンで選出すると攻撃の手数が足りなくなるので極力やりません。

カイオーガ

性格:ひかえめ
実数値185-94-113-216-161-135
努力値 76-0-20-212-4-196

H: 6n-1

HB: A231ザシアンのA+1じゃれつく耐え(84.3~99.4%)
A222ザシアンのきょじゅうざんが28.9%の乱数2発(44.8~52.9%)
A183ボルトロスの珠130ダイサンダー耐え(82.9~99.1%)
A-1(≒威嚇込み)A194ゴリランダーのグラスフィールド+球グラススライダー耐え(81.6~98.3%)

HD:C167レジエレキの140珠ダイサンダーを87.5%で耐え(86.4~101.8%)
非ダイマ時、C238黒バドレックスのアストラルビット(ダブルダメージ)を2耐え(41.0~48.6%)

C:余り
H199-D136ザシアンを雨下+てだすけ+こんげんのはどう(ダブルダメージ)で1発(100.0~118.0%)
H324-D101までの化身ボルトロスを雨下150ダイストリームで1発(100.3~118.5%)

S: 追い風下でS1段階上昇した最速111族抜き

前述の通り以前と比べSを伸ばしたカイオーガです。

また、構築内で相手のカイオーガの処理ルートを増やしたいと感じた為サブウェポンをかみなりに変更しています。

ゴチルゼル

性格:ずぶとい
努力値:252-0-196-0-60-0
実数値:177-×-154-×-138-85

HBD:耐久指数最大

HB:11n
A222グラードンのダブルダメージだんがいのつるぎ2耐え(41.2~49.1%)

HD:余り
C202カイオーガの雨下しおふき(ダブルダメージ)耐え(77.9~92.0%)

配分に変更はありませんが、イカサマをサイドチェンジに変更しました。

自分のゴチルゼルは1戦目の初手に出してトリックルームを展開する立ち回り上、ねこだましてだすけを加えて3つの技が序盤に判明しやすくなっています。

ゴチルゼルがサポーターとして優秀なのは特性に加えて、さいみんじゅつやサイドチェンジ等のヘイトコントロールによって放置を許さない点もありました。

その為、目の前の試合に確実に勝つ事が求められるインターネット予選に対して、BO3に於いては最後の4つ目の技は出来るだけ隠し、相手が想定する択を残し続けた方が向こうの立ち回りを制限させられると考えました。

その上で最後の最後、重要な場面で決めれば相当なアドバンテージが期待できるサイドチェンジをイカサマに代わり採用しています。

戦績

3-5(××〇(不戦勝)〇×〇××)でWCS2022 Day1敗退

反省点

今回使ったPTは軸に据えたゴチルゼルと言うポケモンの特性上、有利な相手には複雑な択を絡ませず嵌め倒せるといったシンプルさに起因する使い易さが強さでありWCSに持ち込んだ1番の要因です。

しかし、タイプによりかげふみでロックされないばかりかゴチルゼルに抜群を突く本構築の基本戦術が最初から通じない相手が居ます。そう黒バドレックスです。

自分は今回のWCSはざっくりザシオーガと晴れグラードン軸が大多数を占め、黒バドレックスとイベルタルが2~3割、白バドパルキアも数は少ないながらも一定数居ると予想していたのもあり、黒バドレックスへの弱さは承知ながらも本構築を持ち込みました。

そして実際どうだったかと言うと、なんと序盤の4戦中3戦で黒バドレックスとマッチングし、構築相性を覆せず3敗してしまいドロップする結果となりました(3戦目にひかりのかべを貫通した急所で負けたマッチもありましたがその後に更にもう1回黒バドレックスとマッチングしたのでまぁ…)。

さすがにマッチングの下振れと言い訳したいですが、そもそもなんでそんなに不利構築が居るんだって話ではあります。

自分は本当に黒バドレックス相手に対抗策を全て講じきっていたのか、パッと見の相性を覆そうとせず不利構築だからしょうがないって諦めて、環境に少ないだろうと楽観視しマッチしない事で対策しようと甘えていた事が今回のWCSを通しての1番の反省です。

WCSレポ

対戦自体は早々に敗退してしまいましたが、WCS自体はとても楽しかったです。

ポケモンの世界一を決めるイベントなだけあって、会場内だけではなく駅から会場までの通路や近くのケーブルカーまでポケモン仕様になっており、まさにポケモン一色といった様相でした。

会場までの通路
WCSの横断幕がお出迎えしてくれる
会場前の看板
会場前の大看板
会場外にも大看板が
会場への入り口

また、JCSの時と違い大きな会場を丸々使用してる為会場内の至る所にポケモンのポスターがあり初めて訪れた時は中を歩くだけでテンションを上げていました。

会場内のポスター
こちらも会場内のポスター
会場内にも大きなポスターが
今年はポッ拳、UNITE、ポケモンGOも併せて5部門での開催だった
上のポスターを別アングルから
会場内にあるポケモンセンター

入手できるグッズも魅力的で、会場内のポケモンセンターやウェルカムキット等により数多くの種類の限定グッズが揃っていました。

早速ポケセンの中へ
内部。かなり広い
会場内にもピカチュウが
そして頭上にもピカチュウ!
ポケセンのマップ
ウェルカムキット(参加賞)

また、対戦会場にて大モニターで観戦する対戦も迫力満点であり、会場の盛り上がりを実感しながらの観戦は生でこその体験でした。

表彰式の様子
優勝トロフィー

また、同じく日本から訪れたプレイヤーとの交流も非常に楽しかったです。

数日間にわたって開催されるため何回もお話したりご飯を一緒にする機会があり、今まで話したことが無かった方とも新しく知り合えたりホテルのロビーに集まってフレ戦会を行ったりまさにポケモン漬けの生活だったと言っても過言ではなく、非常に楽しい日々でした。

ケーブルカーもポケモン一色。
ケーブルカー内の施設にあったポスター

最後に

自分にとっての初の世界大会はday1での敗退という結果に終わってしまいましたが、WCS自体は非常に充実感のある日々でした。実際の会場で各国の猛者と対面して、特別なリーグカードの見せ合いの演出やスタジアムのもとで対戦できるのはWCSならではですし、滅茶苦茶テンションが上がりました。

来年のWCSは横浜開催と発表されましたし、この記事を読んでポケモンの世界大会の存在を知り興味を持っていただける方が居たら幸いです。
自分自身も来年、今年のリベンジを果たせるよう日々精進していきたいと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました

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この記事を書いた人

シャングリラです。幸せだって叫びたい。

コメント

コメント一覧 (1件)

  • オーロンゲの持ち物がこうこうのしっぽでなく鉄球なのは、渡したそのターンの行動順を変えたいからですね。なるほど。

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